Project/Area Number |
23K23062
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Project/Area Number (Other) |
22H01794 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 26030:Composite materials and interfaces-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
倉敷 哲生 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (30294028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花木 宏修 大阪大学, 大学院工学研究科, 招へい准教授 (20336829)
向山 和孝 大阪大学, 大学院工学研究科, 特任研究員 (80743400)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥16,640,000 (Direct Cost: ¥12,800,000、Indirect Cost: ¥3,840,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,890,000 (Direct Cost: ¥5,300,000、Indirect Cost: ¥1,590,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
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Keywords | 易解体性 / 接着接合 / マルチマテリアル / マイクロ波 / 傾斜機能 |
Outline of Research at the Start |
本研究の概要は、循環型社会で求められる解体性・リサイクル性を考慮した異種材接着技術の開発を行う研究である。金属材料と複合材料などの異材接着接合において、構造体の使用中に要求される十分な接着強度を有し、かつ、構造体を解体する際に接着層を容易に解体できる易解体性接着剤の開発を行う。 接着接合の解体性の支配因子としては、①解体の駆動源の選択、②解体時における接着樹脂部の軟弱化、が挙げられる。本研究では、熱硬化性樹脂を基材とし①としてセラミックス系粒子等を解体駆動源とした接着接合を提案し、②として外部からマイクロ波を照射し粒子を自己発熱させ接着樹脂部のみを熱分解温度に到達させて軟弱化による解体を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,循環型社会で求められる解体性・リサイクル性を考慮した異種材接着技術の開発に取り組んでいる.金属材料と複合材料などの異材接着接合において,構造体の使用中に要求される十分な接着強度を有し,かつ,構造体を解体する際に接着層を容易に解体できる易解体性接着剤の開発を行うものである. 接着接合の解体性の支配因子としては,①解体の駆動源の選択,②解体時における接着樹脂部の軟弱化,が挙げられる.研究初年度である2022年度は,熱硬化性樹脂を基材とし①としてセラミックス系粒子等を解体駆動源とした接着接合を提案し,②として外部からマイクロ波を照射し粒子を自己発熱させ接着樹脂部のみを熱分解温度に到達させて軟弱化による解体を試みた. 具体的には,熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂,シリコン系樹脂)を基材とし,SiCや酸化鉄などのマイクロ波吸収能の高い粒子を含有した接着剤を開発し,マイクロ波照射有無による温度上昇の差異の確認を行った.なお,マイクロ波照射には,照射時間や試験片の形状・寸法,照射位置などの様々な実験パラメータが存在する.これらのパラメータを整理し,重要なパラメータを抽出し,熱特性の評価に取り組んだ.次に,提案する接着剤を用いて被着材を接着したシングルラップ継手試験片を作成し,引張せん断強度を測定した.マイクロ波照射の有無による強度特性の差異を確認し,破断面観察により,界面破壊や接着層内破壊などの破壊メカニズムを調査した.これらの成果の一部について学協会を通じて成果発表を行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究初年度である令和4年度は,研究課題として2項目(A~B)を設定し,各項目における実験ならびに分析を実施した. 「A.常温硬化型2液性エポキシ樹脂系接着剤を用いた易解体性の検討」については,2液硬化型エポキシ樹脂を用いてセラミックス粒子としてSiCを選択し,それらを配合した接着剤の予備検討を行った.主剤もしくは硬化剤のどちらに先にSiCを配合させるか,また,その配合量などについて検討を行った.JIS K 6850に基づくシングルラップ接着試験片を作成し,引張せん断強度を測定した.また,市販のマイクロ波照射装置を用いて加熱し接着剤中のSiCを自己発熱させ接着部の軟弱化による解体を試みた.装置内での試験片の配置の最適化や,時間経過に伴う温度計測等を行い,本研究を本格的に進める上での実験条件の選定を行った. 「B.シリコーン系接着剤を用いた易解体性の検討」については,エポキシ系接着剤に比べ弾性や耐熱温度及び耐熱寿命に優れるシリコーン接着剤を対象にセラミックス粒子を配合した易解体性接着剤の開発の予備検討を行った.まず,セラミックス粒子としてSiCを選択し,それらを配合した接着剤について種々の硬化温度及び硬化時間を検討し,SICを添加しても硬化可能な硬化条件の選定を進めた.また,接着継手の被着材として,Al合金やアルミダイキャスト,PBTやPPSなどを検討し,接着剤を塗布し硬化した試験片を作成した.さらに,市販のマイクロ波照射装置を用いてマイクロ波照射による昇温特性ならびに熱損傷の有無を確認する予備実験を行った.その結果,SiCを配合しマイクロ波照射を与え熱損傷が生じる被着材の組み合わせを確認し,次年度以降の本格的な易解体性評価を行う上での実験条件等の知見を得た.
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Strategy for Future Research Activity |
研究初年度である2022年度は,熱硬化性樹脂を基材とし①としてセラミックス系粒子等を解体駆動源とした接着接合を提案し,②として外部からマイクロ波を照射し粒子を自己発熱させ接着樹脂部のみを熱分解温度に到達させて軟弱化による解体を試みた.特に,易解体性接着剤の基材となる樹脂については,常温硬化型エポキシ樹脂と,シリコーン系樹脂の2つを選択し,セラミックス樹脂としてSiC粒子を配合した易解体性接着剤を開発し,市販のマイクロ波照射装置を用いて,昇温特性の評価を行い,最適な硬化条件や装置内での照射位置の選定,試験条件等の知見を得ている. これらの予備的検討において得られた結果や知見を基に,接着剤基材としてエポキシ樹脂やシリコーン系樹脂を中心に,選択する樹脂の種類を拡げ,SiC粒子を配合した易解体性接着剤の開発を行う.また,各接着剤において硬化条件やマイクロ波照射条件は異なるものと推察するため,種々の樹脂に応じた接着剤設計を検討する. また,易解体性の駆動源となるセラミックス粒子に関しては,粒径と含有量が重要なパラメータとなる.そこで,粒径及び含有量を種々に変えた接着剤を作成し,マイクロ波照射による昇温特性の評価や,マイクロ波照射の有無による引張せん断強度の変化の差異を分析する.さらに,マイクロ波照射装置に関しても照射方向や照射位置に関しても検討を進める.
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