コガネムシの構造色の多様性を作り出す分子機構、ゲノム進化機構および適応的意義
Project/Area Number |
23K23630
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Project/Area Number (Other) |
22H02365 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 39050:Insect science-related
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
神村 学 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, グループ長 (60370649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 倫太郎 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 高度分析研究センター, 上級研究員 (00399429)
横井 翔 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 主任研究員 (40773073)
秦 珠子 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 上級研究員 (50370672)
弘中 満太郎 石川県立大学, 生物資源環境学部, 准教授 (70456565)
土屋 渉 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 高度分析研究センター, 主任研究員 (70844744)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2022: ¥7,020,000 (Direct Cost: ¥5,400,000、Indirect Cost: ¥1,620,000)
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Keywords | 構造色 / コガネムシ / 多型 / 遺伝子 / 進化 / 円偏光 / 分子機構 / ゲノム進化 / 適応 |
Outline of Research at the Start |
申請者はこれまでに、コガネムシの構造色の強度を制御している遺伝子を同定している。本研究では、もう1つの光学特性である波長を制御する遺伝子を同定し、これらの遺伝子が構造色を制御する機構を明らかにすることを通して、“ 強度波長独立制御モデル”と呼ぶべき構造色の多様性創出の新モデルを提案する。さらに、構造色に地理変異を持つ種を用いて、構造色がどのような適応的意義を持つことによりゲノム構造が変化して構造色の地理分化が生じたのかを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
昆虫の構造色が作る色彩は地域個体群や個体ごとに異なることが多いが、構造色にこのような多様性が生じる仕組みは分かっていない。申請者はこれまでに、コガネムシの構造色発色に必須の遺伝子LCP1を発見し、LCP1が構造色の性質を決める2つの光学特性のうちの強度を制御している可能性を示した。そこで本研究では、構造色のもう一つの性質である波長の制御に特に注目しながら、LCP1がコガネムシの構造色の多様性を生み出す仕組みを解析する。 昨年度は、緑色、茶色、黒色の構造色多型を持つリュウキュウツヤハナムグリの奄美亜種を材料に用いてゲノム解析を行い、LCP1遺伝子の終止コドン近辺に存在する欠失の多型がこれらの構造色型を制御している可能性があることを示した。本年度は、PCRにより多数個体のLCP1遺伝子の遺伝子型を調べたところ、緑色型は例外なく欠失無しのホモ、茶色型は例外なく欠失有り無しのヘテロ、黒色型には欠失有りのホモと欠失有り無しのヘテロの両方のタイプがあることがわかった。次に、蛹期でのLCP1 mRNAの発現動態を調べた。緑色型と茶色型はともに蛹期の中期にLCP1 mRNAを強く発現していたが、黒色型には強く発現する個体とほとんど発現しない個体がいることがわかった。黒色型のLCP1の遺伝子型を調べ見てみたところ、強く発現した個体の遺伝子型は欠失有りのホモ、ほとんど発現しない個体は欠失有り無しのヘテロであった。後者は、茶色型と同じ遺伝子型のLCP1を持つが、発現が抑えられるために黒色になったと考えられる。以上の結果から、リュウキュウツヤハナムグリ奄美亜種においては、LCP1が複数のメカニズムを通して構造色の色彩型を制御している可能性が強く示唆された。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)