Development of high-speed production technology for circulating all-biomass polymers to change environmental impact positively.
Project/Area Number |
23K23669
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Project/Area Number (Other) |
22H02404 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 40020:Wood science-related
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
高橋 憲司 金沢大学, 生命理工学系, 教授 (00216714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 直樹 金沢大学, 生命理工学系, 助教 (20464050)
廣瀬 大祐 金沢大学, 物質化学系, 助教 (60806686)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
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Keywords | イオン液体 / バイオマス / 連続変換プロセス / 二軸混練 / バイオプラスチック / セルロース |
Outline of Research at the Start |
本研究課題では、バイオマスプラスチックの製造から廃棄に至る環境影響をポジティブに転じさせるマテリアル循環システムの構築を目指し、樹脂構造・化学反応・生産プロセスを環境調和型な形にリデザインします。これらの成果は、木質バイオマスを原料としたバイオマスプラスチックの生産と再生を可能とし、新しいサーキュラー・エコノミー社会の実現に貢献します。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、次の2つの課題に大別される「A:樹脂・反応リデザイン B:プロセスリデザイン」。昨年度はAテーマとして①:飽和アルデヒドを用いた酸素利用によるバイオマスの酸化的エステル化法の開発、Bテーマとして②:置換度制御によるバイオマス樹脂の多様化 を中心に検討を進めた。 ①に関して、従来のイオン液体を用いたリグノセルロース系バイオマスの酸化的エステル化修飾には酸化度の高い不飽和アルデヒドを用いる必要があり、用いることができる天然アルデヒドの範囲に大きな制約があった。昨年度はセルロースをモデルバイオマスとして用いて、飽和アルデヒドを用いた際の酸化的エステル化修飾を検討したところ、酸素を酸化剤として用いた際に目的のバイオマスエステルが得られることを見出した。 ②に関して、イオン液体と二軸混練機を用いたフロープロセスの特長の一つとして、温和な条件下、均一系で連続的に反応が進行することで、置換度が制御されたバイオマスプラスチックを一工程で大量に合成できることが挙げられる。昨年度はセルロースをモデルバイオマスとして用いることで、新規フロープロセスにおける置換度が制御されたプラスチックの製造条件の確立およびその物性評価を行った。特に二軸混錬を利用したフロープロセスについては、フロープロセス中の動態解析や得られたバイオマス樹脂の組成および物性解析を行う、それらを明らかにした。フロー条件を最適化することで一台の二軸混錬機で83~89%程度のReaction Efficiency の効率下、1日13.5 kgのバイオマス樹脂の生産が可能となった(Reaction Chemistry & Engineering, 2023, DOI: 10.1039/D2RE00537A)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
①に関して、市販品として利用可能な1-エチル-3-メチルイミダゾリウムアセテート(EmimOAc)存在下、セルロースとアーモンド由来のベンズアルデヒドを酸素存在下で撹拌したところ、目的のセルロースエステルが得られることを赤外分光法および核磁気共鳴スペクトル測定により確認した。一方で、アルゴン雰囲気下で反応を行ったところ、目的の反応が進行しなかったことから、本反応には酸素が必要であることが確認された。一方で、我々の過去の知見から予想されたように、望まぬ副反応としてイオン液体のアセテート由来のアセチル基がセルロース樹脂上に導入されることが確認された。そこで、Emimピリジノレート(EmimOPy)を用いたところ、完全に副反応を抑制しただけでなく、EmimOAcと比べて明確な反応加速効果を示し、良好な置換度で純粋なセルロースエステルが得られた。一方で、非塩基性イオン液体ではほとんど反応が進行しなかったことから、本反応には塩基性イオン液体が必要であることが示された。 ②に関して、セルロースをモデルバイオマスとして用いて、新規フロープロセスにおける置換度が制御されたプラスチックの製造条件の確立およびその物性評価を行った。特に二軸混錬を利用したフロープロセスについては、フロープロセス中の動態解析や得られたバイオマス樹脂の組成および物性解析を行い、それらの詳細を明らかにした。フロー条件を最適化することで一台の二軸混錬機で1日13.5 kgのバイオマス樹脂の生産が可能となった(Reaction Chemistry & Engineering, 2023)。さらに、当初計画では次年度での実施予定であった、混合エステル化についても検討を進め、狙った置換度の混合セルロースエステルが連続的に得られることを明らかにした(Cellulose, 2023)。
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Strategy for Future Research Activity |
①に関して、酸素を利用したセルロースの酸化的エステル化のさらなる反応条件の最適化、反応動態の解析、基質適用性の確認、物性評価を行う。具体的には、より酸素酸化反応を効率的に進行させるための補助酸素酸化触媒やイオン液体構造のスクリーニング、反応濃度や攪拌条件の最適化、最適条件でのクミンアルデヒドやアニスアルデヒド、リグノセルロース由来のフルフラールやバニリンの適用性、生成されたアルデヒドではなく天然精油からの直接利用、セルロース以外のリグノセルロース系バイオマスの直接利用、得られたバイオマス樹脂の成形加工およびその評価が挙げられる。 ②に関して、前年度得られた混合セルロースエステルの連続フロー合成に関する知見を基に(Cellulose, 2023, 30, 2873-2882)、さまざまな混合セルロースエステルを合成し、その物性コントロールについて検討を進める。昨年度の報告例ではセルロースアセテートプロピオネートと呼ばれるすでに産業的に利用されている混合セルロースエステルをモデル樹脂として採用していたが、均一にさまざまな樹脂を合成できる本システムの特性を活かして、セルロースアセテートデカノエートなどの比較的未開拓領域とされる混合セルロースエステルを対象に研究を展開する。また、二軸混錬を用いたフロー合成に関する基礎検討についても並行して検討を行い、反応材料の投入条件の最適化やスクリュー構成の最適化、押出条件の最適化などが、フロー合成の結果に与える影響や二軸混錬装置内での動態に与える影響を評価する。
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Report
(1 results)
Research Products
(14 results)
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[Patent(Industrial Property Rights)] プラスチック生分解性評価システム及びプラスチック生分解性評価方法2023
Inventor(s)
竹内裕, 高橋憲司, 和田直樹, 佐藤敏文, 磯野拓也, リホウ
Industrial Property Rights Holder
竹内裕, 高橋憲司, 和田直樹, 佐藤敏文, 磯野拓也, リホウ
Industrial Property Rights Type
特許
Filing Date
2023
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