Evaluation of salt migration and condensation in soil under freeze-thaw cycles for sustainable use of frozen soil environments
Project/Area Number |
23K23720
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Project/Area Number (Other) |
22H02455 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 41030:Rural environmental engineering and planning-related
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
渡辺 晋生 三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (10335151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武藤 由子 岩手大学, 農学部, 准教授 (30422512)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2022: ¥7,410,000 (Direct Cost: ¥5,700,000、Indirect Cost: ¥1,710,000)
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Keywords | 土壌圏現象 / 環境変化 / 凍上・凍結 / モデル化 / 不凍水 / 塩分移動 / 凍結融解サイクル / 蒸発 / 近赤外スペクトル / ハイパースペクトルカメラ / 凍土・凍上 |
Outline of Research at the Start |
寒冷地の土壌の凍結融解やその際の土中の水分・溶質移動の理解は、全球的にバランス良い農業開発や持続的社会の構築を進める上で重要である。特に年降水量が少なく寒暖差が激しい地域では、土壌の凍結が地表に塩類を集積するため、その対策が求められている。そこで本研究では塩を含む土の凍結実験や実際の寒冷地の塩害現場の観測とそれらの数値モデル解析を通じて、溶質の析出を伴う土の凍結・物質移動機構の解明と予測を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は本研究の初年度にあたるため、まずは凍結過程にある土中の溶質移動を確認することを目的とした。そこで、一次元カラム実験において地表に凍結融解サイクルを与える最適な方法を模索し、恒温水循環型の温度制御基部で底面に水分フラックスのない定温温度境界を、低温庫内における開放型制御で地表に自由蒸発が可能な周期的温度境界をそれぞれ与えることとした。また、凍土中の不凍水量や塩濃度を測定できるよう、TDRの検量と解析モデルの検討を行った。そして、異なる種類と濃度のナトリウム塩を含む土の一次元カラム凍結融解・蒸発実験を行い、その際の水分・熱・溶質移動を観測した。その結果、土に凍結融解サイクルが与えられると、凍結の進行にともないより深い位置の水が凍土層に引き上げられることで融解期に表層が湿潤に保たれ、凍結融解を与えない場合より地表からの水分蒸発が促進されることが定性的に明らかになった。また、溶質濃度が高いほど凝固点が低下し、凍結が進行しても氷の生成量が少なく、凍結の進行が速くなる一方深部からの水分移動が少なくなること、重炭酸塩は土中で炭酸塩となり沈着するため凍結融解サイクルを与えてもあまり移動しないこと等が明らかになった。また、試料の凍結面近傍の観察系にハイパースペクトルカメラを導入した。ハイパースペクトルカメラでの土壌観察の基礎的知見を得るため、近赤外分光装置で様々な土のスペクトルを取得し、主成分解析により水分量や可給態窒素、各種栄養塩を測定する検量線を作成した。またこの際、同地区の土壌で作成した検量線であれば地区内の土壌分析に十分な精度が得られるが、他地区の土壌分析精度が著しく落ちること、一方、県内レベルでばらついた土壌で検量線を作成すれば、精度は高くないものの、比較的多くの土壌の分析ができることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍による学生の入構制限があり、十分な実験回数を確保する点に苦労したが、基本となる実験系を組み上げることが予定通りできた。また、新たに導入したハイパースペクトルカメラについては、凍土や氷の可視化についてはまだ多くの課題があるものの、平行しておこなった近赤外スペクトルの取得と解析により十分な基礎的知見と様々な応用の糸口を得ることができた。これらの成果により、次年度は計画通り各種より本格的な実験やパラメータの最適化などに研究を進展させることができる。また、カラム実験、ハイパースペクトル観測とも、予備実験的なデータが蓄積できたので各種解析の準備が進んでいる。そして、数値解析に用いるHYDRUSとPhreeqCの結合コードHP1については、凍結過程の計算や塩の解離反応なども比較的安定的に計算できるようになるとともに、新たなインターフェイスが実装されたため、これまでとの比較検討を行うことで、次年度以降の解析の準備を進めることができた。 令和4年度は、初年度でもあり論文は試験的なもの1報と少なかったが、凍結実験系を組み上げる過程で、解説を一報まとめ投稿した。また、途中経過をまとめ国内学会で8件、国際会議で4件発表した。研究に関する打ち合わせや学会がオンラインやハイブリッドのものもあったが、対面で行われたものもあり、この数年できなかった身の入った討論や議論ができた。これは、今後の継続的な検討に資すると考えられる。野外実験については、本年度は室内実験に多くの時間を使ったため取りかかることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
凍結にともなうナトリウム塩の移動・再分布と蒸発にともなう地表への析出について、塩の濃度や種類、境界条件を変えて、温度境界条件や水分条件についても検討しつつ実験回数を確保する。この際、凍土中の塩濃度の測定精度の向上、蒸発量の違いの定量化、凍結融解サイクルの回数、解離度の低い塩の扱いと化学平衡など、令和4年度に抽出した課題について解決に取り組む。そして、実験結果の解析をこれまで培ってきた移動モデルや凍結モデルを援用して進めるとともに、HP1での数値計算との比較を試みる。近赤外分光解析については検量線の精度を高める。そのため、県内の標高など環境の異なる土壌を多く採取し、近赤外スペクトルの主成分解析と検討を進める。そしてハイパースペクトルカメラによる凍結面近傍の観察に基づき、氷と凍土、未凍土の視覚的分離、塩濃度や不凍水量あるいは地温の推定などを試みる。この際、凍結面近傍の解析にはヘレシオセルを用いた一方向凍結装置を作成し、mmスケールでの温度や濃度、サブmmスケールでの氷の情報を得、詳細な観察と解析を可能とする。野外においても岩手大学の圃場で冬季には降水降雪の遮断により塩の析出を伴う凍結環境を再現できるかと、可能な実験スケールを検討する。そして、これらの成果からを論文として公開する準備をはじめるとともに、国内外の学会においても、成果の発表と研究の進展に必要な情報収集に努める。
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Report
(1 results)
Research Products
(11 results)