Project/Area Number |
23K23315
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Project/Area Number (Other) |
22H02047 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 32020:Functional solid state chemistry-related
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
星 永宏 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (30238729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小関 泰之 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (60437374)
中村 将志 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (70348811)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,200,000 (Direct Cost: ¥14,000,000、Indirect Cost: ¥4,200,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2022: ¥14,300,000 (Direct Cost: ¥11,000,000、Indirect Cost: ¥3,300,000)
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Keywords | 単結晶電極 / 原子間力顕微鏡 / 振動分光法 / 疎水性物質 / 誘導ラマン分光法 / 周波数変調原子間力顕微鏡 / 吸着形態 / 水密度分布 / Pt単結晶電極 / 誘導ラマンスペクトル / 水構造変化 |
Outline of Research at the Start |
ラマンスペクトル,赤外スペクトルと周波数変調原子間力顕微鏡を用いて,Pt単結晶電極上の疎水性物質の吸着配向,吸着水の構造を決定する。 得られた情報を基に,未だに解明されていないPt単結晶電極上の電極触媒活性の活性化因子を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
四級アンモニウムカチオン(THA+)は,燃料電池の空気極の反応である酸素還元反応(ORR)をPt(111)電極上で8倍活性化するが,THA+の吸着形態は不明であり,活性化メカニズムの詳細な考察ができない。誘導ラマン分光法(SRS)で赤外スペクトル,ナノ微粒子増強ラマン分光法(NPSERS)では検出できないTHA+の吸着形態をPt(111)電極上で試みた。電気化学環境下でのSRS測定方法は確立したものの,THA+の表面被覆率が低いためS/Nが悪く,THA+由来のバンドは再現性良く得られたものの,レーザー強度の揺れによるノイズと同程度の強度であり,学術論文として投稿できるレベルではない。2024年度は測定対象をPt(111)電極上での被覆率が高くオクチルアミンに変更して,目標の達成を目指す。 メラミンは全てのPt単結晶電極上のORR活性を向上させる特徴がある。水の構造変化が活性向上の要因であるが,Pt単結晶電極上で水の構造を可視化した例はない。周波数変調原子間力顕微鏡(FM-AFM)を用いて,メラミン添加前後の水密度の3次元分布の測定をPt(111)電極上で試みた。水密度の3次元分布を測定するには原子レベルで平滑な表面が必須である。しかし,FM-AFM用電気化学セルにPt(111)電極をセットするのに時間がかかってPt(111)表面が空気に触れ,FM-AFM測定時には電極表面にnmオーダーの凹凸ができて水密度の3次元分布を測定するのは不可能であった。Pt単結晶面を単原子層のヨウ素原子で被覆すると,表面が空気に触れても原子レベルで平滑な面が保たれることが知られている。2024年度は,Pt(111)電極表面をヨウ素原子で保護し,荒れを抑えて水密度分布測定に挑む。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
SRS測定に関しては,当初の測定対象であるTHA+のPt(111)電極上の表面被覆率が低すぎて,スペクトルの積算回数を増やしても明確なピークを検出できない。被覆率の高い疎水性物質に測定対象を変更する。 FM-AFM測定に関しては,FM-AFM用電気化学セルにPt(111)電極をセットするのに時間がかかるのが問題である。Pt(111)電極をアニール後,アルゴン/水素気流中で冷却し,表面を超純水で保護しながらセルにセットするが,セットに時間がかかることによって表面を保護している超純水が蒸発する。原子レベルで表面を規整したPt単結晶面は空気に触れることにより,一瞬で表面にnmオーダーの凹凸を生じ,原子レベルで平滑な構造が失われる。水密度の3次元分布を測定するには,原子レベルで平滑な面が必要なため,2023年度は目標とする測定を行えなかった。2024年度は「今後の研究の推進方策」に示す方法で表面の荒れを防止する
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Strategy for Future Research Activity |
SRS測定に関しては,電気化学測定でPt(111)表面の被覆率が高いオクチルアミンに測定対象を変更する。オクチルアミンは炭素鎖数が8のアルキルアミンであり,被覆率の高さと相まって,各種C-H振動をSRSで検出できる可能性が高い。 FM-AFM測定に関しては,Pt(111)表面を単層のヨウ素原子で被覆することにより,FM-AFMセルに電極をセット中に表面が荒れることを防止する。ヨウ素原子で保護したPt(111)表面は空気に晒してもヨウ素の√7×√7構造が長時間保持されることが知られている。予備実験としてヨウ素保護したPt(111)電極表面を走査型トンネル顕微鏡(STM)で観測した。最小でも10 nm四方のドメインでヨウ素の√7×√7構造が形成されており,この表面上でなら水密度の3次元分布の測定が可能である。2024年度はヨウ素被覆したPt単結晶電極上の水密度の3次元分布の変化をメラミンの修飾前後で測定する。ヨウ素被覆したPt単結晶電極上で水密度の3次元分布素を測定した例は過去になく,これだけでも基礎科学の点で重要な知見が得られる。 Pt単結晶電極表面を保護したヨウ素原子は一酸化炭素で置換され,その一酸化炭素を酸化除去すれば裸のPt単結晶面が得られる。この方法で,FM-AFMセルにセット後に原子レベルで平滑なPt単結晶面を得ることが可能である。ヨウ素被覆Pt単結晶電極上での水密度分布の測定を終えた後に,裸のPt単結晶電極表面でのメラミン修飾前後の水密度分布の変化を測定する。
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