Project/Area Number |
23K23560
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Project/Area Number (Other) |
22H02294 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 38060:Applied molecular and cellular biology-related
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
松岡 信 福島大学, 食農学類附属発酵醸造研究所, 特任教授 (00270992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 英樹 福島大学, 食農学類附属発酵醸造研究所, 特任講師 (10814353)
菅波 眞央 福島大学, 食農学類附属発酵醸造研究所, 特任助教 (30897492)
佐塚 隆志 名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 教授 (70362291)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
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Keywords | GWAS / イネ / 出穂 / 窒素応答 / ゲノム / 環境 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は「次世代GWASを用いた遺伝子・環境相互作用の解明:環境に応答し機能を変化させる遺伝子の同定・解析」「gene-environment (G×E) interaction (G×E解析)」である。我々は、多数の同種異系統が入手可能なイネを用いて効率的にQTL形質原因遺伝子を同定するゲノムワイド関連解析(GWAS)の新手法を構築し既に報告した。本研究は外的環境変動に応答し機能を変化させる遺伝子の同定・解析を可能にする次世代GWASの構築に向けた技術基盤を作ることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
作物の形質が栽培環境に呼応してダイナミックに変化することは広く知られており、環境を考慮しない作物栽培は考えられない。しかしこれまで作物遺伝学は、環境を加味した分子遺伝的解析をほとんど行ってこなかった。実際、形質の多くがQTLで制御され単一の環境下でも解析が困難で、その上に環境変動を加味したQTL解析は不可能であった。我々は、多数の同種異系統が入手可能なイネを用いて効率的に原因遺伝子を同定するゲノムワイド関連解析(GWAS)の新手法を構築し既に報告しており、本研究は外的環境変動に応答し機能を変化させる遺伝子の同定・解析を可能にする次世代GWASの構築に向けた技術基盤を作成し、応用ゲノム・分子遺伝学の新分野を開拓することを目的としている。 これまでに日本水稲の到花日数についてGWASを行い、複数の開花関連遺伝子の同定に成功していた。本研究では窒素施肥を変えた3条件でイネを栽培し到花日数を計測し、我々が確立した環境変動を考慮したGWAS解析を行ったところ、ピークを1つ検出できた。このピーク領域を解析したところ、過去に到花日数に影響を与えることが知られているHd6遺伝子上の未成熟終止コドンを生じる1塩基多型が原因多型として考えられた。Hd6が植物体において窒素による出穂制御に関わることをNIL系統の解析によって明らかにし、Hd6の発現は窒素に応答しなかった一方で、タンパク質量が増加することを明らかにしていた。本年度は主にその調節メカニズムについて解析を進め、これまでに遺伝学的にHd6と同じシグナル伝達上で出穂を制御していることが知られているHd2について、Hd6との分子生物学的な関係を調べ、Hd2とHd6がin vitroおよびin vivoで結合することを見出し、Hd2による転写抑制調節活性をHd6が促進すること、さらにはHd6によるHd2のリン酸化サイトを実験的に明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
外的環境変動に応答し機能を変化させる遺伝子の同定・解析を可能にする次世代GWASの構築はおおむね完了し、検出された候補遺伝子Hd6が実際に環境変動応答遺伝子であるかどうかの実証実験および詳細な機能解析の段階に入っており、計画は順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本申請研究で確立した新規GWAS解析により、窒素によるイネの開花制御に関与する遺伝子としてHd6が候補として考えられたことから、このHd6に焦点を当てて解析を進め、Hd6がリン酸化酵素として働く際に転写因子Hd2が基質であることをタンパク質結合解析および質量分析計による解析で確認し、その具体的なリン酸化部位も同定できた。さらにHd2の転写調節活性にHd6が影響を与えることも確かめた。今度は、Hd6によるリン酸化がHd2の機能に与える影響について検証を行う。また、Hd6およびHd2についてタグ付きタンパク質を発現させた形質転換イネを用いて、表現型解析や下流遺伝子の発現解析を行う。
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