Project/Area Number |
23K23792
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Project/Area Number (Other) |
22H02527 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 42020:Veterinary medical science-related
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
向田 昌司 岡山理科大学, 獣医学部, 講師 (80824797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 翔 名古屋大学, アジアサテライトキャンパス学院(農), 特任准教授 (50829223)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
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Keywords | 高血圧 / リンパ管 / 収縮制御 / 活性酸素 / 血管 / 高血圧症 / 薬理学 / 内皮細胞 / 平滑筋 / 平滑筋細胞 |
Outline of Research at the Start |
これまでの高血圧症の病態研究の多くは、心臓、血管、腎臓、脳、免疫器官等を標的に行われてきた。これに対し、毛細リンパ管の過形成により体液を貯留し、血圧調節に寄与する、と指摘した論文に注目した。申請者は、「リンパ管収縮あるいは形成異常がリンパ管内の体液貯留に影響することで、間接的に血圧上昇をもたらしているのではないか」と考え、現在研究を進めている。本研究では、集合リンパ管機能障害の原因因子についてリンパ管収縮および拡張機能の2つの観点から検討を進める。また、血管機能との差異についても明らかにしたい。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画は、高血圧症の病態機序を明らかにするために、特に集合リンパ管の機能と血圧上昇との関連を検討することを目的としている。本研究実績の概要は、以下のとおりである。 高血圧を呈する成熟自然発症高血圧ラットSHRのリンパ管において、いくつかの特定のアゴニストによる収縮反応を増強する。一方、血圧上昇の認められない若齢SHRにおいて、ウィスター京都ラットWKY(コントロール)と比較し、リンパ管の収縮増強作用は認められない。これは、血圧上昇はリンパ管収縮増強作用を引き起こす可能性を示唆する。さらに別の高血圧モデル(アンジオテンシンII誘導性)においても、リンパ管収縮増強を引き起こすという知見を得た。現在、リンパ管平滑筋細胞を用いてアンジオテンシンIIの影響を検討中である。また、マイクロアレイを用いて高血圧病態における集合リンパ管の遺伝子変化を網羅的に検討したところ、リンパ管内皮障害に関わる可能性のある因子を見出した。この因子についても薬理学的な検討を進めている。 他方、アンジオテンシンII誘導性高血圧モデルを用いた検討において、リンパ管の収縮増強に加え、血管の収縮増強を確認した。興味深いことに、上記の調節因子の発現量は血管において変化は認められず、別の収縮調節因子(プロテインキナーゼCβ)に着目したところ、顕著な活性化が認められた。薬理・生化学的実験手法により、アンジオテンシンII長期曝露による血管収縮増強にプロテインキナーゼCβを介した転写活性が関与する可能性を見出し、その標的遺伝子を現在検討中である。 上記の研究結果より、高血圧病態におけるリンパ管および血管機能障害はその分子機序が異なる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書の計画に基づき検討を継続的に行っている点、これまでの結果に基づき更なる追加実験を行っている点、科学研究費補助金を無駄のないように使用している点が、順調に研究が進展している理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
2022, 2023年度の実験結果から、高血圧病態においてリンパ管と血管ともにカルシウム非依存的な収縮応答を増強し、一方でその調節因子は異なることが示唆された。本年度は、昨年度と同様に、リンパ管における平滑筋機能障害に関わる因子の機能解析に加え、血管における収縮増強メカニズムについても詳細な検討を進める。両者の類似点、相違点を生理・薬理・分子生物学的手法を用いて検討する。 また、高血圧病態の集合リンパ管において活性酸素種が顕著に蓄積し、さらにその関連遺伝子が大きく変動していたことから、リンパ管内皮と活性酸素種の調節因子との関連を詳細に検討する(継続)。
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