Development of a method for the control of mass mortality in the pearl oyster using immune memory-like phenomena.
Project/Area Number |
23K23705
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Project/Area Number (Other) |
22H02440 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 40040:Aquatic life science-related
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Research Institution | Fisheries Research and Education Agency |
Principal Investigator |
松山 知正 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産技術研究所(南勢), グループ長 (20372021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅田 剛佑 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産技術研究所(南勢), 任期付研究員 (20792443)
松浦 雄太 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産技術研究所(南勢), 研究員 (40823894)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥16,900,000 (Direct Cost: ¥13,000,000、Indirect Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
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Keywords | アコヤガイ / 大量死 / 免疫様現象 / Pinctada birnavirus / ウイルス |
Outline of Research at the Start |
真珠養殖海域において、2019 年からビルナウイルスの感染によるアコヤガイの大量死が発生している。研究の過程で、感染から回復したアコヤガイは、再感染に対して抵抗性を示すことが示唆された。貝類は免疫的記憶能を持たないとする従来の考えとは矛盾し、未知のメカニズムの存在が考えられる。 本研究では再感染に対する抵抗性のメカニズムを明らかにし、それを利用したウイルス感染症の予防技術の開発を目指す。移植試験により感染抵抗性に関与する細胞や体液成分を明らかにするとともに、網羅的な遺伝子発現解析等により抵抗性に関与するアコヤガイの応答を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
昨年までにアコヤガイ大量死の原因病原体を特定しPinctada birnavirus (PiBV)と命名した。また、成貝では初回感染から1か月間は再感染に対して耐性を持つことを感染試験により確認し免疫様現象の存在を確認した。本年度は大量死が問題となる稚貝における免疫現象の有無、免疫様現象のメカニズムを理解するための研究を実施した。 稚貝に対してPiBVが感染するが死亡しない条件である水温20℃で感染試験を実施し、4週間後に大量死が発生する水温25℃に昇温させ、再感染試験を行った。20℃で感染を経験した群の死亡率は25℃で初めて感染する群と比較して有意に低く、稚貝においても免疫様現象の存在が確認された。感染歴のある個体の血球を移植しても、非感染個体に耐性をもたらすことはできなかった。よって、脊椎動物の免疫とは異なり、血球は免疫様現象を担わないと考えられる。プレート中で培養したアコヤガイの外套膜片に対してPiBVを感染させたところ、個体に対する感染試験の4週間後に採材した外套膜片では、感染歴のない個体の外套膜片と比較してPiBVの増殖が有意に低かった。よって、本病における免疫様現象は感染組織である外套膜で行われると考えられた。外套膜片にPiBVあるいはGFP配列に対応する二本鎖RNA、あるいはpolyICを作用させたところ、いずれにおいてもPiBVの増殖が有意に抑制された。昨年の研究で、中腸線に感染する本病とは無関係なマリンビルナウイルスを感染した個体では、PiBVに対して免疫様現象が起こらないことを確認している。PiBVを含むビルナウイルスは二本鎖RNAウイルスであり、本免疫様現象は二本鎖RNAによる非特異的かつ組織局所的な防御反応なのかもしれない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに免疫様現象の存在を感染試験で示すことができた。また、本現象はPinctada birnavirus (PiBV)の感染組織である外套膜そのものにおいて機能することを確認できた。さらに、本現象を誘導する物質はPiBVの二本鎖RNAゲノムであり、配列に対する特異性は無い可能性を示唆する結果を得ることができ、この点は計画よりも進捗している。一方で、計画していた発現解析やエピゲノム解析は実施できていない。次年度にこれらの解析を行う予定である。全体として概ね順調に進展とした。
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Strategy for Future Research Activity |
感染試験病貝および健常貝に対して経時的に感染試験を実施し、免疫様現象の持続期間を調査する。また、再感染時あるいはdsRNA刺激後の外套膜を対象に、トランスクリプトーム解析を実施し、免疫様現象のメカニズムを探る。さらに、アワビにおいても同様の現象が起こりうるのかAbalone asfa-like virusをモデルとして検証する。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)