金属バッファ層上層状窒化ホウ素を用いたGaN系デバイス構造成長とその機械的転写
Project/Area Number |
23K23236
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Project/Area Number (Other) |
22H01968 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 30010:Crystal engineering-related
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
小林 康之 弘前大学, 理工学研究科, 教授 (90393727)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中澤 日出樹 弘前大学, 理工学研究科, 教授 (90344613)
小豆畑 敬 弘前大学, 理工学研究科, 准教授 (20277867)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥15,600,000 (Direct Cost: ¥12,000,000、Indirect Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
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Keywords | 六方晶窒化ホウ素 / 分子線エピタキシー / 窒化物半導体 / 金属バッファ―層 |
Outline of Research at the Start |
GaN系デバイス構造は、発光ダイオード、高電子移動度トランジスタ等に応用され、幅広く社会で実用化されている。このGaN系デバイス構造を、土台となる基板から剥離し別の基板に転写することができれば、その応用範囲がより大きく広がる。本研究では、六方晶窒化ホウ素を剥離層として機械的に成長用基板から剥離し、他の基板に転写する剥離転写技術において、格子不整合が小さい金属バッファ層をサファイア基板上に成長し、その金属バッファ層上に高品質h-BN剥離層を実現し、そのh-BN層上のGaN系デバイス構造中の転位密度を低減することにより、剥離転写可能なGaN系デバイス構造の応用範囲をより大きく広げる研究である。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、六方晶窒化ホウ素(h-BN)上の機械的転写可能なGaNデバイス構造中の転位密度を低減させるため、h-BNと格子不整合が小さいCu(111)バッファ層またはNi(111)バッファ層をサファイア基板上に成長し、その格子不整合が小さい金属バッファ層上に高品質なh-BNを分子線エピタキシー(MBE)成長し、そのh-BN層上に高品質なGaN系デバイス構造を成長することである。今年度抵抗加熱による真空蒸着によりサファイア基板上にNi(111)薄膜を成長したが、抵抗加熱による真空蒸着ではサファイア基板上に再現性良くNi(111)薄膜を成長することは困難であった。そのため、電子ビーム蒸着を用いて、サファイア基板上にNi(111)薄膜を成長した。基板温度を、室温、150℃、300℃、400℃と変えてNi薄膜を成長し、基板温度400℃でサファイア基板上に平坦性に優れたNi(111)薄膜が成長することを見出した。また、X線回折のΦスキャンからそのNi(111)薄膜は双晶を有していることがわかった。また、そのサファイア基板上Ni(111)薄膜をMBE中で900℃、30分アニールを行うことにより、結晶性、平坦性共に向上することがわかった。また電子ビーム蒸着の蒸着時間を制御することにより、膜厚50nmから200nm程度のNi(111)薄膜を成長することに成功した。しかし、このNi(111)薄膜上にMBEによりBN薄膜を成長すると、dewettingと呼ばれる表面が荒れてしまう現象が生じており、このdewetting現象を抑制することが現状の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サファイア基板上にh-BNと格子不整合が小さいNi(111)薄膜を成長することは、抵抗加熱による真空蒸着では困難であった。しかし、電子ビーム蒸着によりサファイア基板上に膜厚50nmから200nm程度のNi(111)薄膜成長に成功し、そのNi(111)薄膜は(111)配向性に優れ、また表面平坦性にも優れることを見出した。現在、MBEによりこのNi(111)薄膜上にBN成長を行うと、dewettingと呼ばれる表面が荒れてしまう現象が生じているが、このdewetting現象はサファイア基板上のNi(111)薄膜の膜厚を増加させることにより抑制されることが知られている。そのため電子ビーム蒸着の蒸着時間を制御することにより、500nm以上の膜厚のNi(111)薄膜を成長することが可能であり、dewetting現象も抑制できる見通しが立っているためである。
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Strategy for Future Research Activity |
サファイア基板上に成長したNi(111)薄膜上にBN薄膜を成長した時に生じるdewetting現象を抑制するため、500nm以上の膜厚のNi(111)薄膜を成長し、その膜厚の厚いNi(111)薄膜上にMBEによりh-BN薄膜を成長する。また、抵抗加熱による真空蒸着で500nm以上の膜厚のCu(111)薄膜を成長することが困難であるため、サファイア基板上にCu(111)薄膜をMBEにより成長し、そのMBE成長したCu(111)薄膜上にMBEによりh-BN薄膜を成長する予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)