Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
外界からの感覚情報に対する適切な行動発現は、動物の生存や種の維持に重要である。その神経回路の動作機構や進化の理解は、生物学において重要な未解明の課題の一つである。本課題の解決には、哺乳類に比べ極めてシンプルな昆虫の脳を用いた包括的な解析が有効である。昆虫の性フェロモンは、入力(感覚情報)と出力(性行動)が明確に対応している。本研究では、この神経回路の動作機構を解析し、性フェロモンが性行動の発現を制御する神経機構を解明する。また、カイコガとショウジョウバエのような進化的に離れた昆虫種間で、神経回路機構の共通性と相違性を明らかにし、昆虫脳の進化(特に性行動に関わる脳機能の進化)を解明する。