Project/Area Number |
23K23196
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Project/Area Number (Other) |
22H01928 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 28050:Nano/micro-systems-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
斉藤 光 九州大学, 先導物質化学研究所, 准教授 (50735587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋葉 圭一郎 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 量子機能創製研究センター, 主幹研究員 (80712538)
小袋 由貴 久留米工業高等専門学校, 材料システム工学科, 助教 (80804004)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,680,000 (Direct Cost: ¥13,600,000、Indirect Cost: ¥4,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2022: ¥9,750,000 (Direct Cost: ¥7,500,000、Indirect Cost: ¥2,250,000)
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Keywords | トポロジカルフォトニクス / プラズモニクス / バレートロニクス / 光ー物質相互作用 / カソードルミネセンス |
Outline of Research at the Start |
スピン情報を保護した量子情報通信の基盤技術として、トポロジーの概念に立脚したスピン整流性のある無散乱プラズモン導波を利用したアクティブ光制御を創出する。本研究で実現するプラズモン導波路は金属ナノ構造の周期配列から成り、個々の金属ナノ構造に励起される局在プラズモン共鳴の光アンテナ効果によって、導波路近傍に配置された物質の光吸収と発光効率が上昇する。このナノ構造中に半導体材料を組み込み、近赤外領域で光駆動する高速デバイスを作製する。作製したデバイスを走査透過電子顕微鏡-カソードルミネセンスとパルスレーザーによる時間分解分光で多角的に解析し、動作原理を明らかにしつつスピン選択相互作用を実証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、入射する円偏光のスピンの向きに応じて異なる伝播方向のプラズモンモードと結合する光スピンソーターを設計・製作した。有限差分時間領域法を用いた電磁界シミュレーションにより、プラズモニック結晶導波路を基盤とした光スピンソーティングデバイスを設計し、電子線リソグラフィーと物理堆積法により同デバイスを作製した。また、同デバイスを、走査透過電子顕微鏡カソードルミネセンスを用いて解析した。金属ナノディスクを三角格子状に並べたプラズモニック結晶中に、直線状の欠陥を導入して導波路を形成した。導波路に対して上下に位置するプラズモニック結晶は、互いに導波路に平行な向きに半周期並進移動した構造となっており、導波路モードの後方へのブラッグ反射が防がれた。導波路に面する金属ナノディスク配列の一部には、結晶を構成するディスクと異なる直径のディスクが配置された。この置換ディスクの局在プラズモン共鳴と導波路モードのエネルギーが一致するように調整されており、外部円偏光と導波路モードとを接続する役割を果たした。走査透過電子顕微鏡カソードルミネセンスにより導波路を伝播する表面プラズモンを励起し、置換ディスクを介した発光のスピンを解析することにより、導波路モードの伝播方向と発光の角運動量の向きが対応していることが実証され、製作した光スピンソーターの原理が実証された。また、本年度は、プラズモニック結晶導波路を基盤とした光スピンソーターにハライドペロブスカイト薄膜を成膜し、アクティブデバイスとして機能するか実験的に検証する準備を進めた。プラズモニック結晶上でのハライドペロブスカイト薄膜の蛍光寿命の短縮、すなわちパーセル効果を示唆する結果が観測され、両者が結合状態にあることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
スピンの向きにより伝播方向が異なるプラズモン導波路が設計・製作され、そのスピン依存性を評価する実験手法も予定どおり確立された。外部光との結合を可能にする構造の部分修飾も当初予定どおり試験され、これが上手く機能することも実験的に確認された。半導体との組み合わせによるアクティブデバイスの構築へ進める段階まで到達している。組み合わせる半導体としては、前年度に成膜手法を確立したハライドペロブスカイトを候補として検討しており、既にプラズモン導波路上に成膜する手法も確立している。また結合状況の確認として時間分解フォトルミネセンスによる評価を実施しており、蛍光寿命の短縮、すなわちパーセル効果を示唆する結果を得ており、当初計画で想定された順調な進捗であると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
プラズモニック結晶導波路を基盤とした光スピンソーティングデバイスをハライドペロブスカイト薄膜でコーティングした複合デバイスを構築し、その特性を時間分解フォトルミネセンスや走査透過電子顕微鏡カソードルミネセンスで評価し、アクティブデバイスとしての応用を検討する。ハライドペロブスカイト薄膜は2種類の異なる組成の相がナノスケールで混在したコンポジットとなっていることがわかっており、量子ドットが分散した構造となるように組織を制御することで、励起子と表面プラズモンとが結合した状態を利用できると予想している。励起子と表面プラズモンのそれぞれのスピンを含む運動量のやり取りに着目して光学応答を解析し、スピン選択的な相互作用に基づくアクティブデバイスの創製へ繋げる。
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