Project/Area Number |
23K23776
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Project/Area Number (Other) |
22H02511 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 42020:Veterinary medical science-related
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
横山 直明 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (80301802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ティルラセンバラム シヴァクマール 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 特任研究員 (00826711)
麻田 正仁 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 准教授 (40587028)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2022: ¥7,280,000 (Direct Cost: ¥5,600,000、Indirect Cost: ¥1,680,000)
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Keywords | 牛タイレリア / 牛小型ピロプラズマ病 / 牛マウス / 試験管内培養 / 生体内増殖 / マダニ / 馬タイレリア / キルギス / 牛 |
Outline of Research at the Start |
マダニの吸血によって感染する牛タイレリアは、牛赤血球に寄生・増殖することで、感染牛に高熱や悪性貧血を主徴とする牛小型ピロプラズマ病を引き起こす。本申請課題では、申請者独自の技術シーズと成果を活用して、牛マウスと試験管内培養による牛タイレリアの生体内増殖の完全再現を行う。さらに、スポロゾイト期原虫のリンパ球への感染、リンパ球内の多分裂増殖(シゾント期)、赤血球内のメロゾイト期増殖、及びマダニに再び戻るためのガメート期への分化を含む“牛生体内で起こる牛タイレリアの一連の増殖メカニズム”を科学的に明らかにし、牛小型ピロプラズマ病に対する新規治療薬の開発に資する創造型学術基盤を整備する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、感染した牛の体内で起こる牛タイレリア(Theileria orientalis)の一連の増殖メカニズムを科学的に明らかにし、牛小型ピロプラズマ病に対する新規治療薬の開発に資する創造型学術基盤を整備することにある。そこで2022-2023年度では、牛タイレリアの生活環を再現できるマダニ-牛マウス感染評価モデル系の評価を行った。すなわち、1)牛赤血球に置換した免疫不全マウス(牛マウス)に牛タイレリアを感染させ、牛のみで起こる赤血球内増殖がマウス体内で再現できること、また2)媒介マダニ種として知られるフタトゲチマダニ(Haemaphysalis longicornis)を感染牛マウスに吸血させ、その感染マダニの唾液腺内にスポロゾイト期(次の牛に感染するためのステージ)の牛タイレリアが成熟することを確認した。一方で、3)日本には、2種類の大型ピロプラズマ(牛バベシア:Babesia ovataとBabesia sp.)が存在し、牛タイレリアと共感染した場合は感染牛の貧血発症率と重症度を引き上げてしまうこと、4)中央アジアに位置するキルギス国で放牧されている牛の約8割が牛タイレリアに感染しており、日本で見られる強毒型(タイプ2)は存在せず、その遺伝子型は弱毒型のタイプ1と3であったこと、5)スリランカとパラグアイの馬タイレリア(Theileria equi)の遺伝子解析を行った結果、5つの遺伝子型(タイプAからE)で構成される高度な遺伝子多型が存在することが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
牛タイレリアの生活環を再現できる感染評価モデル系を確認できたことから、概ね順調に進展していると評価する。また、日本やアジアの牛ピロプラズマ(タイレリアとバベシア)の感染状況や問題点を整理でき、かつ同属の馬タイレリアの高度な遺伝子多型の実態も明らかにできたことは、想定外の有益な成果となった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、牛タイレリアの生活環を一周できる“マダニ-牛マウス感染評価モデル系”を確立・評価し、本評価モデル系を用いて、それぞれの原虫ステージに関わる形態学的、生物学的、及び遺伝学的特徴を解明する。また、ここまでの成果を基に、“シゾント期-メロゾイト期-ガメート期原虫の試験管内連続培養法”を確立する。さらに、自然感染牛の臨床・病理サンプルを解析し、上記二つの実験室内評価モデル系で明らかとなった事象を牛生体内で実証する。一方で、薬剤スクリーニングに適したプロトタイプの新簡易評価系も試作する。
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