Project/Area Number |
23K23949
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Project/Area Number (Other) |
22H02686 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 45030:Biodiversity and systematics-related
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
高橋 鉄美 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 教授 (70432359)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
京極 大助 兵庫県立人と自然の博物館, 兵庫県立人と自然の博物館, 研究員 (00771875)
二階堂 雅人 東京工業大学, 生命理工学院, 准教授 (70432010)
渡邉 正勝 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 准教授 (90323807)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,030,000 (Direct Cost: ¥13,100,000、Indirect Cost: ¥3,930,000)
Fiscal Year 2026: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
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Keywords | 古代湖 / シクリッド / 平行進化 / 適応放散 / 側所的種分化 / ザンビア |
Outline of Research at the Start |
タンガニイカ湖に固有なシクリッド科魚類Telmatochromis temporalisには体サイズに多型があり、岩の隙間に隠れる普通型から、巻貝の殻に隠れる矮小型が並行して複数回進化した。また、隣接して生息する二型は極めて近縁であるが、生殖隔離が成立している。本研究では、①普通型が矮小型へ進化した機構を分子生物学的に検証し、また②側所的種分化の初期段階として、体サイズに対する同類交配が再現できるか飼育実験で確かめる。
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Outline of Annual Research Achievements |
タンガニイカ湖に固有なTelmatochromis temporalisには三つの生態型が見られる。岩の隙間に隠れる普通型(最大体長8cm)、シェルベッド(巻貝の空き殻が敷き詰められた底質)に生息して貝殻を隠れ場所とする矮小型(同4cm)、そして岩と砂の混ざった底質に生息して岩の下に隠れる痩身型(同6cm)である。本研究では、矮小型の進化に注目して、1)普通型の体サイズに関するstanding genetic variation (SGV)が矮小型への平行進化を可能にしたとする仮説を分子生物学的に検証し、2)側所的種分化の初期段階として、岩場とシェルベッドで体サイズに対する同類交配が生じるかを飼育実験で確かめる。 1の研究では、体サイズの責任遺伝子を探索するため、pooled genome-wide association study (pool-GWAS)を行った。その結果、矮小型が並行して進化したチブウェンソロとウォンジにおいて、10個の共通する一塩基多型(SNPs)を特定した。さらにそれらのSNPsを、普通型と矮小型を交配して作成したF2でジェノタイピングし、3つのSNPsで体サイズと関係することが明らかとなった。これらのSNPsは、普通型で多型として維持されており(SGV)、シェルベッドが出現した際に、小さい体サイズを発現するアリルに選択圧がかかり、矮小型が進化したことを示している。しかし、これらのSNPsでは体サイズに対する寄与率が低いため、他の遺伝子も体サイズ進化に関わっていると考えられ、今後の課題として残った。 2の研究では、両型を交配させたF2が必要である。現在、昨年3月に持ち帰った個体からF1を20個体程度得たところである。まだ成熟していないが、飼育は順調に行われている。 このほか、現地調査で痩身型の進化について調べた。それを含め、3報を投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していたpool-GWASを行い、その内容を論文としてまとめ、現在投稿中である。また飼育実験も順調に進んでおり、同類交配の実験を行うF2を作出するためのF1を得ることができた。さらに、これまで不明だった痩身型の進化要因と、普通型との生殖隔離についても現地でデータを取得することができ、この内容についても、現在投稿中である。また、ルンド大学の坪井博士とともに、種内での適応への反応が、種間の進化にどのように影響するかについて種間比較法を用いて解析した。この内容についても、現在投稿中である。 以上を鑑み、「おおむね順調に進展している」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、pool-GWASで見つかった遺伝子について、ゼブラフィッシュを使った遺伝子編集で機能を確認する予定である。また飼育実験では、F2を作成し、ハビタットごとに同類交配をするかの実験を始める予定である。また、これは研究計画の範囲を超えるが、できればタンザニアにある他のシェルベッドにも訪れ、そこの矮小型についても調べたい。
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