Project/Area Number |
23K23380
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Project/Area Number (Other) |
22H02112 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 34020:Analytical chemistry-related
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
永目 諭一郎 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 研究嘱託 (80354885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 哲也 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 研究主幹 (40370382)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥12,610,000 (Direct Cost: ¥9,700,000、Indirect Cost: ¥2,910,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
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Keywords | 超重元素 / シーボーギウム / シングルアトム化学 / ガスクロマトグラフ / 吸着エンタルピー |
Outline of Research at the Start |
原子番号(Z)104を超える超アクチノイド元素(超重元素)の揮発性分子の生成と分離及びその熱化学的特性を明らかにし、重い元素で期待される化学的性質に及ぼす相対論効果の影響を評価する。また、元素周期表における第7周期元素の開拓へと繋げる。本申請では、シングルアトムスケールで得られるZ = 106のシーボーギウム(Sg)に着目し、等温ガスクロマトグラフ分離装置を用いてSg揮発性分子の合成と化学種の同定及びその熱化学的特性から、Sg化合物形成に及ぼす相対論効果の影響を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
以下の2課題を遂行した。 1.核反応槽直結型連続等温ガスクロマトグラフ装置の開発・改良:核反応で合成したシーボーギウム(Sg)の揮発性化合物(酸化塩化物)形成のための化学反応槽の整備(反応ガス導入系など)、ガスクロマトグラフ用石英カラムの製作、等温ガスクロマトグラフ分離部への電気炉の設置、及び生成した化合物を放射線測定系へ高効率で搬送するためのクラスタリング槽の開発・改良を継続した。特に、Sgを模擬して、周期表同族元素であるモリブデンを対象としたオフライン等温ガスクロマトグラフ実験を行うための装置整備を終了した。本装置は2つのカリホルニウム-252(252-Cf)自発核分裂線源を備えており、252-Cfの自発核分裂によって生成する短寿命Mo同位体104-Mo(半減期60秒)のガスクロマトグラフ挙動を調べることができる。 2.短寿命MoによるSgモデル実験:揮発性酸化塩化物形成のための化学反応槽の温度及び塩化チオニル反応ガス中の酸素濃度比と揮発性酸化塩化物の生成収率との相関を調べた。その結果、酸素濃度依存性は少なく、反応槽温度が高いほど収率が高くなった。この結果を受けて、反応槽温度1000度、酸素濃度比100%の条件で、カラムクロマト実験を行い、カラム温度と揮発性酸化塩化物の収率曲線を得ることができた。これをもとに、揮発性化合物のカラム内での吸着-脱着モンテカルロシミュレーション計算を行い、Moの吸着エンタルピーを77 kJ/molと決定し、化合物がモリブデン二塩化二酸化物(MoO2Cl2)であると推定した。また半減期9秒の106-Moの観測にも成功し、同様の結果を得た。これにより本装置を用いた半減期約10秒のSg実験への適用が可能であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
核反応槽直結型連続等温ガスクロマトグラフ装置の開発・改良では、必要な物品の購入やカリホルニウム-252(252-Cf)自発核分裂線源を備えた装置開発をほぼ終了した。また、核反応生成物を迅速に上記実験装置へ搬送するためのキャリアガス搬送システムの整備を完了した。短寿命MoによるSgモデル実験では、吸着エンタルピーの値を得て、揮発性化学種の決定も行い、Sg実験への可能性を実証することができた。 以上のとおり、本研究は順調に進展している、と判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
Sg及びMoと同族元素であるタングステン(W)を用いた加速器オンライン実験を行い、W化合物の揮発性を調べるとともに、Sg実験に向けた実験条件の整備を行う。Sgの加速器実験に向け揮発性化合物の検出器への高効率搬送条件、Sg検出のためのα線測定に向けた検出器整備等、システムの最適化を行う。
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