Project/Area Number |
23K23844
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Project/Area Number (Other) |
22H02580 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 43040:Biophysics-related
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Research Institution | Tohoku University (2024) The University of Tokyo (2022-2023) |
Principal Investigator |
樋口 秀男 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 特任教授 (90165093)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥15,860,000 (Direct Cost: ¥12,200,000、Indirect Cost: ¥3,660,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2022: ¥8,320,000 (Direct Cost: ¥6,400,000、Indirect Cost: ¥1,920,000)
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Keywords | 振動 / モータータンパク質 / 細胞 / ダイニン / ナノ計測 |
Outline of Research at the Start |
細胞を損傷することによって、小胞の運動速度が遅くなることが知られている。損傷細胞において、らせん運動に変化がみられるかを測定する。 鞭毛振動や心筋振動において、逆反応速度とミオシンがアクチンから解離する時間と振動との関係および、振動の起こる閾値との関係を明らかにする。また、心筋は、振動数が数Hzとゆっくりなのに対して、鞭毛は数十Hzと高い。この差が、分子の反応時間によるものなのか、分子の弾性によるものであるかを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
ダイニンは、真核生物の鞭毛において振動運動を生み出すマイナス末端指向性モーターである。細胞膜の最も重要な特徴である周期的な拍動は、ダイニンが微小管に沿って時空間的に制御することによって起こる。ダイニンは微小管に沿って時空間スライディングすることによって起こる。鞭毛振動におけるダイニンの振動の役割を明らかにするために、我々は3つの異なる軸索切断段階におけるダイニンの生化学的性質を調べた。無傷の9 + 2構造から出発して、相互作用するダブレットの数を減らし、各段階で発生する振動力の3つのパラメータ、すなわち結合割合、反応時間、ステップサイズを決定した。軸索、ダブレットバンドル、単一ダブレットの無傷のダイニン分子を用いて、光ピンセットで力を測定した。3つの軸糸の条件下で測定されたダイニン1個あたりの平均力は、以前に報告された軸糸ダイニンの停止力よりも小さかった。この現象は、結合割合が以前考えられていたよりも低いことを示唆している。この可能性は、精製ダイニンを用いたin vitro運動性アッセイによってさらに確かめられた。測定された力から推定された反応時間とステップサイズは同様であった。これらのパラメーターの類似性から、ダイニンの振動の本質的な性質は、分子に固有のものであり、軸糸の構造とは無関係であることが示唆される。 また、キネシンの幅広い荷重下での力の発生を理解するために、光学ピンセットを用いて20~42pNの荷重下でのキネシン分子のステップ運動を測定した。その結果、前進と後退のステップサイズはステップサイズは8.2 nmであった。ヒストグラム後方ステップと解離の反応時間のヒストグラムは、速い時定数(0.4 ms)と遅い時定数(>3 ms)を持つ2つの独立した指数関数式に従った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
22年度の予定では、精子鞭毛ダイニン多分子の振動時の力・変位・弾性率・急速変位応答(反応速度や粘弾性率がわかる)を測定するために、レーザー トラップされたビーズ微粒子の像の位置を4分割センサーで測定することであった。この予定は達成され、精子鞭毛ダイニン多分子の振動時の特性と分子機構を示唆する原著論文を出版することができた。この論文の出版と並行して、振動がどのように起こるかをコンピューターシミュレーションを行い、振動の要素が集まりつつある。また細胞内振動に重要なキネシン1分子の新しい特性が明らかとなり、振動の理解に向けておおむね順調に研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
精子鞭毛ダイニン多分子の振動のシミュレーション研究は順調に進んでいるため,今後論文化に向けた追加シミュレーションを行う.さらにシミュレーションにおいて重要なパラメーターを実験的測定により得る予定である。さらに、細胞内のプロッセッシブモーターであっても振動が起こることをシミュレーションと実験の両面から研究を行う予定である。
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