Project/Area Number |
23K23822
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Project/Area Number (Other) |
22H02558 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 43020:Structural biochemistry-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山下 栄樹 大阪大学, 蛋白質研究所, 准教授 (00294132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 敦史 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (20188890)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
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Keywords | 立体構造 / 膜蛋白質複合体 / トランスポーター / 立体構造解析 |
Outline of Research at the Start |
複数の抗菌剤が効かない多剤耐性緑膿菌による免疫不全患者への院内感染は、重篤な症状を引き起こすため社会的に大きな問題となっている。日和見細菌である緑膿菌が多剤耐性化する主な原因として、菌体内に進入した抗菌剤を排出する4種類の薬剤排出タンパク質複合体が深く関与している。本研究では、緑膿菌で多剤耐性の発現に関わる薬剤排出タンパク質複合体の立体構造をクライオ電子顕微鏡単粒子解析法とX線結晶構造解析法を用いて解明し、各複合体と様々な抗菌剤との相互作用様式を明らかにすることにより、複数の薬剤排出タンパク質複合体による多剤耐性化機構の理解を深めることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、緑膿菌が持つ複数種類の薬剤排出タンパク質複合体の詳細な作動原理を明らかにするために、種々の薬剤排出タンパク質や抗菌剤結合型の構造解析を行うとともに、様々な抗菌剤との相互作用様式を明らかにすることにより、緑膿菌の多剤耐性発現における各薬剤排出タンパク質複合体の役割を明確にすることを目指す。本年度は、1)種々の薬剤排出タンパク質複合体及び構成タンパク質の正確な構造解析、2)基質である抗菌剤との相互作用解析を目的とした。具体的には以下のことを行った。 1)種々の薬剤排出タンパク質複合体及び構成タンパク質の正確な構造解析 MexAB-OprM複合体以外で緑膿菌の多剤耐性化に関わっているMexCD-OprJ複合体及びMexXY-OprM複合体の各構成タンパク質うち、薬剤の認識及び排出エネルギー獲得に関わるトランスポーター(MexD、MexY)の活性型の構造解析に向けた試料調製の検討を行った。さらに、緑膿菌が持つRND型排出タンパク質の中で唯一ヘテロトランスポーターであるMuxBCの構造解析に向けた試料調製の検討を行った。 2)抗菌剤との相互作用解析 界面活性剤で精製されたトランスポーターMexBをアンフィポールで置換し相互解析用の試料を準備した。アンフィポール置換されたMexBと種々の抗菌剤との等温滴定型熱量測定法による熱力学的な解析を行った。抗菌剤との結合様式を可視化するために抗菌剤結合型の結晶構造解析に向けた結晶化について取り組んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)種々の薬剤排出タンパク質複合体及び構成タンパク質の正確な構造解析 アミノグリコシド系抗菌剤の認識に関わるトランスポーターMexYの試料調製では、MexYの不安定なドメインをすでに構造解析されているMexBのドメインに置き換えたキメラ体を用いて精製を行ったが、活性型MexYが得られなかった。そこで、MexYの基質結合ドメインだけを残したキメラ体を新たに作製し、精製を行うことにより、活性型MexYが得られ、単粒子解析のための画像データの収集を行った。活性型MexDの精製条件では、緩衝液のpHが重要であることが分かった。 2)抗菌剤との相互作用解析 MexBの構造解析の論文で結合が確認されている抗菌剤1種類について、アンフィポール置換されたMexBを用いて等温滴定型熱量測定を行い、解離定数が得られた。抗菌剤結合型の結晶構造解析に向けた結晶については、結晶化に用いる精製試料の均質性を向上させることにより、分解能を改善することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
種々の薬剤排出タンパク質や抗菌剤結合型の構造解析及び様々な抗菌剤との相互作用様式を明らかにするために、昨年度に引き続き、1)様々な構成タンパク質の正確な構造解析、2)抗菌剤との相互作用解析及び抗菌剤結合型の構造解析を進める予定である。 1)様々な構成タンパク質の正確な構造解析では、画像データ収集を行った活性型MexYの単粒子解析を進めつつ、MexD及びヘテロトランスポーターMuxBCの安定な活性型が得られる精製条件の検討を行う。 2)抗菌剤との相互作用解析及び抗菌剤結合型の構造解析では、種々の抗菌剤とMexBとの相互作用の熱力学パラメーターを求めるために等温滴定型熱量測定及び示差走査熱量測定を行いつつ、結合様式の可視化に向けた抗菌剤結合型の結晶構造解析を進める。
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