Basic research to develop fiber-reinforced double-phase alloys with lightweight and high-electrical conductivity
Project/Area Number |
23K23093
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Project/Area Number (Other) |
22H01825 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 26050:Material processing and microstructure control-related
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Research Institution | Shimane University (2024) Tohoku University (2022-2023) |
Principal Investigator |
千星 聡 島根大学, 学術研究院機能強化推進学系, 教授 (00364026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 成男 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 教授 (40509056)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,680,000 (Direct Cost: ¥13,600,000、Indirect Cost: ¥4,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2022: ¥10,660,000 (Direct Cost: ¥8,200,000、Indirect Cost: ¥2,460,000)
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Keywords | 導電材料 / 加工熱処理 / 析出 / 強度 / 導電性 / 組織制御 / アルミニウム合金 / 複相強化 / 導電材料(Cu, Al合金) / 熱処理 / 加工プロセス / 透過型電子顕微鏡 |
Outline of Research at the Start |
熱処理による複相化と強加工を組み合わせた加工熱処理による「ファイバー強化型複相線材」の創製技術をアルミニウム(Al)導電性材料へ展開する.申請者らは,共析変態および析出反応による緻密なin-situ複相材を強加工することによりファイバー強化型のAl合金が創製可能であるという着想を検証するために,① 加工性と導電性を備えたAl系In-situ複相材作製のための組織制御法の確立,② 強加工によるファイバー強化の発現機構の解明の学術的要素課題の解決に取組む.これらを包括して,軽量高導電性合金群の創製に資する加工熱プロセスの基盤学理を開拓する.
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Outline of Annual Research Achievements |
カーボンニュートラル社会の実現に向けて,自動車などに搭載される電線(ワイヤーハーネス)用素材の軽量化が求められている.これに呼応して,CuやAlを基軸にした導電材料では強度と導電性が高いレベルで両立した材料の出現が切望されている.電線などの強加工材では「ファイバー強化」の利用が有効になる。つまり,① 母相に固溶しにくい元素を比較的多量に添加し,共晶,共析,析出などの二相分離型相変態によってin-situで複相組織を作製する,② in-situ複相材を強加工することにより,第二相がファイバー状に均一分散した複相材にする,の2つの基本工程によって加工硬化,結晶粒微細化による強化,分散強化,複合強化などの複数の効果を重畳できる.これに加えて,母相の組成や第二相の体積分率を調整すれば,導電率も広域で制御可能である.これまで申請者らはCu-Ti合金やCu-Ni-Si合金に対して,過時効処理での析出反応と強伸線加工とを組み合わせることによりファイバー強化型線材を試作し,実用Cu合金において最高レベルの強度-導電性バランスを示すことを実証した. 本研究では,これまでに申請者が獲得したファイバー強化型Cu合金線材の開発指針を深化させること,およびCu合金線材で培った知見をAl合金系線材の開発にも展開可能であることを実証・検証し,これによって,軽量高導電性ファイバー強化型複相材料の創製のための基盤学理を構築することを目的とする.そのために,1) 加工性と導電性を備えたIn-situ複相材作製のための組織制御法の確立,2) 強加工による効率的なファイバー強化発現のための要素課題解決に取り組む.これらを包括して,材料創製-組織変化-高機能化の一連を支配する因子を明確化し,軽量高導電性合金群の創製に資する加工熱プロセスの基盤学理を開拓する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度はAl-Zn合金を研究対象とした.Al-Zn合金は偏析反応を示すため,熱処理により緻密なAl/Znのラメラ組織を形成できる.また,合金組成や熱処理条件によって自由度高く組織制御できるため,各組織的因子が試料の加工性,導電性,強度に及ぼす影響を理解しやすい.初年度はAl-Zn二元系合金の組織と加工性,導電性の関連性を解明することに主眼を置いた.具体的には,(1)Al固溶体単相合金のZn組成に伴う特性および組織構造への影響,(2)Al-15 at.% Zn合金の時効に伴う特性および組織構造への影響の把握に取り組んだ. 公称組成がAl-(0~30) at.% Znとなる合金を高周波溶解にて溶解し,均質化処理によってAl固溶体単相材を作製した.Al固溶体単相材の導電性(比抵抗率),硬さ,引張試験,格子定数を測定し,Al-Zn合金の組織や特性に及ぼすZn組成依存性を明らかにした.これは今後Al/Zn二相合金の組織解析や特性評価をする上で重要な知見となる.次に,加工性や比重の観点から軽量性導電材料として期待できるAl-15 at.%Zn合金に着目し,時効処理による組織制御の可能性を検証した.180~240℃での等温時効によりAl-15 at.% Zn過飽和固溶体合金からは厚さ1 μm以下で積層したAl/Znのラメラ組織が生成することを確認した.温度-時効時間-ラメラ組織の体積分率との関係を等温相変態図(TTT線図)として明確化した.これは,溶体化-時効によって狙い通りのAl/Znのin-situ複相組織を得るために必要な知見となる.また,時効に伴うAl-15 at.%Zn合金の強度と導電性の変化も明らかにした. 以上の知見をもとに試料全体がAl/Znラメラ組織で占有された棒状試料(φ3 mm)を作製した.現在は,これを伸線加工に供し線材の試作を進めている段階である.
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の研究により,Al-Zn合金の組成および組織と加工性,強度,導電性の関連性に関する基本的な知見が蓄積できた.また,Al-Zn合金での偏析反応によるAl/Znラメラ組織の形成条件を把握できた.本年度は,得られた知見を展開して,Al/Znラメラ組織を有するAl-Zn合金の伸線加工にともなう組織の遷移挙動と強度,導電性の変化を評価し,ファイバー強化型線材の試作を試みる. 昨年度に作製したAl-15 at.%Zn合金丸棒試料(φ3 mm)を冷間にて種々の加工率(最小ダイス径φ0.1 mm程度)まで強加工(伸線加工)する.伸線時の温度は室温を基本とするが,加工熱の影響を調べるときは液体窒素を使った低温条件で行う.作製した線材試料に対しては,X線回折,電子顕微鏡(SEM, EBSD, TEMなど),3D-APT,抽出分離,電気抵抗測定にて,Al母相の固溶量,第二相(Zn)の体積分率,形状やサイズ,分布状態,Al/Zn界面状態を定量的/半定量的に評価する.各組織・構造解析は,研究分担者: 佐藤成男(茨城大),研究協力者: 斎藤嘉一(秋田大),宮本吾郎(東北大)との連携にて進める.また,伸線加工した試料をマイクロビッカース硬さ,引張試験,導電率測定に供して,線材の機械的・電気的特性を把握する.以上で得られたデータを包括して,強化への組織的因子(転位強化,結晶粒微細化による強化,固溶強化,分散強化,複合強化),導電率への組織的因子(母相固溶度,第二相の体積分率,サイズ・形状,分散状態)の影響度を定量的に評価する.以上の知見をもとに,Al-Zn合金線材の強度と導電性を更に向上させるための方策を発案する.
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Report
(1 results)
Research Products
(14 results)