Project/Area Number |
23K23438
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Project/Area Number (Other) |
22H02170 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 36010:Inorganic compounds and inorganic materials chemistry-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
稲田 幹 九州大学, 工学研究院, 准教授 (40624979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本郷 研太 北陸先端科学技術大学院大学, 情報社会基盤研究センター, 准教授 (60405040)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,680,000 (Direct Cost: ¥13,600,000、Indirect Cost: ¥4,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,330,000 (Direct Cost: ¥4,100,000、Indirect Cost: ¥1,230,000)
Fiscal Year 2022: ¥8,060,000 (Direct Cost: ¥6,200,000、Indirect Cost: ¥1,860,000)
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Keywords | 水酸基化学 / 準安定結晶 / オストワルド段階則 / 構造安定性の計算 / 特異結晶 / 高温XRD |
Outline of Research at the Start |
過剰な水酸基(OH基)を含む特異結晶の創製のため、系として安定にOHを含む準安定相を析出させ、水酸基化学に根差した結晶制御を目指す。 しばしば結晶内の嫌われ者として扱われるOHを準安定結晶形成・安定化のための重要な要素として捉える発想は申請者独自のものである。本研究では、実績のあるBaTiO3のCa系、Sr系への展開、12CaO・7Al2O3(C12A7)の前駆体であるハイドロガーネット合成と熱分解を通して、準安定な酸水酸化物と安定な酸化物の生成条件の違いを見出し、溶液中、固体中におけるOHの化学的挙動を理解する。準安定相を得るための系の設計指針を確立し、水酸基化学という新規学術分野へ展開する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、(I)溶液中ならびに(II)固体中のOHを制御することで、 (A)ペロブスカイトMTiO3(M=Ba, Ca, Sr)の水熱合成、(B)ハイドロガーネットM3A6H(M=Ca, Sr)の液相合成と熱分解によるM12A7マイエナイト結晶合成を達成し、(III)準安定相を得るための設計指針を確立する。 本年度は、溶液中のOH制御と陽イオン制御によりMTiO3、M3A6Hの合成と構造評価を行い、OHと陽イオンの関係を調査した。また、固体中のOH変化を確認するため水蒸気発生ユニットを用いた水蒸気雰囲気制御下でのXRDを行った。 前年度までにMTiO3系においてSr存在下における特異結晶の生成は確認できなかった。OH含有正方晶BaTiO3とSrTiO3微粒子を混合し焼成したところ、Sr/Ba<0.2の領域でSr固溶正方晶BTOの合成に成功した。OHの脱離に伴って結晶が崩壊することで微粒子が生じ、BaTiO3とSrTiO3の固溶が進行したものと考えられる。 M3A6Hについて、水蒸気発生ユニットを用いて水蒸気雰囲気下での高温XRD測定を行い、OHの脱離を抑制(制御)して結晶が安定化できるかについて検討を行った。水蒸気の有無に関わらずOHの脱離温度に変化はないことがわかった。 分担者との協働によりMTiO3、マイエナイト両系におけるOHを含む結晶の安定性を計算する予定であったが、陽イオン固溶状態における構造安定性についての知見は今のところ得られていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計算科学との協働の結果がうまく出ていないものの、合成と構造解析が想定以上に進展しており、全体として順調と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
合成と構造解析は問題なく進められている。最終年度である今年度は、計算科学による構造安定化の証明について進める予定である。
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