ハチの弾性傾斜微細毛がもつ花粉接着脱着機構の解明および機能持続表面への工学展開
Project/Area Number |
23K23917
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Project/Area Number (Other) |
22H02654 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 44040:Morphology and anatomical structure-related
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
石井 大佑 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60435625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 幹大 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70792654)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥16,640,000 (Direct Cost: ¥12,800,000、Indirect Cost: ¥3,840,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,020,000 (Direct Cost: ¥5,400,000、Indirect Cost: ¥1,620,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
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Keywords | 生物模倣材料 / 傾斜機能材料 / 昆虫 / 生物模倣 / 微細構造 / エラストマー / 弾性率 / 傾斜材料 / 動的共有結合 / 共焦点レーザー顕微鏡 / ミツバチ / 蛍光 / サンドイッチ |
Outline of Research at the Start |
本申請課題では、生物表面のもつ機能の模倣に加え、「機能の持続性」までも模倣した新奇機能材料の創発を目的とする。具体的には、高粘度の花粉に繰り返し触れても毛の凝集を防ぎ、接着・脱着機能を永続的に持続しているハチの微細毛機能を解明する。その機能持続性に関連していると考えられる弾性率傾斜構造の数理モデルを導出し、その知見を工学的に展開する。本研究の達成により、未開だった生物模倣機能の持続性を有する材料創成に結びつき、これからの持続可能な開発目標(SDGs)と合致した材料開発への展開が期待できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、ハチの微細毛の弾性率分布測定を行った。モデル生物である西洋ミツバチの個体内の部位の異なる微細毛の形態・弾性率分布を共焦点レーザー顕微鏡(CLSM)により分析した。ハチの微細毛は、異なる弾性率を有する複数の生体高分子で構成されており、それらは特徴的な自家蛍光波長と相関をもつ。そのため、蛍光強度を解析することで弾性率分布をマッピングでき、濃淡差で柔らかい部位と硬い部位を視覚化できる。その結果、アンテナクリーナーに特徴的な弾性率傾斜構造が観測された。具体的には、バンドル状の毛の外側は弾性率の大きな構造になっており、内側の弾性率の小さな構造をサンドイッチしていることが明らかになった。 また、項目1と並行して、弾性率傾斜をもつ強耐久性構造の作製手法の確立を試みた。弾性率を面外方向に連続的に変化させた高分子微細構造を作製した。弾性率の傾斜構造は、加熱により共有結合の交換可能なエステル結合を有するエポキシ架橋樹脂を用いた。この動的な共有結合を用いて分子ネットワークを再形成可能であるため、弾性率と相関がある架橋密度の異なる2種のエポキシ硬化樹脂の結合界面に、連続的な分子ネットワーク構造を形成でき、架橋密度の連続的な傾斜構造を有する強耐久性微細構造を創成できる。架橋密度の異なるエポキシ樹脂を、架橋密度の低い順に積層した。加熱によるエステル交換反応で、架橋密度の異なるエポキシ樹脂界面に連続的な分子ネットワークを形成させ、架橋密度傾斜をもつ微細突起配列構造を作製した。架橋密度は弾性率と相関性をもつため、架橋樹脂は連続的な弾性率傾斜をもつ構造を作製できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ミツバチのもつ弾性率傾斜構造を明らかにすることができ、次年度は、その構造由来の物性および構造設計を行う事ができる。そのため、次年度以降の研究計画を速やかに進める事ができる。
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Strategy for Future Research Activity |
実測された弾性率分布と、原子間力顕微鏡(AFM)による弾性率の定量測定値との相関を図り、微細毛傾斜構造を定量的に解明する。弾性率傾斜による接着・脱着を支配する数理モデルの導出を試みる。得られたモデルを参考にした弾性率傾斜をもつ強耐久性微細構造の作製を行う。具体的には微細多孔構造をもつ鋳型を用い、弾性率を面外方向に連続的に変化させた高分子微細構造を作製する。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)