Synthesis of Macrocyclic pi-Conjugated Anthracene-Acetylene Hexamers and Their Functions and Supramolecular Properties
Project/Area Number |
23K23330
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Project/Area Number (Other) |
22H02062 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 33010:Structural organic chemistry and physical organic chemistry-related
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
小林 健二 静岡大学, グリーン科学技術研究所, 教授 (40225503)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2022: ¥9,100,000 (Direct Cost: ¥7,000,000、Indirect Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 大環状化合物 / パイ共役 / アントラセン / 超分子化学 / 分子自己集合 |
Outline of Research at the Start |
平面性大環状パイ共役アントラセン-アセチレン6量体の創製は、有機パイ電子系化学の重要課題の1つである。本研究では、様々な側鎖Ar置換基を有する環状ヘキサ-2,7-(4,5-ジアリール)アントリレンエチニレン1ならびに対角位置の2箇所をブタジイン結合で置換した環状体2を合成し、物性・機能・分子集合性を探求・解明することを目的とする。具体的には、環状体1および環状体2の側鎖Ar置換基の性質に応じたπスタック自己会合の精査、環状体1および環状体2をホスト分子としてサイズ選択的な[n]CPP等のゲスト包接、ならびに、環状体1および2の分子集合πスタックナノチューブの形と機能探索を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
我々は最近、側鎖に立体的に嵩高い3,5-ビス(2-エチルヘキシルオキシ)フェニル基を有する環状ヘキサ-2,7-(4,5-ジアリール)アントリレンエチニレン1aを合成し、環状6量体1aはπスタック自己会合しないこと、また、1aは環内孔にサイズ特異的に環状p-フェニレン9量体[9]CPPを包接することを見出した。本研究では、様々な側鎖Ar置換基を有する環状ヘキサ-2,7-(4,5-ジアリール)アントリレンエチニレン1ならびにその類縁体を合成し、物性・機能・分子集合性を探求・解明することを目的とした。初年度は、次の3点に焦点を当て研究を実施した。 [1]側鎖に立体的に若干嵩高さの小さい環状体1bの性質解明:予備的知見として、環状体1aよりも側鎖に立体的に若干嵩高さの小さい3,5-ジヘキシルオキシフェニル基を有する環状ヘキサ-2,7-(4,5-ジアリール)アントリレンエチニレン1bを合成し、環状体1bは熱力学平衡下でπスタック自己会合二量体を形成することを見出している。今年度は、環状体1bのπスタック自己会合二量体の形成に対する溶媒効果、1bのπスタック自己会合二量体の[9]CPP包接能を明らかにした。 [2]環状体1aのブタジイン類縁体2aの合成と性質解明:環状体1aの6つのアセチレン結合のうち対角位置の2箇所をブタジイン結合で置換した環状体2aの合成を達成した。また、環状体2aはサイズ特異的に環状p-フェニレン10量体[10]CPPを包接することを見出した。 [3]側鎖に立体障害の小さい環状体1cの合成と性質解明:環状体1aよりも側鎖に立体障害の小さいp-オクチルオキシフェニル基を有する環状ヘキサ-2,7-(4,5-ジアリール)アントリレンエチニレン1cの合成を達成した。そして、環状体1cは非常に強くπスタック自己会合してπスタック自己会合多量体を形成することを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
[1]環状体1bのπスタック自己会合二量体(1b)2の形成に対する溶媒効果を検討し、1H NMR滴定の結果、CDCl3中298 Kでは会合定数Ka = 3,560 M-1に対し、(v/v) 30% c-C6D12-CDCl3中ではKa = 63,340 M-1に増加し、c-C6D12中では会合二量体を100%形成することが分かった。また、蛍光スペクトル測定で、希釈下0.5 x 10-6 Mでもc-C6H12中では会合二量体由来のエキシマー発光のみ観測されることが分かった。また、CDCl3中318 Kでの会合二量体(1b)2の[9]CPP包接会合定数は単量体1bよりKa/Ka’ = 9,440 M-1/221 M-1 = 42.7倍増加することが分かった。また、(v/v) 70% c-C6D12-CDCl3中318 Kでの会合二量体の[9]CPP包接会合定数はKa = 13,200 M-1となり、CDCl3中よりも1.4倍増加することが分かった。 [2]環状体1aの6つのアセチレン結合のうち対角位置の2箇所をブタジイン結合で置換した環状体2aの合成を達成した。環状体2aは、1aよりもπ共役拡張するため、吸収極大は4 nm、発光極大は7 nm長波長シフトした。また、環状体2aはサイズ特異的に[10]CPPを包接し、CDCl3中298 Kでの包接会合定数はKa = 3,180 M-1となることが分かった。 [3]環状体1aよりも側鎖に立体障害の小さいp-オクチルオキシフェニル基を有する環状ヘキサ-2,7-(4,5-ジアリール)アントリレンエチニレン1cの合成を達成した。環状体1cは溶媒中で非常に強くπスタック自己会合してπスタック自己会合多量体を形成するため、単離精製が大変であった。環状体1cのMALDI-TOF-MS測定では、単量体から会合5量体まで観測されることが分かった。
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Strategy for Future Research Activity |
[1]環状体1bの単結晶化とアルキル側鎖の異なる環状体の性質解明:次年度は、πスタック会合二量体(1b)2の単結晶作製と単結晶X線構造解析を行い、πスタック構造の詳細を解明する。また、環状体1bのヘキシル基をブチル基やドデシル基に変えた環状体を合成し、会合定数や熱力学パラメータに関するアルキル基の長さの効果を精査する。また、ドデシル基に変えた環状体に関しては、液晶性の可能性を探る。 [2]環状ブタジイン類縁体2aの性質解明:今年度、環状体1aの対角位置2箇所のブタジイン置換体2aはサイズ特異的に[10]CPPを包接することを見出した。[10]CPPはC60を包接することが知られている。そこで次年度は、C60を包接した[10]CPPを環状体2aで包接し、C60有無における包接会合定数や分光特性の変化を精査する。また、環状体2aはアントラセン換算で環状6量体である。今年度、環状体2aの合成の際に、副生成物として環状9量体と環状12量体も単離できた。次年度は、これら環状体の重合度に対するNMR挙動や光物性を比較精査する。 [3]側鎖に立体障害の小さい環状体のπスタック自己会合挙動:今年度、環状体1aよりも立体障害の小さいp-オクチルオキシフェニル基を側鎖に有する環状ヘキサ-2,7-(4,5-ジアリール)アントリレンエチニレン1cは、非常に強くπスタック自己会合してπスタック会合多量体を形成することを見出した。次年度は、環状体1cのキャスト膜を作成しSEM観察を行い、また、単結晶の作製と単結晶X線構造解析を行い、環状体1cの分子集合πスタックナノチューブ構造を実証したい。また、側鎖に長鎖アルキルエステルの(p-オクチルオキシカルボニル)フェニル基を有する環状体1dや親水性p-TEGオキシフェニル基を有する環状体1eを合成し、環状体1cとのπスタック会合能を比較精査する。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)