Project/Area Number |
23K23886
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Project/Area Number (Other) |
22H02623 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 44010:Cell biology-related
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
木梨 達雄 関西医科大学, 医学部, 学長 (30202039)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | cell adhesion / integrins / Rap1 / talin / kindlin3 / 細胞接着 / インテグリン |
Outline of Research at the Start |
インテグリンは細胞接着を可塑的に制御することによって細胞外環境との相互作用を変化させ、細胞形態、細胞移動や機能、増殖等に重要なシグナル伝達を行う。インテグリンを介するinside-out/outside-inの双方向性シグナル伝達によって発生する少数の高親和性結合と低親和性結合によって細胞接着の可塑性および堅牢性が誘導されるメカニズムを明らかにする。そのため、Rap1によるインテグリン結合分子talin1, kindlin-3の制御を中心に、弱い接着であるローリング過程から安定した接着、およびケモカインによる細胞移動などの生理的過程に生じるインテグリン接着制御を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
(1)インテグリンを調節する分子間の細胞内結合動態と接着誘導の解明: LFA1キメラ分子を用いた解析から、talin1との結合はβ7が最も弱く、β2がもっとも強いことが明らかになった。さらに細胞外はLFA1、細胞内はα4β1とα4β7のキメラ分子の細胞内領域(CT)とtalin1結合の一分子解析から、β1、β2、β7 とtalin1の結合力はtalin1結合モチーフ外のアミノ酸に同定された。分子シミュレーションから同定されたアミノ酸領域でtalin1 headループとβ7の距離がβ2よりも離れていることがわかった。 (2)L-selectin・LFA-1/PNAd・ICAM1の白血球接着カスケードの系ではslow rollingの開始とRap1活性化およびtalin1の集積がほぼ同時に生じており、双方向制御の同時性が見出された。α4β7とMAdCAM1では、talin1、kindlin3、Rap1a/Rap1bは、LFA1同様tether/arrestに必須であったか、LFA1と異なりrollingには必要ないことがわかった。また、Rap1が恒常的に活性化するRasa3/Sipa3欠損T細胞では、α4β7がMAdCAM1に対して高親和性に変化し、非還流下では接着が亢進ていた。一方、潅流下では接着が著しく低下した。この結果はLFA1が高親和性へ変化するにはRap1とICAM1の両方が必要であること、rolling接着を亢進させる結果と対照的であった。 (3)細胞極性および細胞接着・移動の制御過程を明らかにする。 接着非依存性のCCL21によるT細胞の細胞極性Rap1依存性に起こるが、さらに遺伝子欠損T細胞の解析からtalin1に依存していることがわかった。さらに活性化するとRap1はRhoAの活性化を引き起こし、talin1のurpod局在を誘導することが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度に樹立したtalin1結合動態測定系を用いて、インテグリン細胞内領域と、talin1の結合動態をキメラ分子を作成して実測できるようになった。インテグリ間のアミノ酸配列の差異からtalin1の結合の強さを決定しているアミノ酸をtalin1結合モチーフの外に同定でき、分子シミュレーションからその理由を推定できた。 α4β7/MAdCAM1とL-selectin/PNAdおよびLFA1/ICAM1による白血球接着カスケードと比較によって、リンパ球ホーミングに重要なインテグリン間で双方向制御の重要な違いを明らかにすることができた。LFA1の場合はRap1によるinside-outシグナルとICAM1の結合による双方向制御が同時に起こることが高親和性結合に必要であるが、α4β7ではinside-outシグナルのみで高親和性に変化する。このため、潅流下では弱い接着であるrollingが生じないことから停止接着が誘導されない結果になる。すなわち、α4β7/MAdCAM1の場合は、inside-outシグナルが必要ないrollingから始まり、outside-inシグナルからinside-outシグナルが順次起こることが重要であることがわかった。
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Strategy for Future Research Activity |
ほぼ計画したことが達成できており、今後、高親和性インテグリンの形成に必要なプロセスに加えて、LFA1-talin1結合による張力の測定法導入し、張力発生のメカニズムについて予備的実験を導入する。また、低親和性インテグリンの重要性についてavidityを制御する細胞内輸送過程の関与を明らかにする。リンパ球細胞極性についてはインテグリン非依存性のRho-talin1経路の重要性について、RhoGEF, RhoGAPの解析を導入し、可塑的な細胞極性のメカニズムを明らかにする。
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