根寄生雑草防除の鍵となるストリゴラクトン生合成酵素の解明
Project/Area Number |
23K23536
|
Project/Area Number (Other) |
22H02269 (2022-2023)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 38040:Bioorganic chemistry-related
|
Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
野村 崇人 宇都宮大学, バイオサイエンス教育研究センター, 准教授 (60373346)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
|
Keywords | ストリゴラクトン / 生合成 / 根寄生雑草 |
Outline of Research at the Start |
ストライガやオロバンキといった根寄生雑草が世界各地の農作物に甚大な被害を与えている。根寄生雑草の種子は植物の根から分泌されるストリゴラクトンと呼ばれる化合物を認識して発芽する。ストライガ耐性品種として育種により作出されたソルガムから、その耐性を付与した原因遺伝子LGS1が同定されている。本研究では、根寄生雑草の防除法の開発基盤となりうるLGS1酵素によるSL生合成経路を明らかにする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
ストライガ(Striga)やオロバンキ(Orobanche)といった根寄生植物は、他の植物の根に寄生して栄養や水分を奪うため、世界各地の農作物に甚大な被害を与えている。現在までに根寄生雑草の有効な防除法は確立されていない。根寄生雑草の種子は植物の根から分泌されるストリゴラクトン(SL)と呼ばれる化合物を認識して発芽する。SLはアーバスキュラー菌根菌との共生や植物の枝分かれも制御している。これまでに、ストライガ耐性品種として育種により作出されたソルガム(Sorghum bicolor)から、その耐性を付与した原因遺伝子LOW GERMINATION STIMULANT 1 (LGS1)が同定されている。LGS1遺伝子は立体特異的なSLの環化反応に関わる生合成酵素をコードしていると考えられるが、その機能は解明されていなかった。本研究では、根寄生雑草の防除法の開発基盤となりうるLGS1酵素によるSL生合成経路を明らかにすることを目的としている。 本年度は、ソルガムにおいてLGS1遺伝子と共発現している遺伝子を候補として選び、それにコードされる2-オキソグルタル酸依存性ジオキシゲナーゼSobic.005G213500 (Sb3500)の機能の解析を進めた。その結果、酵母や大腸菌を用いた発現系や、ベンサミアナタバコ(Nicotiana benthamiana)による一過的発現系により、Sb3500はLGS1と一緒に発現させたときに5DSを選択的に合成する機能をもつことを明らかにした。これらの研究成果について論文や学会で発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究において、大腸菌で発現させたLGS1タンパク質とSLの前駆物質の一つである18-hydroxycarlactonoic acid(18-OH-CLA)をインキュベートしたところ、ソルガムの主要なSLである5-deoxystrigol(5DS)の生産が確認された。しかし、同時にその立体異性体の4-deoxyorobanchol(4DO)も検出された(Yoda et al., New Phytol., 232: 1999-2010, 2021)。LGS1遺伝子は硫酸基転位酵素をコードしており、18-OH-CLAの水酸基に硫酸基が付加して脱離し、酵素非依存的にC環の環化が進んだと考えられた。4DOはソルガムからは検出されないので、5DSだけを生産する生合成経路にはもう一つ、C環の立体を決める酵素が必要であると考えられた。そして、ソルガムにおいてLGS1遺伝子と共発現している遺伝子を候補として選び、それにコードされる2-オキソグルタル酸依存性ジオキシゲナーゼSb3500の機能の解析を進めた。その結果、酵母や大腸菌を用いた発現系や、ベンサミアナタバコによる一過的発現系により、Sb3500はLGS1と一緒に発現させたときに5DSを選択的に合成する機能をもつことを明らかにした(Yoda et al., Plant Cell Physiol., 64: 1034-1045, 2023)。
|
Strategy for Future Research Activity |
Sb3500がどのように5DSの立体特異的な生合成を制御しているのかは、酸化酵素であるという機能からは直接的な証明ができていない。そこで今後は、ソルガムのSL生合成経路の全貌を明らかにするため、ソルルガムが持つ機能未知のSL生合成酵素の機能解析を進める。その酵素はSb3500と一緒にSL生合成酵素の候補として選んだものの中の一つであり、SL前駆体を未知の代謝物へ変換する機能を持つことを確認している。他の植物種のホモログタンパク質の解析も進めて、その機能が保存されているのかを調べる。そのため、酵母や大腸菌を用いた発現系やベンサミアナタバコによる一過的発現系を用いて解析する。代謝物の分析はLC-MS/MSを用いて行う。もし、それらのタンパク質がSL生合成酵素として機能しているようであれば、ゲノム編集によりシロイヌナズナやトマトの機能欠失変異体の作出を進める。
|
Report
(2 results)
Research Products
(24 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] An ancestral function of strigolactones as symbiotic rhizosphere signals.2022
Author(s)
Kodama K, Rich k, Yoda A, Shimazaki S, Xie X, Akiyama K.,Mizuno Y, Komatsu A., Luo Y, Suzuki H, Kameoka H, Libourel C, Keller J, Sakakibara K, Nishiyama T, Nakagawa T, Mashiguchi K, Uchida K, Yoneyama K, Tanaka Y, Yamaguchi S, Shimamura M , Delaux P, Nomu
-
Journal Title
Nature Communications
Volume: 13
Issue: 1
Pages: 3974-3974
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-