Viral Infection and Its Control Mechanisms of Marine Plankton Communities as Revealed by Dissolved Ribosomal RNA
Project/Area Number |
23K23685
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Project/Area Number (Other) |
22H02420 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 40030:Aquatic bioproduction science-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
遠藤 寿 京都大学, 化学研究所, 准教授 (80795055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
緒方 博之 京都大学, 化学研究所, 教授 (70291432)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
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Keywords | 海洋生態 / プランクトン / ウイルス / リボソームRNA / メタトランスクリプトーム |
Outline of Research at the Start |
植物プランクトンを基盤とした低次生態系は海洋における物質循環の生物過程を支配し、地球環境の恒常性と海産資源の供給に大きく貢献して いる。近年、海洋ウイルスがプランクトンの死滅に深く関与していることが指摘されており、物質循環を精度良く見積もる上でウイルスが生態 系に果たす役割の解明は避けて通れない問題である。本研究では、海水中に溶存している宿主のリボソームRNAを新たな尺度として、真核性プ ランクトン群集に対するウイルス溶解感染を網羅的かつ定量的に解明する。これにより、海洋基礎生産力と物質輸送を支配する生物学的要因の 一つが鮮明となり、地球システムの理解の飛躍的な進歩が期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
近年、遺伝情報を用いた海洋調査の台頭によって多種多様なウイルスの存在が浮き彫りとなった。しかし、植物プランクトンを基底とする海洋生態系において、多様なウイルスが物質循環の規模と性質に及ぼす影響についてはぼぼ明らかとなっていない。本研究は、海水中に溶存している宿主のリボソームRNAを新たな尺度として、真核性プランクトン群集に対するウイルス溶解感染を網羅的かつ定量的に解明することを目的とする。 2023年度は、2022年度に確立した溶存態RNA抽出・定量化手法を用いて、2022年10月の学術調査船「新青丸」航海において四国・東海沖南部海域・東シナ海南部海域から採取した試料の分析を主に行った。その結果、真核生物由来の溶存態rRNAが特徴的な鉛直分布を示し、上部中深層において細胞溶解のホットスポットを形成することが示された。また、rRNAメタバーコーディングにより、その生物の起源を推定することに成功した。これらの結果について、国内会議で1件の研究発表を行った。さらに、原著論文として投稿準備を進めている。 また、共同研究者と連携し、四国沿岸域、北太平洋亜熱帯-亜寒帯外洋域、南大洋外洋域・氷縁域などから同様の試料を採取し、分析を進めている。また、国際観測プロジェクトとも連携し、北大西洋外洋域やヨーロッパ沿岸域でもサンプリングを進行中である。 さらに、同課題で構築したドロップレットデジタルPCRによる真核微生物の遺伝子濃度分析を用いて、2018年11月-12月に東部インドで採取したDNA試料の定量を行った。これにより、種組成データと現存量データを統合した定量的メタバーコーディングデータを構築した。これは、従来の組成のみに基づく多様性・群集構造解析を発展させ、海洋生態系や物質循環過程を理解するための資源として活用が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は、環境サンプルの分析を主に進め、前年度に開発した溶存RNA分析技術の有用性を示すデータを得ることに成功した。また、指導学生や多くの共同研究の機会に恵まれたことにより、当初の計画より多くの海域でサンプル採取を行うことが出来た。以上の状況を踏まえ、同研究課題は当初の計画以上に進展していると判断した。 一方で、昨年から課題となっている船上培養実験の最適化については、解決に至るまでさらなる試行錯誤が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに分析を終えた2022年の「新青丸」航海のデータをまとめ、国際学術誌へ投稿する。室内感染培養実験の解析については、トランスクリプトームデータを加えて継続する。2024年8月-9月に計画されている学術研究船「白鳳丸」の研究航海に乗船し、インド洋において改良した船上培養実験を行うことで種網羅的な細胞死滅速度の定量化を試みる。また、ウイルスの遺伝子を標的としたメタトランスクリプトーム解析を行い、感染と死滅との因果関係を推定する。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)