Project/Area Number |
23K23883
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Project/Area Number (Other) |
22H02620 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 44010:Cell biology-related
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
佐伯 恭範 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 客員教授 (30794458)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
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Keywords | コレステロール / 脂質輸送タンパク質 / 小胞体 / 細胞膜 / 膜接着部位 / 神経細胞 / ステロイドホルモン |
Outline of Research at the Start |
コレステロールは生体膜の主たる構成成分であり、生体膜の機能維持や細胞内シグナル伝達の調整に重要な役割を担っている。それゆえ、コレステロール分布の破綻は、代謝疾患、神経変性疾患を含む様々な疾患の要因となる。しかしながら、その細胞内輸送メカニズムに関しては不明な点が多い。本研究においては、コレステロール輸送タンパク質に注目し、細胞内コレステロール輸送の分子機構およびその生理的役割の解明を試みる。本研究は、コレステロール輸送機構に関する知見をさらに深め、神経疾患や関連疾患の病態解明および新規治療法の発見に寄与すると考えられる。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、引き続き、細胞内コレステロール輸送機構に注目し研究を行った。大きな成果として、スピニング共焦点顕微鏡および全反射顕微鏡と生化学的手法を用いることによって、進化学的に保存されたコレステロール輸送タンパク質であるGRAMD1が、小胞体-ゴルジ接着部位において他の脂質輸送タンパク質であるOSBPならびにORP9と協調することで、細胞内のコレステロール分布を調整することを突き止め、論文として発表した(Naito et al., Nature Communications, 2023)。GRAMD1とORP9を同時に欠損させたノックアウト細胞においては、ゴルジ体および細胞膜にコレステロールが蓄積し、細胞内コレステロール産生機構の調節に異常が生じることを示した。また、GRAMD1のコレステロール感知領域であるGRAMドメインに注目し、適度なアミノ酸変異を加えることにより、新規コレステロール感知プローブであるGRAM-Wを開発し論文として発表した(Koh et al., Nature Communications, 2023)。さらに、GRAM-WをヒトiPS細胞から分化誘導した神経細胞に発現させることによって、ヒト神経細胞内においてコレステロール分布の可視化に成功した。引き続きコレステロール輸送タンパク質の一群を欠損させたノックアウトマウスと線虫の表現系解析を行い、細胞内コレステロール輸送機構の生理的役割に関して新しい知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度の主な目標として、細胞内コレステロール輸送機構に関しての研究を推し進めていくことを挙げていた。細胞内のコレステロール分布を調整する仕組みに関して新しい知見を得ることができ、また新規コレステロール感知プローブの開発に成功し、おおむね目標を達成出来たと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、引き続き、顕微鏡および生化学的手法を駆使し、ノックアウトマウスとノックアウト線虫の解析をさらに推し進めていきたいと思っている。また、引き続き熊本大学・生命資源研究・支援センターの先生方との共同研究を積極的に行い、令和6年度以降にもつながる研究を行なっていきたいと考えている。
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