Project/Area Number |
23K23968
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Project/Area Number (Other) |
22H02705 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 45040:Ecology and environment-related
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
北條 賢 関西学院大学, 生命環境学部, 教授 (70722122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土畑 重人 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (50714995)
佐倉 緑 神戸大学, 理学研究科, 准教授 (60421989)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2022: ¥7,410,000 (Direct Cost: ¥5,700,000、Indirect Cost: ¥1,710,000)
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Keywords | 社会性昆虫 / フェロモン / 集団行動 |
Outline of Research at the Start |
アリやハチなどの社会性昆虫が示す集団採餌行動は,動物が示す洗練された集団行動の代表的な例の一つである.餌源を発見した個体はフェロモンを介した個体間相互作用によって,個体の行動を改変し,集団として効果的に餌場を選択することができる.また,社会性昆虫では社会行動の神経機構に関する豊富な知見も得られており,集団行動を制御する神経機構を調べる上で優れたモデルである.個体が分泌するフェロモンが他個体の意思決定を改変する神経機構を明らかにし,得られた知見を元に集団行動を説明する数理モデルの構築とその実証を行い,集団行動のダイナミクスが生じるメカニズムを包括的に理解することを目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、アミメアリを用いた研究では、昨年度道しるべフェロモンによる行動の改変に関与することが示唆された生体アミンについて、そのアゴニストやアンタゴニストを用いた薬理実験を行った。その結果、生体アミンは個体レベルにおいて、道しるべフェロモンに対する追従活性や糖に対する摂食行動を調節することが示された。集団レベルにおいて、この生体アミンの効果は集団サイズに依存して変化し、小さな集団においてはコロニーの採餌行動に強い影響を及ぼすことがわかった。また、集団形成を説明しうる数理モデルについて、アミメアリの異なる集団サイズを用いた行動実験データに基づいて、昨年度までに構築した数理モデルに集団サイズを加味したものに改変した。ニホンミツバチを用いた研究では、昨年度までに主要な行動実験データを得ることができたため、結論をサポートするための補助的な行動実験を遂行した。しかしながら、ニホンミツバチの飼育状況から十分な個体数を確保できなかったため、全ての計画を実行することができず、次年度も継続して行動実験を行う予定である。総じて、当初の計画からやや遅れがあるものの、最終年度に向けて社会性昆虫の採餌行動に関して、個体と集団の形質を神経レベルで紐づける上で必要となる成果を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上述したように、野外個体を用いるニホンミツバチにおいて、十分な数を用いることができなかったため、当初の計画を実行することができなかったが、次年度以降に十分に補える範囲である。
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Strategy for Future Research Activity |
アリを用いた実験では、今年度の研究から集団採餌行動に関与することが示唆された生体アミンに着目し、脳内の生体アミン量や生体アミン関連遺伝子の発現量が集団サイズや個体のタスクに応じてどのように変動するかを調べる。また様々な集団サイズにおけるアリの集合行動について、機械学習を用いた動画解析を進め、昨年度までに構築した数理モデルを経験的に検証する。ミツバチを用いた実験では、今年度に終わらなかった行動実験を引き続き行うとともに、得られた成果をまとめた論文の執筆投稿を進める。
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