Project/Area Number |
23K23978
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Project/Area Number (Other) |
22H02715 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 46010:Neuroscience-general-related
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
殿城 亜矢子 千葉大学, 大学院薬学研究院, 准教授 (90645425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 素行 千葉大学, 大学院薬学研究院, 教授 (20377906)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2022: ¥7,410,000 (Direct Cost: ¥5,700,000、Indirect Cost: ¥1,710,000)
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Keywords | 記憶 / 忘却 / ドーパミン / ショウジョウバエ / ゼブラフィッシュ / 老化 / 栄養 |
Outline of Research at the Start |
学習により獲得された記憶は、徐々に忘却されて曖昧になる。記憶の忘却は通常時にも生じるが、老化や肥満など代謝変化によりその程度が上昇し、記憶能の低下へと繋がる。このように、忘却は記憶システムに必要である一方で、その程度によっては個人のQOLを著しく低下させる。本研究では、二種類のモデル動物(ショウジョウバエとゼブラフィッシュ)を用いて、「老化や摂取栄養による体内環境の変化が忘却をどのように制御しているのか、その神経・分子基盤の解明」に取り組む。本研究により、記憶の忘却機構が明らかとなり、忘却機構を制御することによる記憶改善方法の提示や記憶障害に対する新たな創薬ターゲットの提示へと繋がる。
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Outline of Annual Research Achievements |
学習により獲得された記憶は、徐々に忘却されて曖昧になる。記憶の忘却は通常時にも生じるが、老化や肥満など代謝変化によりその程度が上昇し、記憶能の低下へと繋がる。このように、忘却は記憶システムに必要である一方で、その程度によっては個人のQOLを著しく低下させる。本研究では、ショウジョウバエにおける老化と高脂肪食摂取による記憶低下モデルを用いて、老化や摂取栄養による体内環境の変化が忘却をどのように制御しているのか、その神経・分子基盤の解明を目指す。今年度は高脂肪食摂取による記憶低下モデルに関してそのメカニズム解析を行った。ショウジョウバエの高脂肪食摂取個体では、中期記憶が低下することを見出してきた。これら個体頭部サンプルのRNA-seq解析を行ったところ、オートファジー関連遺伝子の発現量がHFD摂取により低下することを見出した。HFD摂取個体を解析したところ、オートファジープロセスが脳内で低下していることが明らかとなった。さらに、神経細胞におけるオートファジー関連遺伝子Atg1の過剰発現やオートファジー抑制因子Rubiconのノックダウンによるオートファジー機能の亢進は、HFD摂取による中期記憶低下を改善させた。これらのことより、HFD摂取は神経細胞内のオートファジー機能低下を介して記憶障害に繋がっている可能性が示唆された。また、老化個体においても中期記憶の低下が見られる。その忘却機構に関しては、自然免疫機構の活性化と脳神経機能との関与やニューロペプチドに着目して研究を遂行させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
生体内の栄養環境が忘却機構に関与していることを明らかにした。またその機構について神経細胞内のオートファジ―機能の変化が関わることを生化学的・遺伝学的に明らかにした。また、加齢による忘却機構の亢進については、生体内の自然免疫機構の亢進や神経ペプチドによるドーパミン神経の機能制御が関与していることを明らかにした。種を超えた保存性の検討に関してはやや計画から遅れているが、プロジェクトとしてはおおむね計画通りに順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
生体内栄養環境の忘却機構への関与に関しては、より詳細に組織関連間やグリア細胞と神経細胞とのコミュニケーションの関与について解析を進める。加齢による忘却機構の亢進については同定した特定のドーパミン作動性神経細胞のカルシウムイメージングを進めることにより忘却をどの様に制御しているのかを明らかにする。また、忘却に関与する神経細胞のトランスクリプトーム解析を行い、新規の忘却機構制御因子を探索する。さらに、忘却機構の種を超えた保存性の検討を進める。
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