Project/Area Number |
23K23100
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Project/Area Number (Other) |
22H01832 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 26050:Material processing and microstructure control-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松田 朋己 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (30756333)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2023: ¥9,620,000 (Direct Cost: ¥7,400,000、Indirect Cost: ¥2,220,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
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Keywords | 異相界面 / 焼結 / 銀 / マイクロ力学 / 破壊誘導 / 電界支援 / その場観察 / マイクロ力学試験 / ナノ構造 / 破壊制御 / 接合制御 / 焼結接合 / セラミックス |
Outline of Research at the Start |
本研究では,異相銀焼結接合において従来考慮されてこなかった,接合部を構成する「界面部」と「焼結部」それぞれの局所力学特性に着目・活用することによって,界面破壊制御を用いた接合部強化指針を構築する.この局所スケールでの界面破壊制御概念を用いて構築した接合部強化指針に基づく新たな接合材料・プロセス設計を通じて,従来技術を凌駕する高信頼性を有する異相ナノ焼結直接接合法を確立する.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,銀焼結異種材料接合部におけるナノ・マイクロスケール界面破壊制御による接合部強化指針を構築し,この指針に基づいて高信頼接合法を確立することを最終目標としている.今年度は①透過電子顕微鏡内での焼結部ナノ構造変化挙動の捕捉に加え,②外場印加によって創製した接合部に対して電子顕微鏡内動的観察下破壊試験を通じた接合部の特性取得・破壊過程の理解を実施した.①では,接合部形成過程の理解のために高温保持プロセスを通じて作製した銀ナノ粒子・結晶体に対して透過電子顕微鏡観察時の局所焼結駆動を行うことにより,銀粒子間の焼結挙動を調べた.その結果,銀粒子同士がナノ双晶を形成しながら一方向に成長して焼結進行するという従来未確認であった焼結挙動の観測に成功している.局所的な外場印加による影響とも推察され,さらなる外場印加条件の制御を通じて,より精緻なプロセス制御を実現するための接合過程の理解に繋げる.また,マクロな接合過程の理解に向けて,放射光CTを用いた外場印加時の接合過程その場観察手法構築に向けた予備検討を行った.外場印加前後の接合材料に対する測定を通じて,接合過程における空間的な組織変化の観測にも成功している.②では,マイクロ力学試験/X線CT融合アプローチによって,接合界面部における組織勾配によって界面あるいは銀層内における破壊挙動が支配されることが明らかとなった.特に,電場を印加した際に界面近傍の銀密度が著しく上昇し,界面破壊から銀層内破壊への破壊誘導が実現されることを突き止めた.そして上記①,②の結果に基づいて,③接合部強化指針を構築し,この指針に基づいて新たに開発した外場支援焼結接合法により,同条件の従来接合条件と比べて3倍以上の継手強度を獲得した.以上の成果については,現在学術論文投稿準備中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究では、以下4つの研究項目に取り組むことを予定している;①接合部創製法構築と接合過程の理解,②接合部特性取得と破壊過程の理解、③界面破壊制御による強化指針の構築,④高信頼接合法の確立.当該年度は①電子顕微鏡観察下での接合過程の観測および②電子顕微鏡内動的観察下破壊試験を通じた接合部の特性取得・破壊過程の理解を主として進めることで,③界面破壊制御による強化指針の構築および④高信頼接合法の確立に着手することを計画していた.その結果,①では焼結組織のナノレベル変化挙動を観測,②では組織勾配を有する異種材料界面の特性・破壊挙動の取得という代表的成果を挙げるとともに,これらの接合・破壊過程の理解に基づいて③界面破壊誘導による接合部強化指針を構築した.そしてこの指針に基づき,室温雰囲気での接合が可能な外場支援焼結接合法を新たに開発し,従来プロセスと同一の接合条件において3倍もの接合強度の獲得に成功している.開発した接合プロセスについては,社会実装に向けて既に特許出願を行うとともに,複数の論文として投稿準備を進めている. 以上のことから本研究課題の進捗状況として当初の計画以上に進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は,開発プロセスの信頼性評価を進める.開発プロセスによって形成した接合部における所特性取得と破壊過程の評価を進めるとともに,静的強度だけでなく,熱サイクル等の疲労試験を通じて異種材料接合部における界面と焼結層の相互作用を明確化し,その結果に基づいて,より強靭な接合部特性を付与可能なプロセスへと深化させる.加えて,同接合指針を銀系焼結プロセスだけでなく他の異種材料接合部への展開についても検証し,多様な異種材料接合部に通用する汎用的な接合部設計・強化指針の構築を目指す.
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