ケイ酸塩系新圧電結晶の結晶構造に基づく材料設計と高温振動子の開発
Project/Area Number |
23K23430
|
Project/Area Number (Other) |
22H02162 (2022-2023)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 36010:Inorganic compounds and inorganic materials chemistry-related
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
武田 博明 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (00324971)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳瀬 郁夫 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (10334153)
小玉 翔平 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (30910096)
青柳 忍 名古屋市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (40360838)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
|
Keywords | 圧電結晶 / 高温特性 / 圧電センサ / 機械的強度 / 温度特性 / 結晶育成 / 結晶構造解析 |
Outline of Research at the Start |
近年、高温用途の圧電振動子(以降、高温振動子)が渇望されている。この高温振動子の実現には、科研費19H02797で挙げた①高い化学安定性・②温度安定な圧電特性・③高い電気抵抗率・④結晶化が容易・⑤高い圧縮強度の5つの条件に加え、⑥高い圧電d定数と⑦高い圧電g定数を併せ持つ圧電結晶が必須となる。本研究では、申請者らが見出した新規ケイ酸塩系結晶に関し、その圧電発生メカニズムに立脚し材料設計することで、これら7つの条件をすべて満たす新規結晶を創製する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はオケルマナイト Ca2MgSi2O7(CMS)の Ca に対して Sr を置換した Ca2-xSrxMgSi2O7(Sr 置換オケルマナイト。以降、CSMS100x)単結晶について調査した。科研費 19H02797 の成果で、チョクラルスキー(Cz)法により x=0.3 までのバルク単結晶が育成されている。また、Jiang(1998)によると、育成方法に関する記述は無いものの、x≧0.64 で育成が困難になると報告されている。よって、0.3<x<0.64 の組成でバルク単結晶の合成報告が無い。そこで、Cz 法により組成が 0.3<x<0.64 である Sr 置換オケルマナイト単結晶を合成し、Sr 置換が電気的特性へ与える影響を調査した。Cz 法により CSMS100x (x=0、0.4、0.5、0.6)結晶を育成したところ、CSMS40 およびCSMS50 は結晶全体がメリライト型単相であるのに対し、CSMS60 では不純物としてメルウィナイト相が含まれていた。育成結晶の格子定数 a、c を算出した結果、Sr 置換量が大きくなるにつれ、a、c ともに増加する。また、Sr 置換量 x に対する格子定数比 a/c をプロットしたところ、x が増加するにつれて a/c が減少し、これらには負の相関があることがわかった。CMS、CSMS30、CSMS40 の圧電 d36 定数を測定した結果、それぞれ 5.71 pC/N、4.3 pC/N、4.04 pC/N となった。これより、Sr 置換 x により圧電 d36 定数が減少する傾向があった。以上、結晶育成の容易さや圧電定数を考慮すると、デバイス用途に最適な Sr 置換オケルマナイトの結晶組成は CSMS30~40 間にあることがわかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的にある高温振動子候補材料として最有力であるSr置換オケルマナイト単結晶に関して、Sr置換による結晶育成や物性への影響を詳細に調査し、CSMS30~40間に最適な組成があることを見出した。この組成は、1000℃まで①高い化学安定性・②温度安定な圧電特性・③高い抵抗率・④バルク結晶化が可能・⑤高い圧縮強度・⑥高い圧電d定数・⑦高い圧電g定数という7つの条件をすべて満たす可能性が高い。ただし、本年度申請時に掲げたスタナイト型結晶のバルク育成には到達しなかったため、今回の区分(2)の判定となった。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、最有力候補材料を決定するため、昨年度のCa2MgSi2O7(CMS)結晶の成果を踏まえ、CMSと同様に36モードが高いCa2ZnSi2O7(CZS)をベースとした新規メリライト型結晶を探索する。材料探索における元素戦略は、36モードを高くできるようCZS中のCa-O十面体席の多面体の歪みを小さく、かつ、サイズを大きくするよう、CMSと同様Sr置換を試みる。徐冷法により単相が得られる候補組成を決定し、Cz法にて単結晶を育成する。つぎに、ネットワークアナライザを使用して、育成した単結晶の材料定数(圧電定数、弾性定数、誘電率)を共振・反共振法で求める。また、燃焼圧センサとして重要な機械的強度を、燃焼圧センサの動作保証温度である400℃にて測定する。スタナイト型結晶については、まず、Li2CaSiO4バルク結晶を育成できるフラックスの探索を行う。フラックスが見つかり次第、バルク結晶化を試み、メリライト型結晶と同様な評価を行う。
|
Report
(1 results)
Research Products
(8 results)