Project/Area Number |
23K23605
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Project/Area Number (Other) |
22H02340 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 39030:Horticultural science-related
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
稲本 勝彦 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 野菜花き研究部門, グループ長補佐 (50223235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 丹十郎 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 教授 (40195938)
土井 元章 京都大学, 農学研究科, 教授 (40164090)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥14,170,000 (Direct Cost: ¥10,900,000、Indirect Cost: ¥3,270,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2022: ¥8,060,000 (Direct Cost: ¥6,200,000、Indirect Cost: ¥1,860,000)
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Keywords | バラ / CO2 / 順化 / 園芸作物 / 高濃度CO2順化 / CO2施用 / シンク強度 / 養液濃度 / 花蕾 / 二酸化炭素 / 光合成 / 花き / 生育中期施用 / ユリ / イチゴ / トルコギキョウ / ガーベラ / アーチング |
Outline of Research at the Start |
バラ等施設園芸作物を対象としたCO2施用において、高濃度CO2への順化の発生様相と原因について明らかにする。明らかにした知見を基に、1)CO2施用の効果が高い品目と低い品目の分類と属性、2)効率的なCO2の施用方法、についての理論構築を行い、施設園芸生産における高効率生産とCO2排出削減につなげる。
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Outline of Annual Research Achievements |
ユリにおいて、開花前における光合成速度は、人工気象器内でCO2施用(ボンベよりCO2を供給 1000ppm 6:00-18:00 以下バラも同様)を行って栽培した株において、無施用(なりゆき 以下バラも同様)で栽培した株と比較して低くなる傾向があり、高CO2濃度への順化が示唆された。花蕾の除去によって、光合成速度が低下したことから、花蕾の有無がシンク強度を介して、光合成速度に影響を与えていることが示唆された。 バラにおいて、1)高養液濃度(EC=1.5 dS/m)ならびに低養液濃度(0.6 dS/m)を設定した条件でCO2施用を行って栽培し、開花前の直立枝の光合成速度を比較した。測定時のCO2濃度400ppmと1000ppmの両方で、高養液濃度栽培株で低養液濃度と比較して、光合成速度が高くなった。2)高養液濃度栽培株について、開花前にCO2濃度400ppmで光合成速度を測定したところ、CO2無施用株ではCO2施用株と比較して低くなった。一方、低養液濃度栽培株について、CO2濃度400ppmで測定した光合成速度は、CO2無施用株でCO2施用株と比較して高くなり、CO2濃度1000ppmで測定した光合成速度は、逆にCO2無施用株でCO2施用株と比較して低くなった。これらから、養液濃度、CO2施用、測定時のCO2濃度の三者間の交互作用の存在が推定された。 ガーベラにおいて、燃焼式CO2施用装置により高濃度CO2施用を行って栽培すると、収量品質の向上がみられた。栽培開始30日目には、CO2施用区の方が光合成速度が高く、CO2施用の効果が見られたが、60日目、120日前には、無施用区の方が光合成速度が高かったことから、CO2施用の効果が消失する順化現象と考えられた。 トルコギキョウにおいても、光合成測定装置の不調が発生したため確言はできないものの、ガーベラと同様の傾向が推察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ユリとバラにおいて、上記の得られた結果についての反復試験を企図したが、光合成測定装置および人工気象室の不調によって、実施が中断している状況である。ガーベラにおいて、連続的な高濃度CO2施用による順化反応まで観察した段階で、光合成測定装置の不具合が発生し、ガーベラでは処理開始60日後のデータ、トルコギキョウでは30、 60日目のデータを参考データとしてしか扱うことができず、高濃度CO2順化が始まる時期を同定できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
ユリについては、品種・系統を変えて、光合成測定および高濃度CO2への順化様相、花蕾等シンク強度との関係を再確認する。 バラについては、2023年の二酸化炭素施用と養液濃度との関係に関する結果について反復確認するとともに、二酸化炭素施用を周期的に行うことによる光合成への影響を確認する。 ガーベラについては、2023年と同様に処理を行い、高CO2濃度順化が始まる時期を同定する。また、着蕾した花茎や蕾を除去することによりシンク強度を変える処理区を設定して、高濃度順化に及ぼす影響を調査する。 各品目について、高濃度CO2施用による葉の形態的な変化について、切片を作成して調査する。また、光合成能力に関与するクロロフィル含量について調査する。 以上得られた結果について、学会発表、論文投稿をめざす。
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