VNSレギュロンによって駆動する細胞運命決定機構と形態形成制御機構の解明
Project/Area Number |
23K23912
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Project/Area Number (Other) |
22H02649 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 44030:Plant molecular biology and physiology-related
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
出村 拓 奈良先端科学技術大学院大学, デジタルグリーンイノベーションセンター, 教授 (40272009)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,630,000 (Direct Cost: ¥5,100,000、Indirect Cost: ¥1,530,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
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Keywords | 細胞分化 / 通水細胞 / 木質細胞 / 遺伝子発現制御 / シングルセルトランスクリプトーム |
Outline of Research at the Start |
本研究では通水細胞と木質細胞の分化を制御するVNSレギュロン(VNSファミリー転写因子を基点とした遺伝子発現制御システム)に着目し、独自の解析系である人為的分化誘導系やDNA結合能アッセイ系、シングルセルトランスクリプトーム解析手法を用いて、多様な植物種の通水細胞と木質細胞である、(1)オオミズゴケの透明細胞と葉緑細胞、(2)ヒメツリガネゴケのハイドロイドとステライド、(3)シロイヌナズナの原生木部道管と後生木部道管、をターゲットに、VNSレギュロンを駆動する細胞運命の決定機構とVNSレギュロンの駆動直後に起こる形態形成プログラムを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
①オオミズゴケの透明細胞と葉緑細胞:オオミズゴケの未成熟葉において、プロトプラストへの一過的遺伝子発現系の開発を進め、遺伝子導入が可能であることを確認した。さらに、すでに単離しているオオミズゴケVNS遺伝子について、分化中の透明細胞が含まれる茎葉体先端組織において、一部のオオミズゴケVNSが特異的に発現することを確認した。さらに、小管重合阻害剤を用いた解析から、透明細胞の環状細胞壁の形成には、道管細胞と同様に表層微小管が関与することを示した。 ②ヒメツリガネゴケのハイドロイドとステライド:葉の中肋において隣り合って配置されるハイドロイドとステライドの分化決定機構を明らかにするために、未成熟な中肋細胞を用いたトランスクリプトーム解析を行った。当初は、未成熟な中肋細胞に特異的に発現するVNS遺伝子のプロモーターと核局在の蛍光レポーター遺伝子を用いて未成熟中肋細胞の核を蛍光ラベルし、ラベル細胞核のシングル核トランスクリプトーム解析を計画したが、ラベル細胞核の単離が煩雑であり、より時間がかかることから、未成熟中肋細胞を含む未熟茎葉体全体のシングル核トランスクリプトーム解析を行うことにした。セルソーターとGenomics: Chromium Next GEM Single Cellを用いてライブラリーの作出を済ませた。 ③シロイヌナズナの原生木部道管と後生木部道管:シロイヌナズナを用いて原生木部細胞と後生木部細胞の分化を制御するVND7遺伝子とVND6遺伝子の直下の下流遺伝子を同定するために、まずは、VND6を用いた後生木部道管の分化誘導系の開発を進め、高い頻度で後生木部道管の誘導が可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オオミズゴケの透明細胞と葉緑細胞については分化過程の詳細解析など大きい進展があった。ヒメツリガネゴケのハイドロイドとステライドについては、未熟茎葉体全体のシングル核トランスクリプトーム解析が進み、翌年のデータ解析、特異的遺伝子の探索等に弾みがついた。シロイヌナズナの原生木部道管と後生木部道管については、VND6を用いた後生木部道管の分化誘導系の開発が進み、翌年の解析方針が固まった。
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Strategy for Future Research Activity |
①オオミズゴケの透明細胞と葉緑細胞:オオミズゴケの未成熟葉における一過的遺伝子発現系の開発を継続する。さらに、すでに単離しているオオミズゴケVNS遺伝子の機能解析として、主にオオミズゴケVNS遺伝子の過剰発現/発現抑制/機能抑制の解析を継続する。 ②ヒメツリガネゴケのハイドロイドとステライド:葉の中肋において隣り合って配置されるハイドロイドとステライドの分化決定機構を明らかにするために、未成熟な中肋細胞を用いたトランスクリプトーム解析を継続する。さらにハイドロイドとステライドに発現する遺伝子を特定するために、PHYTOMapなどの3D遺伝子発現解析系を立ち上げる。 ③シロイヌナズナの原生木部道管と後生木部道管:シロイヌナズナを用いて原生木部細胞と後生木部細胞の分化を制御するVND7遺伝子とVND6遺伝子の直下の下流遺伝子を同定する。これにより、原生木部道管と後生木部道管の分化がVND7とVND6それぞれによってどのように制御されているかを検討する。
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Report
(2 results)
Research Products
(49 results)
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Organizer
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