Project/Area Number |
23K23937
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Project/Area Number (Other) |
22H02674 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 45020:Evolutionary biology-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今井 啓雄 京都大学, ヒト行動進化研究センター, 教授 (60314176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩槻 健 東京農業大学, 応用生物科学部, 教授 (50332375)
阪上 優 京都大学, 環境安全保健機構, 教授 (50437290)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
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Keywords | 味覚 / 霊長類 / 受容体 / 腸管 / 上皮細胞 |
Outline of Research at the Start |
舌で主に発現している味覚受容体は、腸管にも発現し、何らかの機能を果たしていることが示唆されてきた。本研究では、その機能を具体的に、どのような入力により、どのような細胞内カスケードが駆動し、どのような出力がおこるのか、影響の及ぶ生理機能も含めて解明する。ヒトに近い遺伝子構造や蛋白質の性質を示す非ヒト霊長類を用いることにより、in vitroの系だけでは得られない総合的な知見が得られると期待される。動物本体だけでなく、共生細菌叢との相互作用による新たな知見も得られると考えている。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は対象として腸管の上皮細胞等における味覚受容体や共役するG蛋白質(GNAT3)の発現と、そのリガンドや機能を解析した。方法としては(1)味覚受容体発現培養細胞を用いた機能解析系、(2)生体由来の組織、(3)生体内を模したオルガノイド系を用いてそれぞれの細胞内の分子機構を検討した。近年実験動物として有用視され、樹脂・樹液(gum)を摂取して腸管で発酵するというマーモセットを対象として用いた。 (1)味覚受容体発現細胞を用いた実験では、苦味受容体TAS2R7やコク味受容体CaSR等のリガンド応答性を検討した。マーモセットとヒトのTAS2R7を比較したところ、機能に差があることが明らかになった。また、マーモセットのCaSRはgumに対して応答を示し、その反応性は、gumの樹種によって異なる事が判明した。gum中のミネラル類とCaSRの反応性を比較したところ、正の相関が明らかになった。また、ヒトのTAS2R7,14,43,46等、腸管に多く発現している苦味受容体のリガンド特性を詳細に検討することができた。(2)生体由来の組織を用いて、CaSR発現細胞の同定を試みた。CaSRはGNAT3とは異なる細胞に発現し、内分泌細胞のマーカーと共染色された。さらに、(3)チンパンジーやマーモセットのオルガノイドを作成することに成功した。これらを組み合わせることで、舌や腸管における味覚受容体の機能を解明する準備が整った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)培養細胞を用いた機能解析系では、ヒトのTAS2R7,14,43,46等、腸管に多く発現している苦味受容体のリガンド特性を詳細に検討することができたため。 (2)腸管組織を用いた研究では、抗体染色の条件が整い、CaSRを発現する細胞の特定ができるようになった。 (3)さらにオルガノイドを用いた系では、マカク以外にチンパンジーやマーモセットなどの腸管オルガノイド樹立に成功し、種間比較ができる条件が整ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)味覚受容体発現培養細胞を用いた機能解析系については、TAS2R7とCaSRの種間比較を実施すると共に、ヒト個体間でのTAS2R43や46の遺伝子型と表現型の比較をまとめる。 (2)生体由来の組織を用いた研究では、マーモセットとマカクのCaSR発現細胞について、さらに検討を進める。 (3)生体内を模したオルガノイド系については、チンパンジーとマーモセットをマカクと種間比較することにより、それぞれの腸内における味覚受容体の機能を検討する。 (4)サルやヒト個体を用いた実験では、CaSRがマーモセットの体内でどの程度働いているのかを解明するため、行動実験を実施する。
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