Project/Area Number |
23K23250
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Project/Area Number (Other) |
22H01982 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 30020:Optical engineering and photon science-related
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
宮地 悟代 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30378905)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,070,000 (Direct Cost: ¥13,900,000、Indirect Cost: ¥4,170,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2022: ¥12,870,000 (Direct Cost: ¥9,900,000、Indirect Cost: ¥2,970,000)
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Keywords | フェムト秒レーザー / 光触媒 / 表面プラズモン / ホットキャリア |
Outline of Research at the Start |
新しい化学反応の経路を見出し、新物質を創製することは、学術的に意義があるだけでなく、持続可能な社会発展には欠かすことができない。これまで金属表面に光によって励起される自由電子の集団振動(表面プラズモン・ポラリトン。以下SPPとよぶ)を起源とするホットエレクトロンを介して光触媒反応が生じることが見いだされ、活発に研究が行われている。申請者らは近年、フェムト秒レーザーによって半導体であるSiにSPPを励起できることを世界で初めて実験で明らかにした。本研究では、金属ではない物質が、フェムト秒レーザーによって励起されたSPPを介し、表面付近に存在する対象物質と化学反応が生じることを初めて実証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、前年度に構築した実験手法と作製したターゲットを使用して実験を行った。まず、ターゲット表面にフェムト秒(fs)レーザーパルス(Pulse1)を照射することにより、物質固有の線形および非線形光吸収によって、光から電子へとエネルギーを移動させてキャリアを励起するよう光学系を設置した。SPPの励起と観測を行うために、Pulse1から時間遅延Δtを与えたfsレーザー(Pulse2)を、物質表面に入射角θで照射し、入射光および反射光のスペクトルをマルチチャネルファイバー分光器で測定した。本研究の元となった実験手法では、入射角θを変えたときの反射スペクトルの変化(いわゆる、表面プラズモン共鳴曲線)から、SPPの波長や振幅、伝搬長、伝搬時間、空間モード(プラズモニック・バンドギャップ)を特定できる分散曲線が得られる。この手法と、GaN、SiO2をターゲットとして用いて実験を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに光学実験系とターゲットを使って予備実験を行えた。
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Strategy for Future Research Activity |
本現象に有効な材料の組み合わせを計画して今年度構築したレーザー照射実験を行い、SPP励起に必要なレーザーエネルギー、遅延時間、レーザー波長、入射角を決定した後、SPP振幅、伝搬時間を測定し、レーザー照射後の表面の組成分析を行う。まずは、予備実験の結果が得られているSi表面での反応経路を明らかにする。まず、SiにSiO2を堆積させた試料をターゲットにレーザー照射実験・分析を行う。さらに、Si表面と接触する媒質を別の物質、ここではまず水に置き換えるため、水中でSiにレーザー照射後、表面分析する。以上の実験結果により、エレクトロンまたはホールのいずれかで酸化または還元反応が起こったかを特定する。酸化反応が起こっていた場合には溶融したSiと反応し還元によってSiに戻るようSiO2に還元剤を添加する。また、還元反応が起こった場合には酸化溶融反応が起こるよう酸化剤を添加する。このターゲットに再びレーザー照射後・分析を行うことにより、fsレーザーによって誘起されたエレクトロンとホールによって、まずはSiを使って触媒サイクルが実現できることを示す。さらに、この知見を基に、Si以外の材料と対象物質を選定して一連の実験・分析を行い、固有の触媒サイクルを明らかにする。
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