Design of a novel sensor for water quality using a photoacoustic type device as a transducer
Project/Area Number |
23K23048
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Project/Area Number (Other) |
22H01780 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 26020:Inorganic materials and properties-related
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
清水 陽一 九州工業大学, 大学院工学研究院, 教授 (20192114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高瀬 聡子 九州工業大学, 大学院工学研究院, 助教 (60239275)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,680,000 (Direct Cost: ¥13,600,000、Indirect Cost: ¥4,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,330,000 (Direct Cost: ¥4,100,000、Indirect Cost: ¥1,230,000)
Fiscal Year 2022: ¥9,750,000 (Direct Cost: ¥7,500,000、Indirect Cost: ¥2,250,000)
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Keywords | 化学センサ / トランスデューサ / 環境イオン / 光音響デバイス / センサ / イオンセンサ / 固体電解質 / 水質計測センサ / レセプタ |
Outline of Research at the Start |
本研究では、光音響分光デバイス等の固体素子をトランスデューサに用いる新規な高性能環境汚染イオン物質濃度検出センサの開発を目指す。研究代表者は、環境イオンセンサとして、電気化学式、酸化物薄膜のエレクトロクロミズム式、固体電解質のインピーダンス式センサ等を提案してきた。特に、全固体インピーダンス式で最も性能が高く簡便な構造が可能となったが、検知感度が10-4Mレベルと環境基準の10-6Mにはまだ不十分なこと、シグナルのベース安定性にも課題があった。そこで、本研究では、主にトランスデューサの最適化と高活性レセプタを用いた高性能環境イオンセンサを構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
各種添加物から水環境中へ流出されるリン酸(水素)イオン、(亜)硫酸イオンや(亜)硝酸イオンなどの環境イオンは、河川、湖沼、湾内などの閉鎖系水域における富栄養化等の主因となる環境汚染物質であり、国内だけでなく、農業国の東南アジアや国内でも大きな問題となっている。また、環境水の検出は、SDGsの#6(安全な水)にも大きく関与するため、地球規模で解決すべき大きな課題でもある。 本研究では、これらの水環境問題を解決するために、イオンを高感度で検知できる全固体型水環境イオンセンサデバイスを構築することを最終目的としている。 当該年度は、初年度に探索方針を得た各環境イオンと大きな相互作用を示すレセプタ材料の更なる探索と改良を行った。レセプタ材料は、ペロブスカイト型酸化物(LnBO3)(Ln2BO4)(Ln: La, Sm, Gd, B: Fe, Co. Ni, Cu)等を取り上げ、それらは高分子錯体前駆体法により作製し、部分置換も行った。これら各酸化物レセプタのキャラクタリゼーションは、XRD、XPS、SEM、TPD、TEM等により精密に行い、構成元素の組成の影響を考察した。なかでもSm-Fe-O系が亜硝酸イオンに、また、Sm-Cu-O系が亜硫酸イオンに応答することを見出した。 次に電気泳動析出法による厚膜の作製のために、これらの微粉体酸化物を合成し、電気泳動析出に取り組み、後焼成処理なしでの酸化物厚膜作製に成功した。また、新たにハロゲン化ペロブスカイトについても適応を検討し、薄膜合成にも成功している。センサ応答としては、各種レセプタ電極を用いて電気化学測定により各酸化物レセプタと環境イオンの相互作用を検討した。さらに、各酸化物表面状態を計算化学でも考察を加えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度、2年度で、複合酸化物系レセプタ材料の探索とキャラクタリゼーション、材料開発について方針を得ている。レセプタの高次成形法として電気泳動析出法による厚膜作製法と進展しており、レセプタの材料開発は順調に進展している。また、従来ほとんど電気化学素子では利用されていない、ハロゲン化ペロブスカイトのセンサ材料としての可能性の創出とその薄膜化に成功しており、新規センサ材料としての展開が期待される。その他、サイズ効果を考慮したイオン交換ゼオライトや電子状態を制御可能なフタロシアニンなどの金属錯体系などにも展開している。 一方、トランスデューサについては、従来のアルカリイオン導電性固体電解質に加え、BaTiO3などの誘電体が常温でトランスデューサとして利用可能なことを見出した。これは予想外に見出したもので、今後のトランスデューサの材料設計や材料探索の幅が広がったと言える。また、光音響デバイス型トランスデューサに応用可能なエレクトロクロミズム系レセプタの知見を得ている。 さらに、当研究で提案している測定手法は応用の幅が広く、固体トランスデューサーと各種レセプタを組み合わせたこれまでにほとんど例のない化学センサを開発することができた。この成果は、2023年7月,9月の国内会議、2023年11月の日韓セラミックス会議で招待講演を行っている。また、2023年11月のアジアセンサ国際会議でも講演を行っており、本研究は予定通りの進展状況と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
複合酸化物系のレセプタが、硝酸イオン、亜硫酸イオンなどの各環境イオンに応答することを見出したので、さらにそれら構成元素の部分置換や酸素欠陥導入など材料のさらなる設計・開発を進める。さらにこの探索手法を駆使して種々のイオンに対する新規酸化物系レセプタ材料の設計・開発を引き続き進める。また、レセプタ材料として新たにフタロシアニン、ポルフィリン、アヌレン錯体などの有機金属錯体、各種イオン交換型ゼオライト、金属合金、金属-酸化物複合材料なども取り上げ探索を進める。これらのレセプタ材料は、XRD、XRF、XPS、TEM、TPD等で精密に解析を行い、合成にフィードバックを行い材料開発を進める。 次に全固体センサを構築するためのトランスデューサとして、従来の常温で高導電性を示すNaイオン導電体、Liイオン導電体や、Fイオン導電体であるLaF3等を検討し、導電イオン種の種類やイオンの電荷の影響を検討する。次に、昨年度見出したBaTiO3誘電体の適応を詳細に検討するとともに、Mg2SiO4、Ba(Mg1/3Nb2/3)O3、Ba3Nd9.3Ti18O54などの誘電体セラミックスも検討する。これらは、合成法の最適化と交流インピーダンス解析による解析も加える。また、光音響デバイスについてはエレクトロクロミズム型薄膜と組合わせたマイクロ素子を検討する。 次にセンサデバイスとしてこれらのレセプタ材料と固体トランスデューサを組み合わせたデバイスを試作し、応答特性を検討する。応答は、各種環境アニオンの応答や選択性、さらに、重金属イオンなどの検討を加える。さらに、レセプタとトランスデューサ界面の電気化学インピーダンス解析、レセプタの酸・塩基点との相関等を分析解析し、センサの作用機構を明らかにする。また、応答機構解析に計算化学を導入する。
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Report
(2 results)
Research Products
(21 results)