Project/Area Number |
23K23773
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Project/Area Number (Other) |
22H02508 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 42020:Veterinary medical science-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
木村 享史 北海道大学, 獣医学研究院, 教授 (90261338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青島 圭佑 北海道大学, 獣医学研究院, 講師 (90745069)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥13,780,000 (Direct Cost: ¥10,600,000、Indirect Cost: ¥3,180,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
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Keywords | ヘルペスウイルス / ウマ / 神経細胞 / 遺伝子発現調節 |
Outline of Research at the Start |
ウマヘルペスウイルス1型 (EHV-1) は他のヘルペスウイルスと同様に神経細胞に潜伏感染し、ストレスなどによる再活性化が鼻粘膜へのウイルスの再出現と他の馬への伝播を引き起こすと考えられている。EHV-1潜伏感染の実験的研究に適切な培養細胞モデルは存在せず、そのため、他のヘルペスウイルスに比較して分子機構の解明が著しく遅れている。本研究では、温度依存性に神経細胞への分化を示すラット脳由来神経細胞株Rn33B-A68B2Mを使用し、潜伏感染細胞において特異的に認められるウイルス遺伝子発現抑制の機序を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
ウマヘルペスウイルス1型 (EHV-1) は神経細胞へ潜伏感染することが知られており、その成立にはウイルス遺伝子の発現抑制が関与すると推測されるが、詳細は不明である。本研究では、未分化状態においてEHV-1に高い感受性を示すが神経分化によって著しく感受性が低下するラット脳由来細胞株Rn33B-A68B2Mを潜伏感染モデルとして用い、神経分化状態と未分化状態におけるEHV-1増殖性の相違を規定する分子機構を解明し、神経細胞におけるEHV-1潜伏感染の成立機序について考察を行うことを目的とする。 令和5年度はORF63(ICP0遺伝子)の3'非翻訳領域を認識するmiRNAの同定を試みた。ORF63の読み取り枠直後から3'方向へ向かう193 bpのEHV-1ゲノムDNA断片をpmirGLO miRNA Target Expression Vectorにクローニングし、Rn33B-A68B2M細胞に導入した。EHV-1非感染細胞と感染細胞のそれぞれに対しデュアルルシフェラーゼアッセイを行ったところ、EHV-1感染によりルシフェラーゼ活性の低下がみられたが、これはORF63の3'非翻訳領域をクローニングしていない空ベクターを導入した細胞でも同様にみとめられたため、pmirGLOベクター固有の配列を認識するmiRNAがEHV-1感染時に誘導される可能性が示唆された。また、空ベクターを導入した細胞とORF63の3'非翻訳領域をクローニングしたベクターを導入した細胞とを非感染状態で比較した場合、miRNAの作用を確認するホタルルシフェラーゼのみならず内部標準であるウミシイタケルシフェラーゼについても空ベクター導入細胞の方がより高い活性を示したことから、ORF63の3'非翻訳領域を認識し発現を負に制御する何らかの宿主因子の存在が推測された。また、BALB/cマウスにEHV-1を経鼻接種し、令和4年度の研究において同定されたEHV-1 IE 遺伝子のプロモーター領域より転写されるncRNAの発現をリアルタイムRT-PCRで検索したところ、感染後1日目の肺組織でIE遺伝子と共にncRNAの発現が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プロモーター領域より転写されるncRNAに関してはin vivoにおける発現を確認することができた。ORF63の3'非翻訳領域を認識するmiRNAに関しては、令和5年度の研究によりその存在をpmirGLOベクターで確認することは難しいと考えられたが、miRNA候補配列は特定できているため、今後はそれを細胞に導入・発現することによって効果を検証する。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、EHV-1感染Rn33B-A68B2MからDNAを抽出し、ヒストンのメチル化もしくはアセチル化を特異的に認識する抗体を用いたCut and Run法を行い、次世代シーケンサーで配列を決定し既知のEHV-1遺伝子配列をレファレンスとしてマッピングを行う。さらに、ウイルスゲノム由来ncRNAが細胞外に放出される可能性が考えられるため、ウイルス感染細胞の培養上清から細胞外小胞を分離し、RT-PCRによりncRNAの検出を試みる。
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