Molucular mechanisms of the induction and suppression of novel NLR-type plant resistance by bromovirus infection
Project/Area Number |
23K23611
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Project/Area Number (Other) |
22H02346 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 39040:Plant protection science-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三瀬 和之 京都大学, 農学研究科, 准教授 (90209776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺内 良平 京都大学, 農学研究科, 教授 (50236981)
寺石 政義 京都大学, 農学研究科, 准教授 (80378819)
峯 彰 京都大学, 農学研究科, 准教授 (80793819)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥14,430,000 (Direct Cost: ¥11,100,000、Indirect Cost: ¥3,330,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
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Keywords | ブロモウイルス / イネ / タバコ / NLR遺伝子 |
Outline of Research at the Start |
植物ウイルスの「ブロモウイルス」がイネやタバコに感染する際に、NLRタンパク質遺伝子が関与する抵抗性が誘導される、あるいは抑制され感染成立する背景にある分子機構を解析する。イネから単離した抗ウイルス性のNLRタンパク質が関与する抵抗性は、本ウイルスの重要な病原力エフェクターの「移行タンパク質」によって誘導される。NLRタンパク質がこの移行タンパク質の標的植物因子を認識するとの仮説に基づき、共通相互作用因子を探索し、ウイルスの細胞間移行の分子機構を解析する。タバコではウイルスの「複製酵素タンパク質」が誘導する抵抗性が「外被タンパク質」によって抑制されるユニークな感染戦略の分子機構を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
植物ウイルスの「ブロモウイルス」がイネやタバコに感染する際に、NLRタンパク質遺伝子が関与する抵抗性がいかに誘導されるか、あるいは抑制され感染成立するか、その背景にある分子機構を解析するため、5プロジェクトを計画し、4プロジェクトで成果を得た。(A)RBM1と3a-MPの相互作用の分子機構の解析。BMV-M1系統のMPに関して、24個の変異体セット (AS変異体) を用いて壊死誘導能を調べた結果、全てのMP変異体がRBM1と相互作用したことから、両者の相互作用とウイルスの感染性に関しての知見を得ることは出来なかった。一方、種々の欠失変異MPを用いた研究を進めた結果、N端付近の短い領域だけで相互作用が見られた。また、他のブロモウイルスのMPについても調査した結果、BBMVを除く5つのブロモウイルス種のMPが全てRBM1と相互作用することが示された。(C)第2のBMV抵抗性遺伝子(RBM2)の同定と機能解析。RaIDeN法で単離された3候補遺伝子をBMV感受性イネに導入し、組換えイネ個体を得ることに成功した。また、その内で3a-MPと相互作用することが明らかとなった候補遺伝子についてはノックアウトイネの作出に成功した。(D)CYBV 2aがタバコにおいて誘導する壊死への宿主遺伝子の関与をVIGSを利用して調査した結果、SGT1, HSP90は必要とするが、RAR1, NRC2, NRC3, NRC4, NDR1, ADR1は必要としないことを明らかにした。(E)CYBVの2aのN端とC端に壊死誘導に関与するアミノ酸残基を特定できた。また、その壊死誘導を抑制するCPについても、中央領域中に抑制活性を消失させるアミノ酸残基を特定できた。この結果、それらのアミノ酸に変異を導入したウイルスの作成が可能となり、壊死誘導と抑制のウイルス感染における意義の解明ができる基盤が整った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(A)では、BMV-M1系統のMPの既存の変異体を用いてRBM1タンパク質との相互作用部位の特定を試みたが、意外にも全ての変異体で相互作用活性は維持されており、部位は特定できなかった。