Project/Area Number |
23K23503
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Project/Area Number (Other) |
22H02236 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 38020:Applied microbiology-related
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Research Institution | Institute of Science Tokyo |
Principal Investigator |
田中 寛 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (60222113)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2022: ¥7,540,000 (Direct Cost: ¥5,800,000、Indirect Cost: ¥1,740,000)
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Keywords | エネルギー代謝制御 / メガデヒドロゲナーゼ / バクテリア / ミトコンドリア / PDH / OGDH / 酸素消費 / 電子伝達系 / リポ酸化 / ゲノム編集 |
Outline of Research at the Start |
本研究代表者はこれまで、大腸菌の好気的エネルギー獲得代謝が解糖系中心、およびTCA回路中心の2つの独立した代謝モードからなること。 それぞれが対応するメガデヒドロゲナーゼ複合体活性(MDC:PDHcとOGDHc)に主導され、それらの個別調節と競合が異化代謝の大枠を規定する ことを明らかにしてきた。本研究では、MDCの活性調節機構を中心に、代謝モードに基づく異化代謝調節の枠組み理解を目指す。さらに、第3 のMDC(BCKDH)を併せもつ枯草菌や真核細胞ミトコンドリアまでを材料とし、MDCによる代謝モード制御の理解から、バクテリアからミトコン ドリアまでの異化代謝の共通原理解明を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
酢酸オーバーフローを欠損した大腸菌ではグルコース枯渇後に増殖が強く抑制され、その後に回復する二段階増殖が観察される。この原因は酢酸オーバーフローの欠損によりOGDHの活性化が大きく抑制されることにあり、実際、OGDH欠損株では二段階目の増殖が全く起こらない。本年度、これら増殖過程での酸素消費量について培地中の溶存酸素を測定することで検討を行い、グルコース枯渇後の酸素消費にOGDHが必須であることが判明した。また、PDHとOGDHの両方を欠損するE3(Lpd)欠損株では培養を通じて酸素消費が消失し、これは2種のNADHデヒドロゲナーゼを欠損した変異株とよく似た性質といえる。OGDH欠損株においても、グルコース枯渇後にリンゴ酸を添加すると増殖や酸素消費が回復することが見出されている。この回復はリンゴ酸からピルビン酸を生成するリンゴ酸酵素(Malic Enzyme)欠損株では見られないことが判明したことから、リンゴ酸はピルビン酸を介してPDH活性を維持するのに使われていることが考えられる。以上のことから、少なくとも2種のメガデヒドロゲナーゼ(MDH)のどちらかが活性を維持していることが増殖や、電子伝達系を介した酸素消費に必須であると言える。TCA回路のOGDH以外のNADHを生成する酵素、ICDやSDHの欠損株では同様の表現型は観察されず、このような性質はMDHに特有の性質ということができる。これはMDHが可溶性酵素であるにも拘らず、電子伝達系の一部であるかのような性質であり、膜電子伝達系との相互作用などを今後解明していく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画ではPDHおよびOGDHの活性調節機構の解明を中心課題としていたが、今年度の研究により、PDHとOGDHの両方に共通する新規性の高い重要な役割、すなわち電子伝達系との関わりが見えてきた。この性質は大腸菌のみならず、他のバクテリアやミトコンドリアでも共通の可能性が高く、当初予想していたよりも新しい発見に繋がりそうな局面といえる。今後の解析で是非ともその分子機構を解明する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
MDHが膜電子伝達系に電子を流し込むGateとして機能している可能性が見えてきている。E1E2E3サブユニットの複合体形成が既知であるのに対し、NDHのような膜電子伝達コンポーネントとの相互作用は全く知られていないことから、関連の膜タンパク質との相互作用を調べていく必要がある。まず、代表的な膜タンパク質、およびE3サブユニットに相互作用検出用のタグを付加し、相互作用する相手をスクリーニングしていく。Split型のluciferaseやGFPの使用を検討する。また、グルコース枯渇の前後でPDH-E1E2からOGDH-E1E2にE3のパートナーが切り替えられている可能性について、同様の相互作用解析により検討していく。枯草菌や酵母ミトコンドリアについても、同様のポイントについて検討していく予定である。
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