Project/Area Number |
23K23629
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Project/Area Number (Other) |
22H02364 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 39050:Insect science-related
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Research Institution | University of the Ryukyus (2023-2024) Kwansei Gakuin University (2022) |
Principal Investigator |
下地 博之 琉球大学, 農学部, 准教授 (50726388)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土畑 重人 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (50714995)
三浦 佳二 関西学院大学, 生命環境学部, 教授 (60520096)
阿部 真人 同志社大学, 文化情報学部, 助教 (60758027)
水元 惟暁 沖縄科学技術大学院大学, 進化ゲノミクスユニット, リサーチフェロー (60885672)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,930,000 (Direct Cost: ¥6,100,000、Indirect Cost: ¥1,830,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
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Keywords | 社会性昆虫 / トラッキング / 個体間相互作用 / 自動トラッキング / 深層学習 / 分業 / 順位行動 / 自動行動トラッキング / 順位制 / 自己組織化 / アリ |
Outline of Research at the Start |
アリやミツバチなどは真社会性昆虫と呼ばれ、繁殖を行う繁殖個体と幼虫の世話や採餌などそれ以外の労働を行う非繁殖個体の間の分業体制によって社会を形成している。このような分業体制は個体間相互作用によって維持されており、その一つが順位行動と呼ばれる巣仲間に対する儀式的な攻撃行動である。本研究では、自動行動トラッキングシステムを開発し、順位行動の長期観測によってその本質を明らかにする事を目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
アリやミツバチなどの真社会性昆虫が地球上の様々な環境で繁栄している理由の1つは、高度な分業体制の進化である。この分業は様々な環境の変化に依存せず、個体の持つ行動の柔軟性により頑健に維持されている。例えば、ワーカーの中でも巣内で働く内役ワーカーと外役ワーカー間の分業が存在するが、巣外で働くワーカーの個体数が死亡により減少した場合、巣内で働くワーカー が巣外の労働へと移行する事で分業が再構築される。このような分業の再生能力、すなわちレジリエンスが社会性昆虫の分業を維持する上で重要である。本研究では社会性昆虫の最大の特徴である繁殖に関する分業 (繁殖分業) の制御機構である順位行動によって維持される順位ネットワークのレジリエンスに焦点を当て、繁殖分業維持機構の全容解明に迫る事を目的とする。一般的に、社会性昆虫における順位制は、繁殖可能な高順位個体と繁殖できない低い順位個体によって形成され、この関係性は順位行動によって維持されている。本研究課題の前半は、アリの一種であるトゲオオハリアリを用いて順位ネットワーク抽出のための自動行動トラッキング技術の開発を進めてきた。これまで、社会性昆虫における行動の自動トラッキングは、例えば体の一部にQRコードを貼って位置情報を抽出することで個体間相互作用などの行動に推定を行う事が主流である。これに対して、本研究課題では機械学習 (深層学習) を位置トラッキングに組み込むことで、順位行動という個体間相互作用を直接抽出する事を目的としている。これによって、長期観測データから順位制の変動を調べる事が可能になる。初年度は、生のアリの行動を教師として、まだ正答率が低いながらもシステムのベースが出来上がりつつあり、来年度への発展の足がかりができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自動行動トラッキングのベースとなる技術開発が進み、また、これに関連して複数個体が存在する場合に着目する数個体を追跡する位置トラッキングの新しい技術が確立できた。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度までは新型感染症の影響で分担者間の相互交流機会が暗に制限されていたが、2023年度はこれらを活発にすることでトラッキング技術の完成を目指す。具体的には要求される実際の行動データを採集する上での条件検討などを密に議論することで、利用しやすいデータの提供とフィードバックを行う。
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