Project/Area Number |
23K23858
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Project/Area Number (Other) |
22H02595 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 43040:Biophysics-related
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Research Institution | Okazaki Research Facilities, National Institutes of Natural Sciences |
Principal Investigator |
岡崎 圭一 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), 計算科学研究センター, 准教授 (50792529)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 細胞膜変形分子マシン / 分子シミュレーション / ダイナミン / 粗視化モデル / 構造変化 / 生体分子マシン / 細胞膜 / GTP |
Outline of Research at the Start |
細胞膜変形分子マシンは、GTP加水分解エネルギーを用いて細胞膜変形・切断・融合という力学的仕事を行う。例えば、細胞膜切断を行うダイナミンは、多量体形成とヌクレオチド状態依存的な構造変化を動的に組み合わせて膜変形を行っていることが示唆されているが、詳細な動作メカニズムはよく分かっていない。本研究では、GTP加水分解による構造変化と多量体構造の再配置がどのように力発生につながるのかを、粗視化分子動力学シミュレーションにより解明する。さらに、ダイナミン・スーパーファミリーで膜融合という逆の機能を持つタンパク質にも注目をし、多様な機能が発現する分子基盤の解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、GTP加水分解エネルギーを用いて細胞膜変形・切断・融合という力学的仕事をする細胞膜変形分子マシンが、いかにして多量体形成とヌクレオチド状態依存的な構造変化を動的に組み合わせて膜変形を行っているかを粗視化分子動力学シミュレーションにより解明するのが目的である。2年目である本年度は、まず、前年度にセットアップしたチューブ状脂質膜とダイナミン多量体リングからなる系の圧力一定条件下での構造緩和を行なった。このような脂質二重膜を含む大規模系で、近年、膜の不自然な歪みや圧力が適切に制御できていない等の問題が指摘されている。そのような問題を回避するために、MDシミュレーションのパラメータを再検討して、チューブ状脂質膜の構造緩和を行なった。このようなチューブ状脂質膜の定圧化での構造緩和シミュレーションはほとんど前例がなく、先駆的である。次に、ダイナミンにおけるヌクレオチド状態依存的な構造変化をシミュレートするために、MARTINIモデルに追加してタンパク質に付加している弾性体ポテンシャルを、GTP結合型からアポ型へスイッチすることで構造変化を誘起した。その結果、ダイナミン多量体リングの構造変化と、それに伴う脂質膜の変形が観察された。さらに、120 nm にも及ぶチューブ状脂質膜に2つのダイナミン多量体リングが結合した大規模系(約260万粒子数)のシミュレーションを行って、2つのダイナミン多量体リングの構造変化による脂質膜の狭窄が観察された。このような結果に基づいて、日本生物物理学会年会にてポスター発表を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ダイナミン多量体・チューブ状細胞膜系のシミュレーションはあまり先行研究がなく、時間はかかってはいるが、着実に前進しているので、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、まず、ダイナミン多量体リングの構造変化による力発生を定量的に見積もるために、体積一定条件下で構造変化シミュレーションを行い、構造変化前後の圧力変化から軸方向に働く力を計算する。これにより、膜変形度合いに加えて、実験との定量的な比較が可能になる。また、今までは、一巻きのダイナミン多量体リングが2つ離れてチューブ状脂質膜に結合している状況で膜変形を観察していたが、様々なシナリオを試すために、二巻きのダイナミン多量体リングの構造変化による脂質膜変形への影響をみるシミュレーション等も行う。このようなシミュレーションから、実際にチューブ状脂質膜が切断される条件を探りたい。このような研究成果の学会発表や、論文出版を目指して、研究を進める。
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