UV protective strategies in the light-saturated ocean surface: a new perspective on symbiotic ecology
Project/Area Number |
23K23693
|
Project/Area Number (Other) |
22H02428 (2022-2023)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 40030:Aquatic bioproduction science-related
|
Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
藤木 徹一 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(地球表層システム研究センター), 主任研究員 (30598248)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 真 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 講師 (40535465)
湯浅 智子 東京学芸大学, 教育学部, 特任准教授(Ⅰ種) (80590629)
高木 悠花 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (10785281)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2022: ¥8,320,000 (Direct Cost: ¥6,400,000、Indirect Cost: ¥1,920,000)
|
Keywords | 共生生態 / 紫外線 / 原生生物 / 共生藻 |
Outline of Research at the Start |
海の砂漠と言われる熱帯・亜熱帯貧栄養海域には、数千から数万個もの共生藻を体内にもつ原生生物が生息し、その生態系の生物のオアシスとなっている。この共生体形成は、共生藻と原生生物の間での栄養物質交換が要因だと考えられている。しかし、貧栄養でない環境でもこの共生体が確認されており、栄養物質交換以外にも共生体形成の要因が存在する可能性がある。本研究では、貧栄養に加えて、熱帯・亜熱帯海域の主たる環境ストレスである紫外線に着目し、培養実験と現場観測を通じて、共生藻と宿主原生生物の関係解明を目指す。本研究によって、海洋での共生生態という異なる生物同士による生存戦略に新たな視点を与えることができる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、貧栄養とともに、熱帯・亜熱帯海域の主たる環境ストレスである紫外線(UV)に着目し、共生藻と原生生物の関係解明を目指す。本研究は、令和4年度から7年度までの4年間の計画で、初年度である令和4年度は、(1)共生藻のUV耐性の評価、(2)共生体のUV防御メカニズムの探索の2つの研究課題に取り組んだ。以下、その具体的内容を示す。 (1)原生生物の浮遊性有孔虫 Globigerinoides sacculiferから単離した共生藻である渦鞭毛藻 Pelagodinium beii を、現場環境データをもとにUV量を調整した疑似現場環境下で培養し、UV照射に対する増殖速度、光合成活性、UV吸収物質の合成の有無などを調べ、本共生藻のUV耐性を評価した。また、共生藻が合成するUV吸収物質を詳細に調べるため、高速液体クロマトグラフィーとタンデム質量分析計を用いたUV吸収物質の定性定量分析法を確立した。 (2)西部北太平洋亜熱帯循環域と沖縄県瀬底島沿岸域で採集した共生藻をもつ浮遊性有孔虫を、現場環境データを基にUV量を調節した疑似現場環境下で飼育実験し、UVが有孔虫の成育(体サイズと形態)と宿主内の共生藻の増殖(生物量と光合成活性)に影響があるか調べた。有孔虫の体サイズと形態は顕微鏡下で観察し、宿主内の共生藻の生物量と光合成活性は、研究代表者らが開発したS-FRR法で測定した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)共生藻のUV耐性の評価、(2)共生体のUV防御メカニズムの探索のための試料採集と培養・飼育実験を一通り実施した。また、本研究の実施に必要な共生藻が合成するUV吸収物質の定性定量分析法を確立することが出来た。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き、(1)共生藻のUV耐性の評価、(2)共生体のUV防御メカニズムの探索のための試料採集と培養・飼育実験を行う。さらに、(3)共生生態におけるUV防御機能の重要性の研究課題に着手する。研究課題(3)では、海洋での共生藻と原生生物の共生体形成にUVがトリガーとなっているのかを突きとめるため、未共生の各単体と共生体の生息深度分布とUVの関係を調べる。共生藻をもつ有孔虫と放散虫は、親から子へ共生藻を継承せず、幼体から成体になる間に海洋中で共生藻と接合する。従って、UVとの関係を調べる上で、共生藻をもたない幼体の鉛直分布の把握が肝要となる。令和5年度は、検鏡とDNA解析を用いて、海水中の未共生の各単体を特定する手法の検討を行う。
|
Report
(1 results)
Research Products
(7 results)