Project/Area Number |
23K23597
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Project/Area Number (Other) |
22H02332 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 39030:Horticultural science-related
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
福田 直也 筑波大学, 生命環境系, 教授 (80251023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江面 健太郎 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 生物資源・利用領域, 任期付研究員 (20827414)
野中 聡子 筑波大学, 生命環境系, 助教 (50580825)
草野 都 筑波大学, 生命環境系, 教授 (60415148)
有泉 亨 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (70575381)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥16,120,000 (Direct Cost: ¥12,400,000、Indirect Cost: ¥3,720,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | クロロゲン酸 / フェニルプロパノイド合成系 / 環境ストレス / レタス / 複合環境制御 / メタボローム解析 / 網羅的遺伝子発現解析 / 転写調節因子 / 転写調節因子探索 |
Outline of Research at the Start |
研究担当者らは,青色光照射、連続照明,高CO2濃度という異なる環境因子の組み合わせにより,レタス幼植物体でポリフェノールの一種であるクロロゲン酸(CGA)含有量が通常の13~20倍にも増加する現象を発見した.環境的ストレス刺激により,植物でこうした抗酸化機能を持つポリフェノール類の蓄積が促進されることがある.しかし,複合環境因子間の相互作用がこうした抗酸化機能に及ぼす影響については未だに不明な点が多い.本研究では,レタスのCGA合成に影響する複合環境因子の作用メカニズムを解明した上で,環境制御と遺伝子組換え/ゲノム編集技術の組み合わせにより,レタス類で機能性物質蓄積を選択的に制御する技術的可能性を探る.
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Outline of Annual Research Achievements |
レタスにおけるクロロゲン酸(CGA)蓄積に関わる各種環境要素が,関連転写因子群の発現ならびに植物体内メタボロームに及ぼす影響を解析するためのサンプル収集を行った.これまでの研究により,各環境要素がphenylalanine ammonia-lyase(PAL)などの二次代謝産物合成に関わる酵素に相加・相乗的に影響をもたらす可能性が示唆されている.ここでは,環境制御可能なインキュベータによって,CGAが蓄積する条件(青色光・連続明期・高CO2濃度)をベースとして,その他CGA蓄積が促進されることが判明している低温ストレス条件について,各種環境条件で栽培したレタスでのメタボローム解析ならびに網羅的遺伝子解析を実施し,中間代謝産物変動の様子を観察するためのサンプル作成を行った.レタス品種‘グリーンウェーブ’を材料として,光質(青,赤),光周期(12時間明暗周期,連続照明),二酸化炭素濃度(400ppm,1000ppm)ならびに気温(15℃,25℃)の各条件を組み合わせた8処理区を設定し,RNA-seq用サンプルおよびメタボローム解析用サンプルに分けて,それぞれ作成し分析を実施した.その他,品種間における環境応答の差異について検討するために,レタス4品種に関して,上記処理下におけるクロロゲン酸ならびにルチン含有量の変化を調査した.また,PALやCHS,C3H発現を制御することを目的とした遺伝子組換え/ゲノム編集操作を行ったレタス系統の育成を開始し,その内本年度については,PALを過剰発現させた系統について種子の増殖を実施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では,レタスの クロロゲン酸(CGA)を高蓄積させた複合環境因子に関わる酵素遺伝子群の発現を解析した上で関連する転写調節因子群を探索した.また,RNA-seq用サンプルについては,予定通り作成した上で解析を完了した.加えて,複合環境制御下において栽培したレタスに関する,メタボローム変動調査用のサンプル作成を完了した.さらに,異なる4系統のレタス品種について,CGAやルチンをさらに超高蓄積させる複合環境処理を行い,その分析を完了した.また,PAL過剰発現レタス系統について,種子増殖を実施し,M2を1000系統程度確保した.一方,予定していたメタボローム解析については,解析のための人員を確保することができず,分析の実行については翌年度に持ち越すこととなった.
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Strategy for Future Research Activity |
異なるレタス品種におけるCGA蓄積に対する複合環境影響の評価:これまで,グリーン系を中心とした評価を行ってきたが,アントシアニン類を蓄積するレッド系についても,複合環境影響がCGAならびに関連酵素群の活性に及ぼす影響を評価する. 転写調節因子群の探索:まだ明らかになっていない,HCTやHQTといったCGA蓄積関連遺伝子群の発現ならびにその転写調節因子に関する,複合環境要素の影響を探索する. CGA蓄積を促進する転写因子発現制御系統育成:これまでの研究で,複合環境の影響が明らかになった遺伝子群(PAL,C4H,C3H,CHS)に関係する転写因子候補について,ゲノム編集による発現制御系統の作成を開始する. クロロゲン酸をレタスに高蓄積させるためのポストハーベスト処理技術の検討:通常温室栽培レタスを想定し,異なる品種系統別に収穫後の複合環境制御処理を行い,クロロゲン酸を高蓄積させるための基礎技術に関する検討を行う.
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