一方、BMVと同じブロモウイルスのMPについても調査した結果、全6種のブロモウイルスのMP中でBBMVというウイルスのMPのみがRBM1との相互作用能力をもたないことが示され、今後相互作用部位を特定するにあたってBMVのMPとBBMVのMPの比較解析が可能であることが示唆された。また、相互作用部位を特定するために欠失変異体の利用を新たに始め、精力的に範囲を狭めたところ、BMV MPのN端の短い領域に絞り込めた。(A)に注力して解析を進めたため(B)については進捗を得ることは出来なかった。(C)についてはRBM2遺伝子の3候補遺伝子を導入したイネの作出が順調に進み、種子を得ることが出来た。また、その内でタバコにおける細胞死アッセイにおいて最終候補であることが強く示唆された遺伝子について岩手生物工学研究センターとの共同研究によって標的遺伝子のノックアウトイネが作出でき、さらには種子を順調に取得できた。(D)CYBV 2aによってベンサミアナタバコに誘導される細胞死にはSGT1やHSP90が関与することが示されていたことからNLR遺伝子の関与が示唆されていた。しかし、一部のNLRが必要とする既報のヘルパーNLR関与の可能性が無い事が示唆されたことから、標的はヘルパーNLRを必要とせず単独で働くSingletonのNLRであることが示唆された。一方、このプロジェクトを始めた後に情報を得たランダムに包括的にNLR遺伝子を単離できる方法を次年度に始めるための準備も開始できた。(E)非病原力因子としての2aタンパク質と壊死抑制因子としてのCPに関して、活性を失わせるためのアミノ酸部位を順調に特定できた。
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Strategy for Future Research Activity |
RBM1は非病原力因子としてBMV-MPを認識し抵抗性を発揮することがベンサミアナタバコを用いた研究で示唆されているが、実際にBMVがイネに感染する際に同様に認識され抵抗性となっているかは、明白でない。この証明のため、2つの戦略でRBM1による認識を回避し感染できる変異体BMVの獲得を試みる。第1に初年度に特定したBMV-MP中のRBM1との相互作用部位にBBMVの当該部分との比較解析やタンパク質立体構造予測データを参考に人工突然変異を導入したBMV変異体を作成する。この変異体がまずRBM1を持たないイネに感染性を維持していることを確認する。そのような変異体BMVがRBM1を発現するイネに感染すれば、実際のウイルスの感染の場でのRBM1によるBMV-MP認識の重要性が証明できる。一方、過去の研究でN遺伝子をもつタバコと野生型タバコの接ぎ木植物を用いて効率良くN遺伝子抵抗性の打破TMV変異体が取得されたことから、RBM1発現タバコを作出した後、接ぎ木を利用してRBM1抵抗性打破BMV変異体の取得を試みる。RBM2については、初年度に得られたRBM2候補遺伝子の形質転換イネにBMV抵抗性が付与され、同候補遺伝子のノックアウトイネでBMV抵抗性が感受性に変化することを示し、RBM2の同定を終了させる。CYBVの2aがタバコに誘導する細胞死に関与するNLRの単離のため、Brendoliseらによるhairpin RNA libraryによるサイレンシングを利用した逆遺伝学的手法によって標的NLR遺伝子の単離を試みる。CYBVがタバコに感染する際に2aが誘導する細胞死を自身のCPが抑制して感染成立に寄与することを示すため、初年度に同定できた2aあるいはCP遺伝子に点突然変異をもつCYBVを作成し、それら変異体の感染性を調査しウイルスの生活環における生物学的意義を考察する。
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Report
(1 results)
Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Plant Viruses Reported from Japan2022
Author(s)
Fuji S, Mochizuki T, Okuda M, Tsuda S, Kagiwada S, Sekine, K, Ugaki M, Natsuaki K-T, Isogai M, Maoka T, Takeshita M, Yoshikawa M, Mise K, Sasaya T, Kondo H, Kubota K, Yamaji Y, Iwanami T, Ohshima K, Kobayashi K, Hataya T, Sano T, Suzuki N.
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Journal Title
Journal of General Plant Pathology
Volume: 88
Issue: 2
Pages: 105-127
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
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