圧力誘起点欠陥を活用した超低熱伝導単結晶熱電材料の創出
Project/Area Number |
23K23429
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Project/Area Number (Other) |
22H02161 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 36010:Inorganic compounds and inorganic materials chemistry-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
林 慶 東北大学, 工学研究科, 准教授 (70360625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 讓 東北大学, 工学研究科, 教授 (40261606)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2022: ¥10,920,000 (Direct Cost: ¥8,400,000、Indirect Cost: ¥2,520,000)
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Keywords | 点欠陥 / 単結晶 / 熱電材料 |
Outline of Research at the Start |
今年度は、Mg2Ge単結晶に種々の置換元素を導入し、熱電性能への影響を明らかにする。すでにn型、p型の両方で実用化レベルの熱電性能を達成しているが、高圧対応赤外線イメージ炉を用いてMg2X (X = Ge, Sn)単結晶にVMgを最大で20%導入するとともに、キャリア密度の最適化と格子熱伝導率の低減をもたらす元素置換と組み合わせることで、熱電性能をさらに向上する。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度の実績は以下の通りである。 ①Mg2X (X = Si,Ge,Sn)単結晶作製時のAr圧力を、従来の0.16 MPaより高い0.9 MPaまで上げられる高圧対応赤外線イメージ炉を導入し、同炉を用いてMg2Sn単結晶を試作した。Ar圧力は従来と同じ0.16 MPaとし、赤外線が集光する領域の大きさに合わせて原料の量を調整することで、Φ8mm×L10mmのMg2Sn単結晶を得ることができた。 ②n型で多結晶より高い無次元性能指数zTを示すSb置換Mg2Sn単結晶に対し、さらにBで共置換することにより、Sb置換のみの場合よりzTを向上することに成功した。これは、共置換による電気伝導率の減少を格子熱伝導率の減少が上回ったためである。 ③これまでp型ではGa置換Mg2Sn単結晶で多結晶よりも低い格子熱伝導率を得ていたが、ホールキャリアが少ないことが課題であった。これを解決するためにLi置換を行ったところ、Ga置換よりホールキャリアを増加することに成功した。さらにMg空孔欠陥、転位、Snリッチな析出物のマルチスケールな格子欠陥が導入され、Ga置換よりもさらに低い格子熱伝導率を得た。結果として、多結晶より高いzTを達成した。 ④Ar圧力0.04 MPaでMg2Ge単結晶を作製することに成功した。得られたMg2Ge単結晶にはMg空孔欠陥が存在していることを示唆する結果を得た。 ⑤Mg2Si単結晶にSi空孔欠陥が存在する理由を明らかにするために、電子状態計算、X線光電子分光、および光電子ホログラフィを行った。その結果、転位の位置に酸素が入り込み、Si空孔欠陥の形成を安定化している可能性が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
高圧対応赤外線イメージ炉の導入時期が年度末近くになったため、Ar圧力を変えてMg2X単結晶を作製することはできていないが、Mg2Sn単結晶の試作品はできており、来年度の研究を円滑に進められる結果を得ている。さらに、n型、p型Mg2Sn単結晶の両方で、多結晶より高いzTを得ることに成功している。後者の性能向上に関する主な成果として、学術論文1編、解説3編、招待講演3件、プレスリリース1件があり、当初の計画以上に進展していると結論する。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度はAr圧力を変化させてMg2X単結晶を作製し、導入可能な点欠陥量を決定する。点欠陥量の定量評価には単結晶X線回折を用いる。また、電子状態計算で求めた全エネルギーから点欠陥の形成エネルギーの圧力依存性を導出して点欠陥量を求め、実験と比較する。さらに、作製したMg2X単結晶のキャリア移動度や格子熱伝導率の点欠陥量依存性を調査して、キャリアやフォノンの平均自由行程と比較・検討する。以上により、Mg2X単結晶に導入する格子欠陥量の最適値を決定し、それに基づきMg2X単結晶のzTをさらに向上する。
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Report
(1 results)
Research Products
(12 results)
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[Presentation] Reduction of Thermal Conductivity of Mg2Sn Single Crystal via Lattice-Defect Engineering through Chemical-Pressure Control2022
Author(s)
K. Hayashi, W. Saito, Z. Huang, K. Sugimoto, K. Ohoyama, N. Happo, M. Harada, K. Oikawa, Y. Inamura, K. Hayashi, T. Miyazaki, and Y. Miyazaki
Organizer
18th European Conference on Thermoelectrics (ECT'22)
Related Report
Int'l Joint Research
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