Project/Area Number |
23K23459
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Project/Area Number (Other) |
22H02192 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 37010:Bio-related chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
勝山 陽平 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (50646437)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,680,000 (Direct Cost: ¥13,600,000、Indirect Cost: ¥4,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥9,360,000 (Direct Cost: ¥7,200,000、Indirect Cost: ¥2,160,000)
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Keywords | 生合成 / 放線菌 / 天然物 / 二次代謝 / ジアゾ基 / 亜硝酸 |
Outline of Research at the Start |
放線菌は様々な有用な二次代謝産物を生産する。そこには多様な活性を持つ酵素が用いられている。放線菌の二次代謝産物は様々な特徴的な構造をもち、それらは代謝産物の生理活性に重要である。本研究ではそのような構造の中でも窒素-窒素結合を持つ置換基 (ジアゾ基) とアミノ基を複数持つ芳香環の生合成機構を明らかにすることを目的としている。これらの構造の生合成メカニズムの理解はほとんど進んでいないため、これらの生合成機構の解析により、新規酵素が見出される可能性が高い。また、これらの酵素を改変し利用することで新規医薬品の開発につながる可能性がある。
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Outline of Annual Research Achievements |
Azaserineの生合成機構の解析に関して 昨年度の研究から、O-(2-hydrazineylideneacetyl)serineが中間体と示唆されたため、この化合物を基質として、生合成遺伝子クラスター中の酸化酵素を利用してin vitroアッセイを行ったが、反応の進行を確認することができなかった。そこで、azaserineと類似した構造を持つ天然物を生産する菌に着目し、そのゲノム解析を実施した。その結果、azaserine生合成遺伝子クラスターとよくにた生合成遺伝子クラスターが見出された。この遺伝子クラスターとの比較からazaserineの生合成においてジアゾ基の生合成を担う酵素を見出すことができた。また、エステル結合形成を触媒する非リボソームペプチド合成酵素、AzsOの持つヘテロ環化ドメインのX線結晶構造解析に成功した。また、部位特異的変異導入の結果と合わせてエステル結合メカニズムに関して知見を獲得した。
2,4-ジアミノ-3-ヒドロキシ安息香酸の生合成機構に関して 昨年度実施した異種発現により、2-アミノ-3-ヒドロキシ安息香酸が、亜硝酸、3つの酵素 (NybC, N, O) とにより2,4-ジアミノ-3-ヒドロキシ安息香酸へと変換されることを見出した。これらのin vitro解析を試みた。その結果、NybOは2-アミノ-3-ヒドロキシ安息香酸を亜硝酸依存的にジアゾ化することが明らかとなった。さらに、NybCはこれにより作られたジアゾ化合物を還元することが明らかになった。これらの反応解析から、当初予想していたものとは異なる、2,4-ジアミノ-3-ヒドロキシ安息香酸生合成経路が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
azaserineの生合成に関しては新たに、類縁体の生合成遺伝子クラスターを同定することに成功した。比較解析から最終段階の反応である、ジアゾ基合成を担う酵素を大幅に絞り込むことができた。また、エステル結合を形成する興味深い非リボソームペプチド合成酵素の構造解析に成功した。また、2,4-ジアミノ-3-ヒドロキシ安息香酸の生合成経路は当初予測していた経路とは大幅に異なるものであることが示唆された。反応の特殊さを考えると今年度得られた知見は極めて重要なものであると考えられるから。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、azaserine類縁体の生合成に関しては生合成遺伝子クラスターの異種発現を実施することで目的クラスターであることを確認する。生産物を同定するためにazaserine類縁体の有機合成による調製も並行して試みる。また、ジアゾ基生合成直前の基質と考えられる化合物を有機合成により調製する。得られた基質を用いてジアゾ基合成酵素のin vitro機能解析を実現する。また、ジアゾ基合成酵素のX線結晶構造解析を実施する。得られた構造をもとに部位特異的変異導入を実施することで反応機構を調べる。また、NybNの機能をin vitroで解析することで、2,4-ジアミノ-3-ヒドロキシ安息香酸生合成経路の全体を明らかにする。NybO, N, CのX線結晶構造解析を試みることでこれらの酵素の反応メカニズムの解明を目指す。
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