Project/Area Number |
23K23279
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Project/Area Number (Other) |
22H02011 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 31010:Nuclear engineering-related
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
宮部 昌文 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 福島廃炉安全工学研究所 廃炉環境国際共同研究センター, 研究職 (20354863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 秀一 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (90262047)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥15,860,000 (Direct Cost: ¥12,200,000、Indirect Cost: ¥3,660,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2022: ¥9,100,000 (Direct Cost: ¥7,000,000、Indirect Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | レーザーアブレーション / レーザープラズマ / 遠隔分析 / 同位体分析 / レーザー共鳴分光 / ドップラーフリー分光 / 蛍光分析 / レーザー加工 / 多段階共鳴励起 |
Outline of Research at the Start |
廃炉廃棄物等の遠隔分析法として、レーザープラズマ等の共鳴分光により、波長分解能の高い同位体分析法の開発を行う。この方法を様々な廃炉関連物質に適用するため、主要核種による実証試験を行うとともに、レーザー加工時のオンラインモニタ等への応用を図る。また、感度向上のための高出力波長可変レーザーの開発や、遠隔性向上のためのドップラーフリー分光の実証などを通じて、分析性能の向上を目指す。さらに、高励起状態の原子とガス分子の衝突に起因する圧力拡がりや圧力シフトを観測して、原子の置かれた環境を探る応用や、粒子密度や温度の高感度計測への応用を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
福島第一原子力発電所の廃炉では、廃炉作業に伴って発生する燃料デブリや放射性廃棄物をはじめ、様々な放射能を有する分析試料に対して、速やかに分析結果の出せる、遠隔性(非接触性)のある元素・核種組成分析法が求められている。本研究では、同位体シフトの小さい核種にも適用できる遠隔分光分析法として、レーザーアブレーションとドップラーフリー共鳴蛍光分光を組み合わせた、高分解能分析法の開発を行っている。カルシウムで実証したドップラーフリーアブレーション共鳴蛍光法が他の原子にも適用できることを示すため、ストロンチウム原子の高効率2段階電離スキームに波長をチューニングした2台の半導体レーザー光を用いてストロンチウム原子を第2励起状態まで励起し、観測される蛍光スペクトルの線幅がドップラー拡がりに比べて十分狭いことを確認した。また、ネオジムやガドリニウムの分析に向けて波長可変範囲の広いパルス色素レーザー2台を用いた2波長2段階励起スキームの探索を行った。さらに、アブレーションプルーム内での原子の気相酸化反応が検出感度の制限要因となることから、高真空下でアブレーションプルームを発生させられる真空チャンバーを備えた実験装置を構築した。レーザー加工への応用では、加工時に生じるヒューム内の原子の経時変化を調べるため、光解離用のNd:YAGレーザーを整備するとともに、加工用ファイバーレーザーと光解離用YAGレーザーの同期運転を可能にする発振制御回路を構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度は昨年度構築した実験装置を用いて分光実験を開始するとともに、新たな課題に対する装置の改良や増設等を行っている。ストロンチウム原子の2波長2段階ドップラーフリー分光では蛍光スペクトルの測定に初めて成功し、カルシウム以外の元素でもドップラ―フリー分光が可能であることを実証できた。ネオジムやガドリニウム等のランタノイド元素の分析では、波長可変域の広いパルス色素レーザー2台を用いた2波長2段階励起スキームの探索を行ない、これまでに報告されていないエネルギー準位を多数発見したほか、励起断面積の測定から効率の高い2段階スキームを得ることが出来た。さらに空気中での分析やレーザー加工時の分析に対応するため、アブレーションプルーム内での原子の気相化学反応や、加工ヒューム内での原子のクラスター化・ナノ粒子化反応に関する知見を得るための実験装置の整備も進んでいる。これらのことから、本研究はおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、ストロンチウム原子のドップラーフリー分光を様々な実験条件で行い、スペクトルの強度や線幅と実験パラメータの関係を調べて、分析に適した実験条件を決定する。またネオジムやガドリニウムの分析では、パルスレーザーによる試験で得られた分光データに基づき、線幅の狭い外部共振器半導体レーザー光源や波長制御システムを整備して、ランタノイド原子の共鳴信号の観測を試みる。また、気相酸化反応に関する試験では、高真空チャンバーを用いてアブレーション共鳴信号を観測することで、混入ガス等の影響を無くし、バッファガスの条件が分析性能に与える影響をより詳しく調べる。さらにヒューム内のナノ粒子化に関する試験では、加工用レーザーと光解離用レーザーの照射タイミングを変えながら共鳴信号を観測することで、レーザー加工時のヒュームを用いた分光分析法の適用性について基礎的なデータを取得する。
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