Project/Area Number |
23K23969
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Project/Area Number (Other) |
22H02706 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 45040:Ecology and environment-related
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Research Institution | The Museum of Nature and Human Activities, Hyogo |
Principal Investigator |
京極 大助 兵庫県立人と自然の博物館, 兵庫県立人と自然の博物館, 研究員 (00771875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 鉄美 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 教授 (70432359)
藤井 壮太 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (90716713)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥16,900,000 (Direct Cost: ¥13,000,000、Indirect Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2022: ¥8,190,000 (Direct Cost: ¥6,300,000、Indirect Cost: ¥1,890,000)
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Keywords | 性選択 / 性的対立 / GWAS / 花粉 / 花寿命 |
Outline of Research at the Start |
受粉した花は、受粉されなかった花よりも早く枯れる。枯死のような花の“行動”はその花自身の形質だと思われがちだが、受粉した花粉の形質が花の行動に影響しているという証拠がある。また理論的には、受粉した先の花を枯死させるような性質をもった花粉が進化しうる。本研究では、受粉先の花の枯死を早める因子を花粉が持っているという作業仮説のもと、シロイヌナズナを材料にこの花粉側因子の同定および進化史を含むその特徴の解明を目指す。具体的には花粉側因子の遺伝子を特定し、その性質を明らかにするとともに、その遺伝子の適応上の意義についても検討を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
受粉により花の寿命が短縮することは古くから知られてきた。受粉による花寿命の短縮は受粉した花の形質と見なされがちだが、花粉が受粉先の花寿命に影響を与えている可能性もある。とくに花寿命の短縮は花粉親の受精成功等を高める可能性がある。本研究は花寿命の短縮が花粉による操作であるという作業仮説のもと、シロイヌナズナを主な材料として花粉側の形質の遺伝基盤等を明らかにすることを目的としている。実施1年目である2022年度は実験に用いるシロイヌナズナ約200系統の選定するとともに、大型人工気象器2台、大型冷蔵庫1台を購入し、栽培設備を整えた。植物撮影用の装置も新たに工作し、24検体まで同時撮影可能な撮像系を構築した。また実験補助員1名を雇用し、実験植物の栽培方法および実験方法を習得してもらうことで、コンスタントにデータが取得できる体制を構築した。花寿命のような「行動」データは一般にノイズが多く、多数の検体から得られるデータを統計的に処理する必要がある。したがって、大規模データを取得するための大勢が構築できたことは今後の研究を進めるうえで重要な意義をもつ。このような体制のもとで、2022年度中に大規模な表現型データ(除雄した標準系統のめしべに様々な系統の花粉を授粉し、柱頭の乳頭細胞が枯死するまでの時間をタイムラプス撮影により記録)の取得を開始した。また、当初の計画に加えてデータベース上のDNA配列情報を用いた逆遺伝学的なアプローチの実施に向け、バイオインフォマティクス解析環境の整備に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
主に2つの理由により研究がやや遅延している。2022年度前半は欧米を中心としたコロナ禍明けの需要増から世界的に半導体不足となり、人工気象器の納品が2か月待ちの状態であった。高額物品の発注手続きと重なり、人工気象器の納品が8月となり、大規模な植物の栽培開始がやや遅れた。また同年9月に所属機関の飼育実験室の空調が故障した。表現型データの取得(植物体の撮影)は計算機で並列制御した多数のウェブカメラで行うため、人工気象器内で行うことができず、飼育実験室の室温にて行っている。空調の修繕が2023年1月に行われたため、表現型データの取得がこの間に停止した。
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Strategy for Future Research Activity |
やや遅延している表現型データの取得を継続し、2023年度中に花粉の形質と相関する遺伝変異の特定を完了する。データベース上の部位特異的な遺伝子発現プロファイルと合わせて花粉形質の候補遺伝子を絞り込み、T-DNA insertion系統等を用いた遺伝子の機能解析に着手する。またこれと並行して、データベース上のDNA配列データを用いた逆遺伝学的な解析によっても花粉形質の候補遺伝子の絞り込みを試みる。現在バイオインフォマティクス解析のためのパイプラインの構築を行っている。
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