Project/Area Number |
23K23975
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Project/Area Number (Other) |
22H02712 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 45060:Applied anthropology-related
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
横山 ちひろ 奈良女子大学, 生活環境科学系, 教授 (90264754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 美穂 京都大学, 野生動物研究センター, 教授 (60293552)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥14,950,000 (Direct Cost: ¥11,500,000、Indirect Cost: ¥3,450,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
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Keywords | 視線 |
Outline of Research at the Start |
他者の「自分にむけられた」視線(自己注視視線)は、社会認知の発達と病理にとって重要な意味を持つ。自己注視視線は、脳内の情報処理速度を亢進し、社会認知にかかわる脳神経回路の活動や機能的連結性を強めるが、一方で社会不安を引き起こす脅威のシグナルにもなりえる。本研究では、同じ文脈において起こる自己注視視線に対する反応の個体差=心理・生理的多型性に着目し、それが高次中枢として機能する脳多様性に起因すると予測する。他者の自己注視視線に対する反応を多元的に測定する新しい評価方法を確立し、反応の心理・生理的多型性と脳多様性との関連を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ヒト成人が示す他者の自己注視視線が促す反応の個体差=心理・生理的多型性を定量的に計測し、脳多様性との関連を明らかにすることである。初年度はまず、他者の自己注視視線を刺激にした実験課題をセットアップした。被験者は生体信号測定中モデルと対峙して座り、被験者とモデルの間には衝立としてUMUガラスが設置されている。UMUガラスは電気信号により透明および不透明が操作され、その信号は試行間シグナルとして生体信号計測データに挿入することが可能となる。被験者に装着した視線計測装置による視線動態(顔領域の注視時間)のほか、皮膚コンダクタンス反応(交感神経活動指標)、心拍変動RMSSD(副交感神経活動指標)を計測した。行動特性として、質問紙により社会不安尺度と他者視点取得能力尺度をスコア化した。遺伝子特性として、頬粘膜から抽出したDNAシークエンス情報から、バソプレシン1a受容体、オキシトシン受容体、セロトニントランスポーターの遺伝子多型を調査した。これまでのところ、視線条件間で違いがみられた生体計測指標は顔領域の注視時間のみであり、顔領域の注視時間には、バソプレシン1A受容体およびオキシトシン受容体遺伝子多型の主効果や視線条件との相互作用があることがわかった。今後は引き続きデータを収集し、生体信号の二者同時測定や脳機能測定を加えていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の計画どおり、他者の自己注視視線が促す反応の個体差を抽出する実験課題をセットアップし、複数の生体信号と行動特性、遺伝子特性についてデータを集めることができた。また唯一視線条件で変化していた顔領域の注視時間と、遺伝子多型との関連性を見出した。一方、その他の生体信号は個体差が大きいために視線条件の影響が統計上認められなかったものの、現在行動特性や遺伝子多型との関を詳しく解析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、初年度に撮り終えたデータを詳細に解析するとともに、この実験課題装置を踏襲したプロトコルで引き続きデータを収集する。その上で、対面する二者の生体信号同時計測、脳機能測定を加えていく予定である。そのために、二者同時計測に適する脳波計測の準備を開始する。
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