Project/Area Number |
23K23211
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Project/Area Number (Other) |
22H01943 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 29010:Applied physical properties-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
黒田 健太 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 准教授 (00774001)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥15,860,000 (Direct Cost: ¥12,200,000、Indirect Cost: ¥3,660,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥9,360,000 (Direct Cost: ¥7,200,000、Indirect Cost: ¥2,160,000)
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Keywords | トポロジカル物質 / 磁性 / 光電子分光 / 顕微光電子分光 / 偏光顕微教 / スピンテクスチャー / 光学磁気効果 / 角度分解光電子分光 / トポロジカル電子物質 / スピン軌道結合 / 磁区 |
Outline of Research at the Start |
トポロジカル磁性体の真骨頂として実空間の「磁気構造」と量子物性現象を決定づける波数空間のベリー曲率を反映する「電子構造・スピンテクスチャ」の相関関係を実証する。そのために、顕微スピン角度分解光電子分光を用いて、異なる磁気構造で結晶中に点在する磁気ドメインを選択した電子構造・スピンテクスチャ観察を行い、磁気構造の変化に追随して移り変わる電子構造・スピンテクスチャの姿を波数空間で観る。電子構造レベルまで攻めた微視的な知見から、外場で調整可能な磁性をハンドルとする電子構造制御・量子物性制御を実現させるトポロジカル磁性体の機能として「磁気構造・電子構造・スピンテクスチャ相関」の確立を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、ワイル磁性体などに代表されるトポロジカル磁性体において期待される磁気構造・電子構造・スピンテクスチャの相関特性を実験的に示す事である。この目的達成のために本年度では,この実証を可能にする実験装置として,マイクロ集光レーザーとスピン角度分解光電子分光を組み合わせた顕微スピン角度分解光電子分光装置を世界に先駆けて実現させるために装置開発を主に行った。その結果,紫外光 6-eV レーザーを光電子励起光源として,超高真空槽にある試料表面の位置で 5 マイクロメートル (5um) 以下の微小スポット化に成功した。また,装置の性能評価をした結果,微小スポットを利用した条件下で, 5meV 以下の高エネルギー分解能を有したままスピン分解測定が可能であることがわかった。さらに LabView を用いたグラフィックユーザーインターフェイスなどの測定環境を整備した結果,光電子強度・スピン分解シグナルの高速空間マッピングを行えるようになった。顕微スピン角度分解光電子分光の最終的な空間分解能は,レーザーのスポットサイズだけでなく,試料ステージ・真空槽ステージの熱ドリフトやレーザースポット位置のドリフトによって制限されるが,慎重に装置評価を行った結果,それらからのドリフトが 1 um 以下(7 時間程度のテスト測定)に抑えられていることが分かった。以上から,世界に先駆けて 5um スケールの高い空間分解能とスピン検出を両立させた,顕微レーザースピン角度分解光電子分光を本研究で実現させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたマイクロスケールの空間分解能を有する顕微スピン角度分解光電子分光装置を開発した。これに加えて低温の偏光顕微鏡などの環境も整備して CeSb などの物質で明瞭なドメイン構造と空間分布を捉えられるようになった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度,顕微レーザースピン分解光電子分光装置の開発が完了して5 um以下の空間分解能で安定した測定が行えるようになった。次年度では,開発した装置を様々なトポロジカル磁性体などに適用して,磁気構造・電子構造・スピンテクスチャの相関関係の実証を目指す。また,昨年度に立ち上げた偏光顕微鏡の精度向上を狙う。光源を LED からレーザーに変更して,微小な偏光特性を見抜くためにロックイン検出を導入する。これらの測定を包括的に行うことで,実空間のドメイン構造を分離した,波数空間における本質的な特性を見出し対応付けることで本研究の完成を狙う。
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