癌ウイルスによるクロマチン構造破綻が誘導する新規発癌機構の解明
Project/Area Number |
23K23859
|
Project/Area Number (Other) |
22H02596 (2022-2023)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 43050:Genome biology-related
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
岡部 篤史 千葉大学, 健康疾患オミクスセンター, 特任准教授 (80778118)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川島 祐介 公益財団法人かずさDNA研究所, ゲノム事業推進部, ユニット長 (30588124)
神田 輝 東北医科薬科大学, 医学部, 教授 (50333472)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
Fiscal Year 2022: ¥7,150,000 (Direct Cost: ¥5,500,000、Indirect Cost: ¥1,650,000)
|
Keywords | クロマチン構造 / 胃癌 / Epstein-Barrウイルス / Epigenetics / Chromatin structure / Epstein-Barr Virus |
Outline of Research at the Start |
申請者らは胃癌の網羅的クロマチン構造解析から、Epstein-Barrウイルス(EBV)陽性胃癌においてEBV-ホストゲノム相互作用が引き起こす、新規エピゲノム発癌機構を報告した。しかしその詳細なメカニズムの解明には至らなかった。そこで本研究では、その詳細な機構を明らかすることを目的とし我々独自のIn vitro EBV感染系を用いたオミクス解析により、その責任因子とEBV上の機能領域を同定する。更には責任因子の阻害、責任ゲノム領域の配列特異的なゲノム・エピゲノム編集による増殖抑制効果を検証する。本研究により、ウイルス感染による発癌の本態解明と新規治療戦略の基盤創出を目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
EBウイルスゲノムとホストゲノムの直接的相互作用によるヘテロクロマチン構造破綻のメカニズムを解明するため、ウイルス感染後におけるエピゲノム変化の更に詳細に解析を進めた。これまで解析を行っていたH3K9me3、H3K27me3以外にヘテロクロマチン領域に入ることが知られる抑制的ヒストン修飾であるH3K9me2、H4K20me2、H4K20me3、抑制領域に結合する Lamin A/C、Lamin B1、ヒストンH1バリアントのChIP-seq解析を行った。更に活性化ヒストン修飾として新たにH3K36me2、H3K36me3のChIP-seq解析を行った。 ヘテロクロマチン領域に入るヒストン修飾や結合因子においては、これまで確認していたH3K9me3以外は特に顕著な変化を認めなかった。一方で活性化修飾であるH3K36me2がEBウイルスゲノム相互作用領域において顕著に上昇していることを確認した。以上の結果からウイルスゲノムとの相互作用によるヘテロクロマチン破綻領域では、H3K9me3からH3K36me2の置き換わりが起きていることが示唆された。 また、胃癌で確認したウイルスゲノム相互作用領域におけるエピゲノム変化について他のEBV関連腫瘍である上咽頭癌、バーキットリンパ腫においても解析を進め、その全てにおいて胃癌と同様のヘテロクロマチン構造の変化を確認し、我々が発見した現象がEBV感染時に広く起きていることを明らかにした。 EBV感染後の時系列解析を進めるために、少細胞数でもエピゲノム解析が可能となるCUT&Tag法の確立を進め、感染前細胞において少細胞数でのヒストン修飾の解析を行った。また、EBVゲノム上の機能領域を同定するため、EBV陽性細胞株に標的特異的エピゲノム抑制タンパク質であるdCas9-KRABを誘導し、標的領域の抑制ができることを確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで5種類のヒストン修飾のみについて解析を進め、EBウイルス感染後のエピゲノム変化を解析してきたが、当初予定よりも多くの12種類のヒストン修飾やクロマチン結合因子の解析を進め、より広範な変化を明らかにすることができた。また、胃癌以外のEBV関連腫瘍におけるクロマチン構造解析、エピゲノム解析を進め、胃癌と同様のクロマチン構造破綻を確認し、本研究の対象であるウイルス-ホストゲノム相互作用によるホストクロマチン構造破綻がEBV感染細胞に共通する現象であることを明らかにした。以上の進展は当初計画にはなかったが新たに進めた解析であり、予想以上の結果を得たと言える。一方でウイルス感染後の時系列解析やウイルスゲノム結合因子の解析が当初予定より 進んでいないため、今後はこちらの計画を進めていきたい。
|
Strategy for Future Research Activity |
EBV感染後の時系列解析について、ウイルス感染効率が低く、施行が難しかったため、少細胞数でもエピゲノム解析が可能なCUT&Tag法を立ち上げ、少細胞数での解析が可能となった。今後、感染後のヒストン修飾解析を進め、どの変化が最も早く起きているのか、解析を進める。 EBVゲノム上の機能領域探索を行うため、EBV陽性細胞株へ標的特異的エピゲノム抑制タンパク質であるdCas9-KRABを誘導し、標的領域の抑制ができることを確認している。今後、EBVゲノムの機能領域を標的としてガイドRNAを設計・誘導し、EBV上の機能領域の同定を進める。 EBVゲノム上の機能領域結合タンパク質について、上記解析にて機能領域が同定出来次第、質量分析による結合タンパク質解析を進めたい。
|
Report
(1 results)
Research Products
(14 results)
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] Repression of DERL3 via DNA methylation by Epstein-Barr virus latent membrane protein 1 in nasopharyngeal carcinoma2022
Author(s)
Kondo S, Okabe A, Nakagawa T, Matsusaka K, Fukuyo M, Rahmutulla B, Dochi H, Mizokami H, Kitagawa Y, Kurokawa T, Mima M, Endo K, Sugimoto H, Wakisaka N, Misawa K, Yoshizaki T, Kaneda A.
-
Journal Title
Biochimica et Biophysica Acta - Molecular Basis of Disease
Volume: 1869(2)
Issue: 2
Pages: 166598-166598
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-
-
-
-
-