Project/Area Number |
23K23247
|
Project/Area Number (Other) |
22H01979 (2022-2023)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 30020:Optical engineering and photon science-related
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小澤 祐市 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (90509126)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 良介 愛媛大学, 医学系研究科, 准教授 (40508818)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2022: ¥7,930,000 (Direct Cost: ¥6,100,000、Indirect Cost: ¥1,830,000)
|
Keywords | レーザー顕微鏡 / 空間構造を持つ光 / ベッセルビーム / 3次元イメージング / レーザー顕微鏡法 |
Outline of Research at the Start |
レーザー走査型顕微鏡法において、試料の深さ方向に伸びた針状の強度分布を持つニードル励起スポットの1回の2次元走査のみから3次元画像取得を行う新しいイメージング方法を開発する。本研究課題では、これまで必須とされてきた超短パルスレーザー光による多光子励起を用いない方法によって、ニードル顕微鏡法による3次元画像取得を目指す。これにより、光源や試料に対する制限を大きく低減できる実用的な光イメージングの方法論を確立する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、励起光として用いる連続波発振の可視光について、従来の波長532 nmのレーザー光源に加えて波長488 nmのレーザー光源も導入した。これによって、励起可能な色素のバリエーションを増やし、特に緑色蛍光タンパク質(GFP)を発現した生体試料に対するイメージング試験を実施することが可能となった。また、昨年度までに準備を進めた32 chの検出系に基づき、アガロース中に固定した直径200 nmの蛍光ビーズを評価試料として、サイドローブを抑制したベッセルビームの1回の2次元走査から3次元画像取得を行った。取得画像に対して、面内および深さ方向の個々のビーズ像のサイズを計測し、空間分解能の評価を行ったところ、同条件で取得した通常の共焦点レーザー顕微鏡画像と比べて、概ね同程度の分解能が得られることがわかった。一方で、得られたビーズ像は面内および深さ方向に一定の強度テールや残存サイドローブが確認されており、これは計算機合成ホログラムの多重化に基づく蛍光信号に対する波面制御の際に生ずる背景ノイズおよび励起ベッセルビームにおける非抑制方向のサイドローブに起因することが明らかとなった。そこで、これらの影響を改善するために取得画像に対する一般的なデコンボリューション処理を試みたところ、面内および深さ方向の何れにおいても強度テールが低減された良好なビーズ像と高い空間分解能が得られることがわかった。 本イメージングシステムに基づいて、水中に分散した直径200 nmの蛍光ビーズのブラウン運動を50 Hz以上の速度で3次元可視化を行い、個々の粒子の3次元的な位置を追跡できることがわかった。また、固定したマウス脳スライスの神経細胞の可視化を試み、可視光ベッセルビームの1回の2次元走査のみから、神経細胞におけるスパイン構造までを明瞭に3次元的に可視化できることを実証した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、可視光波長のレーザー光源を用いた線形な蛍光イメージングにおいて、サイドローブを抑制したベッセルビームの1回の2次元走査のみから3次元イメージングを実証し、通常の共焦点レーザー顕微鏡法と遜色の無い結像性能が得られることを示した。当初の目的通り、従来必要とされた2光子励起などの非線形励起過程を用いなくとも本イメージング原理によって3次元イメージングを可能にしており、順調に研究は進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
本イメージングシステムのさらなる改善を進めながら、生体試料を含む様々な撮像対象に対する3次元イメージング性能を追求する。また、蛍光イメージングだけでなく、散乱光/反射光を信号としたイメージング実験も進め、結像性能の評価を行う予定である。加えて、本イメージング装置を共同研究者の実施機関へ移設し、共同実験を行うための準備も進めながら、今後のさらなる研究展開へ向けた検討を行う。
|