Project/Area Number |
23K23437
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Project/Area Number (Other) |
22H02169 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 36010:Inorganic compounds and inorganic materials chemistry-related
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
辻 悦司 鳥取大学, 工学研究科, 准教授 (80610443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片田 直伸 鳥取大学, 工学研究科, 教授 (00243379)
菅沼 学史 北海道大学, 触媒科学研究所, 准教授 (90731753)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,680,000 (Direct Cost: ¥13,600,000、Indirect Cost: ¥4,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2022: ¥9,230,000 (Direct Cost: ¥7,100,000、Indirect Cost: ¥2,130,000)
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Keywords | 複合酸化物 / 量子ナノ構造体 / 光触媒 / 電極触媒 / 結晶性複合酸化物 / 量子ナノ薄膜 / 量子ドット / 逆ミセル法 |
Outline of Research at the Start |
人工光合成は太陽光により二酸化炭素を炭素資源へと変換する技術であり、高効率で狙った生成物を得るための光触媒開発が進められている。本反応では表面反応を促進するために光触媒上に助触媒を担持することが多い。本研究では独自開発した複合酸化物量子ナノ構造体合成技術を応用することで、(i) 量子ナノ構造体制御による反応効率の向上、(ii) 化学組成制御による選択率制御、を両立した人工光合成助触媒を創出する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度、マンガンやコバルトなどの遷移金属元素を含むスピネル型複合酸化物について、光触媒である酸化ガリウム上でのナノ形態制御を行ったところ数原子層~5 nm程度の膜厚の量子薄膜が得られた。今年度はこれらを用いて水溶液中での二酸化炭素光還元反応を行ったが、二酸化炭素還元活性は低かった。そこで当初想定いていたスピネル型構造のみならず、二酸化炭素還元活性が報告されている銅やスズをベースとした結晶性酸化物についてまずは二酸化炭素還元活性を評価したのち、ナノ構造制御を進めることとした。 酸化銅(Ⅱ)を光触媒である酸化ガリウム上にさまざまな方法で担持した。二酸化炭素光還元反応では、光による電子の励起過程と励起した電子による二酸化炭素の還元過程が両方とも機能しなければ活性を示さないため、まずは後者を評価するために電極触媒活性を評価した。酸化ガリウムのみでは活性が低く、また水溶液中では水の還元による水素生成が優先的に起こるため二酸化炭素還元の選択率は低かったが、酸化銅と酸化ガリウムを複合化すると酸化銅(Ⅱ)単独に比べ活性が3倍以上に向上し、一酸化炭素の生成量が大幅に向上することを見出した。 一方、スズを含む酸化物として酸化スズ(Ⅱ)、酸化スズ(Ⅳ)、水酸化酸化スズを合成し、水溶液中での二酸化炭素還元反応を行ったところ水溶液中にもかかわらず二酸化炭素還元反応の選択率が80%以上となり、特に水酸化酸化スズでは90%を超えた。またいずれの試料も二酸化炭素還元時にそのほとんどが金属スズへと還元された。電気メッキで電析した金属スズ薄膜では、二酸化炭素還元反応の選択率は55%程度であったことから、反応前のスズの状態がその活性、選択性に大きく影響することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
量子ナノ構造体の前駆体を担体である光触媒表面に担持する際、溶液のpHを制御することでそれぞれの表面電荷を変化することが可能となっている。これにより得られるスピネル型複合酸化物のナノレベルでの形状も変化しており、目的とする量子ナノ構造体の作り分けをほぼ達成できている。一方、二酸化炭素光還元に対する活性については、当初予定していたマンガンやコバルトを含むスピネル型複合酸化物の活性が低かったため、どういった元素を含む結晶性酸化物を用いるか再検討の必要があった。その結果、銅やスズを含む酸化物が特に優れた二酸化炭素還元活性と選択率を見出したが、今後、前述した知見をもとにこれらスピネル型構造以外の結晶構造についても形態の作り分けを再度、検討する必要があるため。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度見出した銅系およびスズ系酸化物への異種金属添加による選択率制御を進める。また前年度までに得られた知見をもとに、酸化ガリウム等の光触媒上に銅系およびスズ系酸化物の量子ドットおよび量子薄膜の合成法を確立する。得られた複合型触媒の電極触媒活性および光触媒活性を評価し、サイズ制御および化学組成制御により活性の向上と生成物選択率の制御を達成する。また、複合酸化物とした場合反応中や反応後の構造変化を明らかにし、二酸化炭素還元反応に対する活性種の解明も進める。最終的には、量子ナノ構造制御および化学組成制御を行うことで、選択率を制御可能な新たな人工光合成系を確立する。
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