Project/Area Number |
23K23262
|
Project/Area Number (Other) |
22H01994 (2022-2023)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 30020:Optical engineering and photon science-related
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
太田 泰友 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (90624528)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩本 敏 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (40359667)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2022: ¥7,410,000 (Direct Cost: ¥5,700,000、Indirect Cost: ¥1,710,000)
|
Keywords | ツイストロニクス / フォトニック結晶 / ハイブリッド集積 / モアレフォトニック結晶 / 微小共振器 / ナノレーザー / ナノフォトニクス / シリコンフォトニクス / レーザー |
Outline of Research at the Start |
半導体薄膜に周期的に空孔を設けた2次元フォトニック結晶を回転させつつ積層するこ とで、光ツイストロニクスを開拓する。これにより、新しい光閉じ込め機構および光系特有のツイスト物理を探求する。一般に困難とされる積層ナノ光構造の作製には申請者が開発を続ける転写プリント法を用い、高品質な半導体ツイスト積層フォトニック結晶を実現する。同構造の工学的有用性にも着目し、ハイブリッド集積ツイスト微小共振器レーザーへの応用を検討する。本研究を通じ、半導体光ツイストロニクスと呼ぶべき新分野を開拓する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、半導体モアレフォトニック結晶を対象として光ツイストロニクスを開拓し、新しい光閉じ込め機構および光系特有のツイスト物理を探求している。研究二年目は、理論解析、数値計算、デバイス作製・光学測定技術の発展を図った。 (1)光ツイストロニクス系の理論解析:Staggeredポテンシャルを導入したモアレ系の解析に重点的に取り組んだ。2層一次元系では強束縛近似モデルを構築し、Staggeredポテンシャルの導入によりフラットバンド局在が広いパラメータ領域で実現できることを発見した。また同様の計算を2層二次元系についても行い、ツイスト角が小さい一周期系において波動関数の局在が発現することを確認した。 (2)光ツイストロニクス系の数値解析:(1)の結果に基づき、1次元モアレフォトニック結晶における光局在を解析した。2層系を詳しく解析し、Staggeredポテンシャルを導入することで最小バンド幅やフラットバンドが得られるパラメータ範囲が大幅に拡大することを見出した。また単層モアレ系についても解析し、Q値が1億に迫る光局在が発現することが分かった。2次元系においても、Staggeredポテンシャルを導入した単層モアレ系においてQ値が1000を超える光局在を実現した。 (3)モアレフォトニック結晶の作製:InPに対するエッチングハードマスクを導入することで加工精度を大幅に向上することに成功した。洗浄プロセスの改良にも取り組み、残渣のない中空フォトニック結晶の作製に成功した。また、転写プリント法を用いて2層積層構造の作製に取り組んだ。中心位置ずれが発生するものの、回転積層構造を高品質に作製できることが分かった。 (4)光学評価実験:作製した試料の低温顕微フォトルミネッセンス測定を行い量子井戸からの発光を確認した。また、偏光クロスニコル配置を用いた反射系を構築し反射測定も試みた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Staggeredポテンシャルを導入したモアレフォトニック結晶による強いフラットバンド局在を新たに発見するなど理論解析・数値計算が大きく進展した。さらに一次元系において1億のQ値を実現するモアレフォトニック結晶を数値的に実証することに成功した。一方、光学測定では強い共振器信号が観測できておらずプロセスの一層の最適化が必要なことが分かった。これらのことを鑑み「おおむね順調に進展している」と判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでに得た成果をベースに、モアレフォトニック結晶をベースとしたナノ共振器レーザーの実現を図る。 (1)光ツイストロニクス系の理論解析:適切な近似のもとで連続体モデルを構築し、Staggeredポテンシャルを含む系において、フラットバンド局在の性能を決める主要因をあぶりだす。また、ヘテロツイスト系についても検討を行い、InP-Si積層系におけるフラットバンド局在の可能性を検討する。 (2)光ツイストロニクス系の数値解析:FDTD法を中心に高Q値共振器の解析を行い、レーザー発振に向けてモード分布などを詳細に解析する。また、遠方界放射パタンとバンド構造との関係を調査する。さらには、光導波路と結合可能なモアレフォトニック結晶ナノ共振器の設計を行い、ハイブリッド光集積への応用可能性を検討する。これらの研究からモアレフォトニック結晶のナノレーザー応用を検討する。 (3)モアレフォトニック結晶の作製:微細加工技術を精緻化し、モアレフォトニック結晶からのレーザー発振実現を目指す。積層構造においては、転写プリント法の位置合わせ精度を一層向上させることで、所望の光共振を実現する。 (4)光学評価実験:低温顕微分光によりレーザー発振の実証を進める。光学系の安定性を向上し測定を自動化することで、信頼性の高いデータを取得することを目指す。
|